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質より量だ、っていうか大事なのは気持ち! と強弁気味に告げて陣は箱を差し出した。例の駄菓子の棒チョコが、赤い箱から何本も顔を出していた。紅美は無言でさらに数本ほど取って、もくもくと食べてようやく言った。
「……バレンタインチョコって、女から渡すもんだろ」
「え? 今日び男から女へ渡すのも珍しくないらしいで。まあ、ネットでチラ見した程度のハナシだから、どこまで浸透してるかは知らんけど」
「んな程度の情報、得意げに語るなっつーの」
いささか険のある紅美の口調だが、それでもさっきよりはずっと元気なのはたしかだ。露骨に眉間にしわを寄せているものの、これも必要以上に大げさにやっているのが丸わかりだった。
「それで、混ぜっ返しついでとチョコのお返しがわりとして紅に頼みたいことがあってね」
「やだ」
「即答か! せめて内容聞けよ」
いいぞと陣は思っている。これくらいの調子のほうが、紅美とはずっと話しやすい。
「まぁ僕がおめーに告げたじゃん? ある種ポンッと背中に背負わさせたじゃん?」
「遠回りに言うな。『告白(コク)った』って言え」
手厳しい。アイターと茶化したくなってくるが陣はこらえて言う。
「それをさ……もう一個分頑張って背負ってもらえん?」
「なんの話だよ。追加告白ならお返し申す」
追加告白なんて言葉があるのだろうか。しかも返されても――等の疑問符がうかんだが、揚げ足をとっていい場面ではなかろう。座りなおして言う。
「いや僕が追加でってことじゃなくて、別方向から近日公開って感じになると思うんやけども」
「別方向?」
「うん。主語は僕じゃないってことだ。事前に心構えを完了してほしくってさ」
頼むよ、と陣は紅美に手を合わせた。
受験のシーズンももう終わりだなあ。
まだ正式なエンドロールではないものの、
白 真白
としては完遂した気持ちだ。
共通テストの結果はいい感じであり、その後も盛大なトラブルに見舞われることもなかったので二次も問題なくできたと思う。少なくとも確たる手応えはあった。
あとは合格発表を待つばかりだ。主席合格でも狙っているのでなければ、まず朗報を受けることになるだろう。
春遠からじ。
もうじき人生のニューシーズンがやってくる。同時に、避けられない別れもやってくる。
受験が終わるってことは……千絵ちゃんがここを離れるのももうすぐなわけで。
やはり寂しい。
一時は毎日のように、夕方の『クラン=G』で顔を合わせたものだ。
いろんなゲームやったな。
回想する。
トレカ版『TOS』みたく対戦型トレーディングカードゲームが多かったけど、世界のボドゲも色々やった。
勝ったり負けたり、私とは実力伯仲の紅ちゃん。
基本容赦なく強い千絵ちゃん。まあときどき、とんでもないミスをしたりするんだけどさ。
そういや『TOS』のTRPG版、メーカーから提供された試作品を三人プレイヤ-でやったこともあったなー。
紅ちゃんと千絵ちゃんの三人で泊まりがけで遊んだ夜のこと、忘れない。
もちろんいつも三人だけだったわけじゃない。ホビーショップ『クラン=G』では、仕事そっちのけの店長ともよく遊んだし、寝子高の鷹取洋二先輩なんかともワイワイやったりしたものだけど、なんといっても一番関わり深いのは彼だね――七枷くん。バイト店員でもあり寝子高の同級生でもある。
紅ちゃん、千絵ちゃん、七枷くんそして私、この四人が相互関係的というか、四つの頂点となるような特殊な菱形を描いていたことは、認める認めないを別にしても、事実。
本当は不安定だったのに、ずっと安定した菱形[ダイヤモンド]だった。菱形が整ってるかぎり誰も傷つかなかった。
この数ヶ月で急に事態が動いて、ダイヤは砕けちゃったんだよね。
必要な流れだったんだとは思う。
でも必要だったとしても、痛みは感じてるよ。私だけじゃなく、このダイヤを形成している四人がみんな。
千絵ちゃんは七枷くんのことが好きだったけど、彼にごめんなさいって言われちゃった。
だって七枷くんは紅ちゃんのことが好きだったから。告白もしたから。まだ、紅ちゃんは彼に、イエスともノーとも返事してないそうだけど。
かくいう私も紅ちゃんのことが好き。単なる友達としてじゃなくそれ以上の意味で。譲りたくない。譲れない。なのに意気地なし、私はまだ紅ちゃんに言い出せないままでいる。
肝心の紅ちゃんの気持ちはわかんないんだよね。紅ちゃんに隠れたもうひとつの人格、『紅子』ちゃんのほうは私のこと好きだって言ってくれたけど――。
もうひとつ問題があるとすれば、それは紅ちゃんが、千絵ちゃんの気持ちを知ってるってこと。きっとずっと前から気づいてたはず。私らより接点が多いからね、紅ちゃんと千絵ちゃんは。去年の春からおなじ中学に一緒に登校してきたんだし。
「まったくもってよくわかんねーよ」
あのとき
七枷くんから受けた告白について、紅ちゃんが言ってた言葉、きっと本心だ。
たぶんだけど紅ちゃんは千絵ちゃんが寝子島、いや日本を離れるまで答えを出さない……というより出せないよね。
私からすれば、うーん……七枷くんはライバルってことになるのかな?
でも彼のこと蹴落としたいとか消えてほしいなんて、全然思わないんだ。偽りない気持ちで。
一緒に紅ちゃんの勉強を見た仲でもあるし、『クラン=G』って居場所を大切に思う仲間、もっといえば同志でもあるし。
うん、『同志』。単なる友達とか言うより、こっちのほうがずっとしっくりくる。
同志の七枷くんに対し、抜け駆けとかだまし討ちとか姑息な手段は選びたくないよ。ライバルではあってもフェアにいきたい。こと、紅ちゃんのことであれば。
だから――。
真白は心を決めた。
七枷くんも誘おう! 千絵ちゃんのお見送り兼受験お疲れ様パーティに!
「真白のゲームスタイルってさー」
いつか紅美が、トレカだったかなにかで対戦中、何気なく真白に告げた一言だ。
「長考モードに入ると行ったり来たりしがちだけど、決めるときはスパッと決めるし後悔しないよな。カッケーと思うし」
惚れるわー、とも紅美は言ったはずだった。恋愛的な意味ではなかっただろうが。
このときも同じだ。スパッと決めた真白はもうくよくよ考えない。後悔なんてしないし、この先もすることはないだろう。
心を決めて真白は『クラン=G』にむかった。平屋のファミレスを居抜きで買い取り、まるっと改造した建物だ。おなじみA看板(※横から見るとアルファベットの『A』の文字に似た立て看板。A型看板とも)を通りすぎ、壁に丁寧に貼られたボードゲームやTRPGのポスターを横目で見て、自動ドアから店内へ。
「三人ともちょっといいー?」
入ってすぐに呼びかけた。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
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