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災い転じて春来る
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「将来が見えるってすごいね。どんな仕組みなのかな」
「ねえ魔法みたいだね」
「柚春さんは先生と一緒にいられると思う?」
「一緒にいたいと思ってるから一緒にいられると思うな。晴月さんは桜井先輩と一緒にいられると思う?」
「一緒にいたいとは思うけど、どうだろう。ラッセルは焚き火を飛び越えてくれるかな」
「え? 焚火?」
そんな会話が女子二人の間でされているとは知らず。
ラッセルは離れたところで頭を抱えていた。
「将来か……。傍にいてほしいって言ったし、できたらいてくれるとは聞いたけど、本当の本当はどうなるんだろうな……」
「てか、それで告白したつもりになってんじゃねえだろうな」
「うわ、千っ!」
背後から突然聞こえた声にラッセルは勢いよく振り返った。
「なんだよ、いいじゃんか、傍にいてほしいだって」
「いやそれはお前からしたら進歩だけどさ、もっとはっきり言った方がいいんじゃね?」
「でも……」
ラッセルはうつむいた。
ここへ来てまだうじうじしている自分が嫌になる。晴月はいつだってまっすぐなのに。
空を飛ぶときのようにずっとずっと手を引いてもらうのは、いくらなんでも情けなさすぎる。
思うのにどうしても一歩が踏み出せない。焚き火はそれほど大きく高いものなのだろうか。
「ったく、ほんとに『後悔するのはやめた』のかよ。どうすんだよ。言わずにいるか?」
尋ねる千里は、一応微笑んでいる。だが笑っていないとラッセルは思った。
唇は弧を描いているが、目がまさかそんなわけないよなと言っているのだ。
長い付き合いだからこそはっきりわかるその思い。
晴月の気持ちもそのくらい見えたらと思いはするが、それはこれから構築していく関係の中にあるのだろう、
「ま、言わないのもありかもしれねぇけど、向き合わなきゃ伝わらねぇもんも沢山あるよな」
千里が視線を上げる。
その先には、暦の春を迎える青い空があった。
まだまだ寒い、でも確実に季節は移り変わっていく。
時とともに人は変わる。
中学時代のラッセルと今のラッセルが変わったように。
その中で、離れる人は離れていく。しかし、共にあり続ける人もいる。
(人同士だってすれ違うのに、世界が違う俺らが一緒にいれる自信なんてなかった。……けど、一緒にいたい気持ちは本当だ)
そう気づいたら。
この瞬間、晴月に会いたくてたまらない。
「千、俺行くよ」
言うなりラッセルは、地面を蹴って走り始めた。
「おー、がんばってこーい」
長い髪と羽織の裾をはためかせ、着物の裾が乱れるのもそのままに、全力で駆けてゆくラッセル。その背中に、千里はのんびりと手を振った。
「全く手のかかる友達だぜ」と、満面の笑みで。
しかし柚春と話していると思った晴月は、いつの間にかその場から姿を消していた。
「いねぇ……。もしかして湖の話を聞いて行ったのか」
柚春とウォルターもいないから、一緒に向かって行ってくれるといい。
(もし一人で行って、また変なやつらに話しかけられてもしたら……)
「最悪だ。絶対離れねえって言ったのにさっそく手を離してんじゃねえよ、俺!」
ラッセルは急いで湖に向かった。
冷たい風で耳が痛くなるほど、肺が苦しくなるほどに走って、湖畔にやっと緑の頭を見つけたときは、胸に安堵がこみ上げた。
「晴月!」
大きく呼べば晴月がぱっと振り返る。
「ラッセル」
夕闇が近づく宙に舞う、エメラルドグリーンの長い髪。破顔した晴月の顔は、まるで大輪の花が咲いたようだ。
「一人できたのか?」
「大丈夫、一人じゃないよ。ここまでは柚春さんたちと一緒に来たの。でも二人には湖を見て来てって言った。ほら」
晴月が指し示す方向を見れば、確かに少し先に、湖を覗き込む柚春とウォルターの姿が見える。
