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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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白いブラウスにニット、黒のスカート、飾り気といえばボウタイくらいか。星ヶ丘の自宅を探せば、これくらいコンサバな服装でもすぐに見つかった。いつ買ったものなのかも覚えていない。
「どう……かな?」
朝鳥 さゆる
は踵(かかと)をそろえて立った。
「回ってみて」
「こう?」
「いいじゃん」
姫木 じゅん
は満足げに目を細める。「さゆるってば何着ても綺麗なんだから。腹立つくらいよね」
うふふと笑った。リラックスしきったじゅんとは対称的に、さゆるの表情はどうにも硬い。
「スーツでなくていいの?」
「スーツ? 黒の上下で膝丈のタイトスカート、首後ろで髪を縛ってヒール三センチの黒のパンプスって? 就活生じゃないっつーの」じゅんは腕組みしてしかめ面する。「あたしあのカッコ嫌い。みんながみんなコピー人間みたいに同じ服装してさ。なんで女はスカート固定なわけ? 就活セクシズムって言うんだっけ、採用側、ようするにオッサンの趣味だよね明らかに」
これにはさゆるも苦笑するしかない。
「手厳しいわね」
「うん。手厳しいのあたし、さゆる以外には」
つーっと滑るように近づくと、背伸びしてじゅんはさゆるに口づけた。二週間前、寝子島高校の体育倉庫での情事を味わって以来、じゅんはますますスキンシップをためらわなくなったようにさゆるは思う。もちろんその変化はさゆるにとっても歓迎できるものだった。唇にはまだ甘い感覚が残っている。
一月往ぬる二月逃げるとはよく言ったもので、年明けてからの日々は性急に過ぎていった。
じゅんが偽高校生に扮してから間もなく木天蓼大学の受験があった。さゆるが受けたのは法学部法律学科、「九割がたできたと思う」という手応えだった。もちろん万が一ということもあろうが、まず合格だろうと思っている。
さらにはバレンタインデーが来て、翌日の日曜日にアルバイトの面接が設定された。いまから向かうのは『プロムナード』、じゅんが
まみ子
の源氏名で勤めるナイトクラブ――ありていに言えばキャバクラである。
「ごめんね無難なカッコさせて。だけど就活なのはまちがいないから」
「就活……」
「バイトの面接だって『職に就(つ)く』ことよ。ま、さゆるなら大丈夫。採用まちがいなしだから」
太鼓判を押すと、「そろそろ行こうか」とじゅんは玄関に向かった。なお彼女は、普段着ことゴスロリな出で立ちだった。黒が基調で赤の差し色、めずらしくハートの髪飾りをしているのは、恋人たちの月を意識したものだろうか。
勤めるのは卒業後の四月から、という話だ。いきなり面接に行けばいいのかと思いきや、それに先だって履歴書の提出を求められていた。案外きっちりしていると言っては失礼かもしれないが、『プロムナード』はれっきとした株式会社であり、弁護士がひな形を作った契約書も就業規則も存在する。顧問司法書士による指導によるものだという。
歩きながら言葉をかわす。
「緊張する」
そもそも『プロムナード』店内に入るのも初めてなのだ。本日店は定休日だが、オーナーは面接のために来るという。
「平気平気、いつも通りしてればいいから」
「でもじゅんは面接に同席してくれないんでしょう?」
「まーね。あたしが入るとさすがに身びいきになっちゃうし」
身びいき、つまりじゅんが自分を身内と考えてくれていることが、地味ながらさゆるには嬉しかった。
着いた。昼間ゆえ猫のネオン看板も沈黙している。
じゅんは従業員入口にさゆるを引っ張っていく。派手目な正面口とちがってこの扉は、うっかりすると見落としそうなほど壁と同化している。
「おはようございまーす」ドアノブを回して引いた。
「こういうところでは……」
「そ、いつだって挨拶は『おはようございます』ね。昼も夜も真夜中も」
はーいと奥から男性の声がする。間もなく、
「ようこそですよー」
ようこそ、と表記したが限りなく『よこそ』に近い発音とともに、のっそりした男性が姿を見せた。彼は
アーナンド・ハイイド
、インド生まれで日本に帰化、昼はインド料理店、夜はこの店を経営する実業家である。シェフや黒服までこなすマルチな人物でもあった。オールバックの髪と髭がととのっている。
「はじめまして。あなたがさゆるさんですねー」
「はい」アーナンドのことは聞いてはいたが、やはり実物を前にすると気圧される。「よろしくお願いします」
「こちらこそー、よろしくですよー」合掌してアーナンドは笑顔を見せた。「ナマステー」なんというか、こちらの心をほぐすような笑みだった。
「こうですか?」
さゆるは思わずナマステを返した。
店内案内しますよー、とアーナンドの案内を受けてひとめぐりする。もっとギラギラしているイメージだったがちがった。しっかりしたソファとテーブルのならぶ店内は落ち着いていて、なんなら瀟洒ですらある。といってもこれは、営業時間外でひっそりとしているせいかもしれない。
「その子ね?」
急な声がさゆるを驚かせた。無人と思っていたテーブル席のひとつに、膝を組んで座っている女性がいる。都心のOLみたいなこざっぱりした(けれどもお洒落な)服装、夜会巻きにした髪型、脚が長い。美人ではあるが冷たい眼差しだ。「ふーん」と口に出してわざわざゆっくりと上から下まで、値踏みするようにさゆるを見た。
「あら沙央莉さん」じゅんは冷ややかな口調で言った。
「おは、まみ子」沙央莉の冷ややかさも負けてはいない。
「やっぱ沙央莉さんが面接するわけ?」
「当然よ、あたしがここの売り上げナンバーワンだからね」
「先月はね」
「そう先月は……って、一回や二回勝ったからって偉ぶるんじゃないよっ」
苦々しい顔で沙央莉は立ち上がった。だが、さゆるにむかうと表情をゆるめて、
「朝鳥さんだっけ? よろしく。『沙央莉』こと
三木 桜咲香
」と言ってさゆるの手を取った。ごく自然な動作でありさゆるはなすがままである。「わぁあなた指細いんだ、うらやましいなぁ」
くすりと微笑むと沙央莉は、先と印象が一変する。蜜したたる果実のよう。一瞬、むしゃぶりつきたいような衝動に駆られた。怖くなるくらい魅力的だ。
「ど、どうも」
さすがプロ。さゆるは内心舌を巻く。
面接はこっちのテーブルで、と沙央莉はさゆるを先導する。まみ子つまりじゅんはその場に残るようだ。
「そうだまみ子」
去り際、沙央莉はじゅんに振り向いた。
「こないだ借りた漫画、面白かったとだけ言っとく。悪役令嬢が夢想転生でどーの、ってやつ」
「でしょ? 沙央莉さんなら受けると思った。悪役令嬢に共感した?」
「するか! 私は『悪役』のついていない令嬢ですからね!」
「へー」
「まみ子のほうがよっぽど悪役だっつーの」
なおもブツブツ言っている。
なんとなくそこから、沙央莉の歩みが大股になった気がした。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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