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二月の魔法は春を呼ぶ
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買い物といっても主として動くのはじゅんだった。
アクセサリーショップに雑貨店、コスメショップ、ブランドショップ。
「これよくない?」
「おー、リップグロスも新色でてんじゃん」
「試供品だってさ。もらって帰ろうよ」
といった風にちょこまかと、気の向くままに歩いて気の向くまま足を止めていく。
さゆるにとってその大半は回送のバスみたいに通り過ぎていくだけだったが、なかには心惹かれるものもあった。
とりわけ化粧品だ。
面接のあとさゆるは、沙央莉やみちるから化粧の手ほどきを受けていた。基本的な技術は化粧は中学生のころに覚えたが、おかげでぐっと知識が深まったように思う。
ルージュのひとつがどうしても気になった。どことなくノスタルジックな感覚の紅色。安いものではない。けれど、
「あんたお金持ってるんだから、思い切っていいの買っちゃえ」
じゅんに背中をおされて購入を決めた。
とっておきの機会に使おう。
無秩序にウインドウショッピングしているようでいてふたりは実は、本命となる目的地は決めてあった。デパートの一角、じゅんのお気に入りのブランド店だ。ロリータファッション、とりわけゴス寄りのデザインに定評がある。この店にかぎらず周辺には同系統の店が複数存在しており異彩を放っていた。昨年秋にもさゆるはじゅんとこの空間を
訪れた
。
やはり不思議な場所である。シルクハットにスーツと網タイツの組み合わせ、セクシーなマジシャンみたいな女性がいると思いきや、中世欧羅巴風のチュニックを着た淑女が、同コンセプトの貴公子と会話しながら前を横切る。なお貴公子といっても女性であることを申し添えたい。ガスマスクの執事は前にも見たと思う。ガスマスク越しだとむずかしいだろうに、ループタイを手にとって品さだめしていた。
新作のマネキンドールの前でじゅんは足を止めた。和ロリィタというのか、大正時代の着物をうんと大胆にアレンジしたようなコスチュームだ。脇に置いた日傘だって番傘仕様である。
「……」
無言で見つめるじゅんに、
「気になる?」
似合いそうねとさゆるは呼びかけた。
「ありがと。でもあたしよりかさ、あいつに似合いそうって思って」
さゆるは口を閉ざした。
――九鬼姫さん。
プロムナードの元従業員。戸籍上の本名は
八幡 かなえ
だという。戦国時代からタイムスリップしてきた姫君を名乗り、本人も真剣にそう主張していた。息を引き取った現在では真相はわからない。小規模ながら葬儀は、故人の希望にしたがい八幡かなえではなく『九鬼姫』名義で出したそうだ。
「……さて」もう何秒か何十秒か、展示品を眺めたのちじゅんは歩き出した。「給料も入ったし新作でも買うか」
うんと時間をかけてじゅんは春の新作ドレスをひとつ、あとアクセ類を何点かレジに運んだ。
「これなんか似合うと思うよ」
ほらとじゅんに勧められ、さゆるも自分のものを選んでいる。
会計に関してじゅんは雑なことはしない。自分のものはきちんと自分のカードで購入する。
「世間には自由業とみなされがちなうちらの仕事だけどさ」どこか嬉しげにじゅんはクレジットカードを取り出した。「でも『プロムナード』はセーシャ(正社員)で雇ってくれてるからね。だからあたしの職業は会社員、カードも作れる」
見た目こそ中学生かもしれないが、こと金銭に関してはじゅんはきっちり自立しているのだ。
買い物を終えて紙バッグを提げ、じゅんと手をつないで歩いていたさゆるを「朝鳥さん?」と呼び止めるものがあった。
「んふふふふっ」
胡乱路 秘子
は嬉しそうに告げる。「奇遇ですね。いつ以来かしら?」
「お久しぶり」
「お元気そうで」
知り合い? と目で問うじゅんに、「寝子高の先輩で」とさゆるは紹介した。「胡乱路秘子さん」
黒の上下、下はタイトスカート、いかにもショップ店員の制服といった秘子のいでたちだ。胸元には赤い名札もある。髪も編みこんで束ねていた。言ってしまえばそこらじゅうにいそうな姿だ。なのに秘子には、その他大勢として背景に埋没するところはまるでなかった。朝焼けの雲のような桃色の髪が、意思をもつ生き物みたいに揺れている。
「お見知りおきを」
秘子はうやうやしくお辞儀した。彼女の動きにあわせ、麝香に似た香気がたち鼻をくすぐる。
「そちら様は?」
秘子の視線はじゅんの顔に向けられている。だがふたりが手をつないでいることは意識しているはずだ。
まみ子と呼ぶべきか迷ったが、思い切って「姫木じゅん」とさゆるは紹介した。ためらうことはない。「一緒に暮らしてるの」と明かす。
「そう」じゅんも迷わない。
妹か従妹(いとこ)かと秘子が誤解したとしてもおかしくはないだろう。なにせじゅんの見た目が見た目だ。しかし秘子は一も二もなく「パートナーの方ですのね」とうなずいた。
「あたしたち」不敵な表情でじゅんは応じた。「夜ごと愛し合う仲だから」どうやらじゅんに『まみ子』モードを取る気はないらしい。
「んふふっ」それはそれはと秘子は謎めいた反応を示した。にちゃりと湿潤な笑みを浮かべて言う。「おふたりは休日のショッピングですかしら? わたくしは仕事、昼休憩から戻るところです。販売員ですのよ」
ですので、と秘子はつづけた。
「営業活動。店においでになりません?」
なんの店なのか問うさゆるに、「ランジェリーショップでして」秘子はやはりうやうやしく言うのである。
「採寸からご提案までおまかせください。きっとお気に入りが見つかるでしょう。昼間の活動をサポートする下着、女性を応援する下着、たくさんとりそろえております。そして――」
すうっと秘子の目が猫のように細まった。
「夜を彩るセクシーな下着も」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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