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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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頬がゆるむ。にやにやしてしまう。
そりゃあそうだろう。
俺、たき火を飛び越したんだよなあ。
ついに、と
桜井 ラッセル
の頬はゆるむのだ。
キモチはカタチにならないものかもしれないが、カタチからキモチを理解することならできるだろう。
バレンタインデー翌日、ラッセルの元にはカタチがある。風の精を名乗る晴月から送られたチョコレートだ。もったいなくて食べるはおろか、箱を開けることすらできない。
一緒に祭典に行ったとき、気持ちだけで十分、と最初ラッセルは遠慮していたのだが、まもなくかわいらしいチョコレートを見つけた晴月が、どうしてもと言ってプレゼントしてくれたものだった。白い小さな箱入り、リボンがかかっている。たまたまではあったが、リボンの色はエメラルドグリーンだった。晴月を連想させる色だ。胸が締め付けられるほどいとおしい。
昔の人なら神棚だかに飾ったりするんだろーけどさ。
狭い桜花寮の部屋にそんなスペースなどあろうはずもなく、ラッセルは小箱を、拝むようにしてベッド脇に立てかけたのだった。
昨夜眠るとき最後に目にしたものがチョコの箱、目覚めた最初も同じ。もちろんラッセルはチョコを通して晴月を見ている。
「……俺は、飛び越えられたか?」
「きっと飛び越えたよ。ありがとう。ラッセル」
節分祭の
記憶
がよみがえった。
とうとうあの日、俺たち両想いになれたんだ。
もちろんずっと前からそうだったのかもしれねーけどさ。
でもたしかめることができた。互いの気持ちを。
寮のベッドから身を起し、ラッセルはシーツの上にあぐらをかいて目を閉じた。チョコの箱は膝の上に置く。
晴月は
「ラッセル? 好きだよもちろん」
なんてあっさり言ってくれたもんだが、晴月の「好き」と俺の「好き」が同じ意味だってわかるまで時間、かかったよなあ。
気持ち、たしかめられただけすっげー進歩つうか夢みたいというか……。
あっ。
勉強机に意識が向かう。英単語のひとつでも覚え直さなきゃ――と焦りが侵入しかけて、もういいんだと気がついた。
マタ大の二次試験は終わったのだ。
芸術学部それも美術専攻、無謀な挑戦だったかもだが、やれる限りはやったつもりだ。
あともう一回やれと言われても、当分無理というくらい全力を出し切った。どこまで通用したかはわからない。でも焦りを持ちこまず、落ち着いて当日の試験にのぞめたのはよかったと思う。筆記試験はまずまずだった。緊張でコチコチになっている受験生が多いなか、実技試験の絵筆をのびのびとふるうこともできた。
やっぱ晴月とか千とかとか、支えになってくれる人の存在があったからだな。
採点者はどう受け止めるかはわからないが、実技試験で仕上がった静物画にはどこか、節分祭で得た幸福感が宿っているように思えたものだ。
あとは合格発表を待つだけだ。どんな結果になっても後悔はない。仮にリセットして二年前くらいからやり直すとしても、きっとたどり着ける状態は、あの日の自分と大差なかろうから。
もう試験のことを考えずにすむのはありがたい。
だから俺、いまは晴月のことだけ考えていたい。
夏のあの日、初めてモリフクロウに変身できたことに興奮してて、だからより一層たまげた覚えがある。
だって空飛ぶ女の子と出逢ったんだからな。
しかもあの子は開口一番、
「あなた、鳥じゃないね?」
って俺の正体を見抜いた。
エメラルドグリーンの髪、おなじ透明度した碧(みどり)の瞳(め)、シーツかぶって出てきたみてーな、白くて長いワンピース。
「わたし、ハヅキ、晴れた日の月と書いて『晴月』! 鳥のひとさん、よろしくね!」
そして最高の笑顔。
晴月はいつだって可愛いけどさ……あんときもう俺、一発で彼女に心を射貫かれていたのかもしれねーな。
思い出す。
止まらない。時間軸に関係なく思い出す。
レンガの壁に絵を描いたこと、初の買い物、魔行列車ではしゃいだ幻みたいな時間、冬の海でたき火の話をした思い出、そしてハロウィンの夜に見た涙――。
「わたし、風の精! ラッセルに会うためにここにきたんだよ!」
でもほとんどの場面では、記憶のなかの晴月は笑顔だ。笑顔で呼びかけてくる。
「あっ。ラッセル!」
「ラッセル、これやりたい」
「ラッセル見て!」
「ラッセル、バレンタインおめでとう!」
晴月のことばかり考えちまう。
でもいいよな。
いいだろ?
誰にたずねているのか自分でもわからないが、心中に問いを発して転がす。もちろんそんなことができるのは不動の結論があるからだ。
だって俺たち、もう両想いなんだから!
あ、いかん、また頬がゆるんできた……。
この状態、とラッセルは内心焦った。ルームメイトに目撃されようものなら救急車を呼ばれてしまうかもしれない。いや顔が火事だから消防車か。どっちにしろ事件だ。事件よくない。平常心!
まだルームメイトは寝ている様子だ。彼を起さないようラッセルは音を立てず着替えて、液体みたいにひたひたと床を滑りドアに手をかけた。
今日は日曜日。
バレンタイン開けの日曜日だ。
どこかへ行こう。
晴月と!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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