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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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併走する宇宙船と思わしき物体が、こちらに向かってサインを返した。
倉前 七瀬
の心臓は飛び出しそうになる。
これって地球外生命体とのファーストコンタクト!? それとも――。
それくらい没入して読んでいた。種を明かせば本の話である。しかしエキサイティングな物語だった。
ちょうどこの章はここで終わりだ。なんともクリフハンガーな幕引きではないか。時間も時間だし、名残惜しいがいったん休止にしよう。栞を挟んで本を閉じた。
前評判通りすごく面白い小説だ。SFはあまり読まないのだが挑戦してよかったと思う。
まだ頭は半分宇宙空間だが、七瀬は意識を現実世界に引き戻して大講義室を見渡す。
日常の光景だ。木天蓼大学の大講義室。閑散としているのは寒さ厳しい日の一時間目のせいだけではないだろう。そろそろ始業時間だというのにまだ出席者はやっと半分程度でしかない。鐘が鳴っても七割も埋まるかどうか。そもそも、鐘の時点で教授が教卓にいることすらまれなので、どっちもどっちかもしれないが。(教授は鐘を聞いてから自分の研究室を出るという噂だ)
どうしたものか。
大宇宙から机脇のカバンへ。七瀬の意識は大きくジャンプした。
カバンのなかには教科書とノートと読書用の本、スマートフォンに鍵などが眠っている。なお『本』というのは現在読んでいる途中の本とはまた別である。進行中の本をうっかり読み終わったときのための予備だ。それも二冊も。おかげで七瀬のカバンはいつだってずっしりと、紙束特有のあの重さがある。
そうした日用品、いわば通常装備とはべつに、本日七瀬はある秘密をカバンにしまって持ち運んでいた。
たいていの人にとっては食べ物だろう。でも七瀬にとっては休火山のような意味もある。
小箱だ。中身は――。
ウォルターさんのために作ったチョコ。
ウォルターさんに渡さなかったとはいえ、どう処理したものか。
準備はしたのに完成度に納得できず、プレゼントできずじまいのままバレンタインデーが終わってしまった。
でもせっかく作ったものなのだ。ボンボンショコラの詰め合わせ、箱も自作してきれいに収めた。デザインがひとつずつことなっており、紅茶、キャラメル、レモンなど味わいも様々だ。蓋をあければちょっとした美術館のようなサプライズを楽しめるだろう。
渡せなかったのにも理由がある。
とことん凝ったものなのに、作った七瀬自身が『そこそこ』としか思えなかったのだ。
何かが足りない……。
紙皿についた油汚れみたいに、どうしてもその思いを拭い取ることができなかった。
でもせっかく作ったのだ。誰に味の感想を聞いてみたいと思って。今日こうして七瀬は学校にチョコの箱を持参したのだった。
……ふむん、大学の同級生にでも配ろうかな?
それくらいの考えだった。
ところが困ったことになった。
渡せそうな知り合いがおらん。
六分遅れの通常運転ではじまった講義は、とうとう半分強の生徒数で行われた。定期考査も近いのにいいのだろうか。
その後の二時間目も同様の体で、見知った顔こそあれど名前も知らない者ばかり、多少なりとも親しくて口をきく相手となれば皆無に近かった。語学で隣席になる知人を廊下に見かけたが、会って挨拶して前置きなしに「うちが作ったチョコ、食べてくれません?」とは行くまい。きっと怪訝な顔をされることだろう。
剣吉がおったらもらってくれると思いましたが、見つからないし。
賢持 剣吉
(けんもち・けんきち)、頼みやすい同級生がいるとすれば彼だろうか。いわゆるお調子者で七瀬に「頼むよ~」「困ってるんだよ~」と合掌(主として講義ノートやプリント類のコピー。仮面コンなる合コンパーティに
付き合わされた
こともある)ばかりしてくる男だが、持ち前のキャラゆえか嫌いになれない。得意技が「一生のお願い」であるところからして、どうやら剣吉は猫以上に命があるようだ。七瀬からすれば親友とはとても言えまいが、彼の方はそう思っていないようである。
七瀬はいつも頼み事を聞く側だ。剣吉には頼みやすい。
だから姿を探したのだが一時間目も二時間目も剣吉は見つからず、昼休み時間になっても同様だった。学食に入りよく剣吉が座っているあたりをさまよったものの無駄足に終わった。
あてが外れましたね。
剣吉なら、
「え? チョコ食っていいの? 友チョコじゃんサンキュー」
といった塩梅であっさりと口にしそうなものなのに。
呼び出すほどのものでも……。
思いながら仕方なくNYAINしてみると、
『インフルエンザ――』
というメッセージとドクロマークのスタンプが返ってきた。
病気だったですか。
サボりとでも思っていた自分を少し恥じる。
インフルエンザとは気の毒に。
しかし、
『いいんだ。見舞いなんてこなくていいんだ。マブダチのお前にうつしたくない』『倉前の気持ちだけ受け取っておくよ』
七瀬は見舞いなんて考えもしなかったのに、剣吉はそんなメッセージを送ってくるのである。
マブダチって。
どこまで本気なのだか。
苦笑せざるを得ない。病気になってもやはり剣吉、なんとも調子のいいヤツではないか。
『そんな俺を哀れんでくれるなら、今日の講義ノート。コピー頼むぜ!』
やっぱりそう来ましたか。
まったく。カギ括弧つきの『マブダチ』としては応じるほかない。コピー取っとくとだけ返事した。
『サンキュー。心の友よ! 愛してる!』
スタンプはたくさんのハートマークだ。投げかけてくるキャラクターは『TOS』か何かの登場人物らしいが七瀬はよく知らない。
よくもまあ。
すこしだけ剣吉がうらやましかった。
愛してる、なんて簡単に言ってくれちゃって。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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