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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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晴月と会うにしても、だ。
ラッセルはコンクリート級に無情な壁にいきなり突き当たった。
どこに行きゃ会えるんだ?
これまで晴月を時間をともにする機会には、たいていは晴月のほうがラッセルを一方的に見つけてくれた。飛んでいるところを見かけて声をかけたこともある。晴月のほうが寮を訪ねてきたこともある。偶然鉢合わせしたことも。
会いたいと願ったらなんとなく叶(かな)ってきたんだよなあ。これまでずっと。
いわく彼女は風の精だから、風の吹くところにいれば会える気もする。でも屋外なら風なんてどこにでも吹いているのだ。鳥に変身できる身ゆえラッセルはよく知っている。
やっぱ、通信手段だかを見つけねーとな。
スマホみたいにいつでも会いたいときに連絡とれる手立てがありゃあいーんだが。
でもスマホはなと思った。
晴月にスマホの契約は不可能だろう。住所不定にして職業『風の精』で申請するのはさすがに無理がありすぎる。
もしくは前の紙飛行機みてぇにメモ作って投げたらいいか。
……いやリスキーすぎるか。
確実かわかんねーし。
いざ晴月とはぐれたとき、紙飛行機みたいに冗長な手段を取っていられるんだろうかとも思った。
寮を後にするとラッセルは晴月がいそうな場所をめぐった。図書館、猫又川沿い、シーサイドタウンとりわけ映画館、南下して海浜公園からビーチへ。広範囲だ。ときどきはカナリアの姿をとってショートカットした。
けれどもどこにも、求める姿はなかった。考えてみれば干し草の山で針を探すに等しい。
バレンタイン明けである。行くさきざきで仲睦まじげなカップルをやたら目にした。そのたびに心を荒目のやすりでこすられているような気になった。ざりざりと石の粉が舞う。足元に溜まっていく。自分にだって、想いを通じたパートナーがいるだけになおさらだ。会えないし会う手段もない。徒労感がつのった。
足を棒にするほど歩いたすえに波打ち際に立った。
真冬の海水浴場だ。潮風は悪意を感じるほどに冷たい。天気はいいのに骨まで凍えてしまいそうだ。スニーカーのつま先あたりまで、白くて透明な波が打ち寄せてくる。
「あー」
水平線を前にラッセルは頭をかきむしった。
「会いたい……俺、会いたいよ晴月ーっ!」
声を大にして叫んだ。シーズンオフ中のシーズンオフの砂浜だ。気兼ねする相手などいやしない。カモメすら聞いていないと思った。
――レモングラスの香り。
「私も会いたいよ」
はっとしてラッセルは、そのまま砂浜に背中から倒れそうな勢いで空を見上げたのである。
「ははっ」
笑ってしまう。寒さも疲れもたちまち忘れてしまった。
空に浮かんだ
風の精 晴月
が、いつもの満面の笑顔でラッセルのことを見おろしていたのである。左右の腰に手を当て、緑の長い髪をなびかせて。高さは数メートルだろうか。
「呼んだ?」
「呼んだ」
「私のこと好き?」
文脈を無視した問いかけだが、ラッセルも即応できる程度に心は据わっている。
「好きだ!」
私も、と言うなり晴月は予備動作なくほぼ垂直に空を滑り降りてきた。
「私もラッセルのこと、だーい好きっ!」
両腕を伸ばしラッセルの首にからめてくる。重さはほとんど感じなかったが勢いがすごい。ラッセルは慌てて彼女の背に腕を回し右足を引いたが、二三歩後退したすえに尻もちをついてしまった。
といっても砂浜である。痛いとも思わなかった。
ええい、ままよ!
背中も後頭部もどさっと砂浜に預ける。晴月を抱きしめたまま空を見上げた。
「きゃー!」楽しげな声をあげつつ晴月はラッセルにのしかかった。この時点になってようやく、彼女の体温と重みがラッセルの体に伝わってきた。嬉しいぬくもりであり嬉しい重みだった。
「ラッセルラッセルっ」
「晴月晴月っ」
「ラッセル!」
「晴月!」
いつまでも呼び合っていてもいいのだが、片腕をついて上半身だけ上げて、
「なあ晴月、見つけてくれたのはマジ嬉しいんだけどさ」
ラッセルは言った。
「どしたの?」
「毎回これじゃもしものときに困る。晴月を呼ぶ方法を教えてほしいんだよ」
「呼べたじゃない? さっき」
「いやさっきはさっきだけど。ほら、集合場所を決めとくとか通信方法とか。うーん……」相手は生後一年未満だ。言葉を選びつつラッセルはつづけた。「晴月がいつも行ってるとこがわかれば助かるな。会いたいときも会えるし、ケンカしても遭遇できるしいいことづくめだよなー」
「ケンカするの? いま?」
「しないしない! したくないし! でなくて、晴月がいつもいそうな場所を教えてほしいんだよ」
「えー?」きょとんとした顔で晴月は応じた。「映画館とか?」
「今日も映画館は探した。シーサイドタウンのシネコンにしばらくいたけど……」
「シネコンじゃなくて名画座だよ。旧市街の」
「そっちかー!」しまったと額に手をやった。名画座が好みだと前に聞いたばかりじゃないか。うかつだった。「映画は何観たんだ?」
「なんかねー、ドイツの映画。おじさんふたりが海にむかって旅に出るの。いままで見たことなかったから、って」
「その映画知らないな。面白かったか?」
「よかったよー。なもんで私も海が見たくなって」
だから海岸に来たのか。つじつまが合う。
「そっか。俺たちふたりで再現できたわけだ。映画の場面を」
「ダメだよ!」
晴月が語気を変えたので慌てて「なんで?」とラッセルは問う。
「だっておじさんのひとり、死んじゃうから。重い病気で。海を見るのはおじさんの最後の願いだったんだよ」
「あ……再現ってのはやめとこう。ところで」ラッセルは晴月の両肩に手を置いた。「もう一度言う。晴月と連絡取る方法、教えてくれないか。ほら遊びに行きてーとき不便だし、万が一何かあっても駆けつけるのにも時間かかるだろ。寝子島なら安心だとしても……俺が嫌だ」
「うん。そうだね」晴月は言う。「でもどんな方法?」
「携帯電話とかさ」
「携帯電話?」
「要するにスマホだな」
「ガラケーがいいな」
ラッセルからすれば意外な発言だった。そんな言葉、彼女が知っているとは思えなかったから。
「ガラケーって」
「うん、ガラケー」
言うなり晴月はラッセルの上から降りて小走りで砂浜に走り、すぐに何かを拾って戻ってきた。
「ガラケー!」
と、両手に乗せたものを差し出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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