「私もさっきから見てるんだけど、今の私の顔しか映らないの」
「二人で見なきゃ、未来は映らないんだろうが」
ラッセルは苦笑した。
そっと晴月の手に触れれば、その指先は驚くほどに冷たくなっている。
「ほら、寒いだろ、上着。冬の寒さは馬鹿にならねーんだ。こんなに冷えて」
自身の羽織を脱いで、細い肩にかけながら、いや違うと思った。
冬の寒さがばかにならないのは本当だが、晴月が寒い思いをしたのは、ラッセルが、晴月を一人で待たせてしまったからだ。
(俺がうじうじ悩んでたから)
それでも晴月は嬉しそうに笑う。
「ありがとう」と、羽織の前を手で寄せて。
「ラッセルのはおっきいね」なんて言いながら。
「でも、ラッセルは寒くないの?」と心配そうに。
(愛おしいよなあ、ほんと)
「俺は走って来たから平気だけど……」
触れる指先は、まだ冷たい。
(……しょうがねぇ)
ラッセルは、晴月にわからないように、静かに細く深呼吸をした。
それから一度目を閉じて、すうっとゆっくり息を吐く。
そして、息を吸うタイミングで目を開けて、晴月の肩をそうっと抱いた。
「あっ……」
つい漏れてしまったというような、小さな小さな晴月の声は、あえて意識しないようにした。
吹き始めた風に、木々の葉がざわざわ揺れる。
「こりゃ、長居はできねえな」
寄り添ってなお感じる寒さに背を押され、ラッセルは「よし!」と声を出した。
「もう時間も遅いし見えるかわかんねーけど、願掛けも兼ねて湖をみてみっか? 未来の俺らが夢を叶えられるかどうか確かめにさ」
「うんっ!」
きっとラッセルがここに来たときから……いや、自分一人で湖面を覗いたと言っていたときから、見たいと思っていたのだろう。
晴月はラッセルとともに湖の淵まで進むと、その場にしゃがんで、薄暗い湖面を見つめた。
もちろんラッセルも隣に並び、じいっと水を見る。
――と、そこにぼんやり映ったのは、焚火を背後に抱き合う姿。
「うぉっ!」
ラッセルは思わず叫んだが、晴月は一言。
「着てるね、服」
「そこじゃねえだろ! ってかそれも大事だけど、うぇっ!?」
ざざあっと大きく風が吹き、映像は数十秒ほどで消えてしまった。
その後は、今の晴月とラッセルの顔が映るだけ。
でも、絶対に見間違いじゃない。
ぽつりと晴月がつぶやいた。
「ライターかマッチ持ってる? ラッセル」
「持ってない……けど」
次に準備をするとはもう言えない。炎なら、胸の内にある。
消えない、飛び越えるどころではない、大きな炎が。
「晴月……」
冷えた体を、正面から抱きしめた。
心臓がうるさいほどになっている。羽織なんてなくても気にならないぐらい体が熱い。
晴月も、同じだろうか。
腕の中、晴月の頬が次第に染まっていくのは、期待してくれていると思ってもいいのだろうか。
風が吹き、木々が揺れて、水面がさざめく。
晴月は黙ってラッセルを見上げている。
その染まりきらぬ白い額に、ラッセルはそっとキスをした。
「……俺は、飛び越えられたか?」
囁くようにつぶやけば、晴月の腕がラッセルの背に回る。
くいくいと着物の布地を引っ張って、「服着てるよ?」
言いながら、くすくす笑う晴月の表情は、まるでいたずらっ子のようで。
「もうなんでそういうこと言うかな!」
ラッセルは声を上げて笑ってしまった。
しかし晴月は続けて言ってくれるのだ。
ラッセルの胸に額を押し付け、照れたように。
「きっと飛び越えたよ。ありがとう。ラッセル」
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担当ゲームマスター
瀬田一稀
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月14日
参加申し込みの期限
2024年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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