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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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似合うかどうか見たいから、とみちるは言ったのだが、提案したときにはすでに結果を予想していたのだろう。
なのでブルーのロングドレスに身を包み、バックヤードの更衣室から戻ってきたさゆるを前にして、みちるは驚くことなく『思った通り』と満足げな顔をしたのだ。沙央莉とアーナンドも同様だった。
薄暗い店内に映える星空のような蒼、偶然だが、先日寝子祭で着たドレスによく似ていた。
「あなたのために仕立てたみたいにぴったり」
「綺麗ね」
「見事ですよー」
三人は口々に賞賛する。そういえばさゆるはこの店に入ってから、なんら否定的な言葉をかけられていなかった。
褒めて伸ばす、という方針なのかしら。
「何か特技があればこの場で披露してもらえる?」
みちるが言う。
「先生それは、いきなりは難しいのでは」
アーナンドの口調からして、『プロムナード』の面接では滅多に出ないリクエストなのだとわかった。
あえて彼女がリクエストした意図は何?
度胸を見ようということ? 期待のあらわれならいいのだけれど――。
特にありませんと言って下がっても、おそらくは許されることだろう。
でも。
あたしは、じゅんと働きたい。この店で。
「歌が……。素人芸の域を出ませんが、学祭で賞を取ったこともあります」
店内ステージにさゆるは立った。
スタンド型のマイク、スイッチを入れるとブツッと大きな音が立った。
使い込まれているが集音力はいい。マイクはさゆるの吐息すら拾った。
どうぞ、と言うかわりにアーナンドが手でキューを出す。
指定した曲のイントロが流れはじめる。寝子祭のステージでも選んだ楽曲だ。安いカラオケにありがちなペラペラした音質ではなかった。生ギターとホーンが入っているようだ。
誰でも知っているようなスタンダードナンバー、しかしさゆるにとってこの曲は、じゅんに捧げた想いそのものだ。
──あなたに会えて 私は変わったの
知らなかった こんな気持ち
姿こそ見せないが、じゅんが聴いていることはわかっている。
だからこそ熱が乗る。想いをハイトーンのビブラートに籠(こ)める。
星が渦巻いている。
さゆるは感じていた。
銀河の海であたしは、じゅんに向けて唄っている。
歌い終わり我に返ってさゆるは知った。
みちるも沙央莉もアーナンドも立っていた。しかも拍手していた。スタンディングオベーションだ。
「あんた本当はプロじゃないの――?」
信じられないものを見た、いや、聴いた、と言わんばかりの沙央莉の口調が、全員の感想を代表しているといっていいのだろう。
マイクが入ったままなのを忘れてさゆるは述べた。
「私はまみ子さんに救われました。……今度は私がこの仕事を通じてお客様の傷を癒したい、と思うんです」
そして、深々と頭を下げたのである。
面接終了後、
「ここで待ってて」
沙央莉はさゆるをバックヤードに案内した。店内とは裏腹の殺風景な場所だった。テーブルは公民館のような折りたたみ式、席だって背もたれの痛んだパイプ椅子だ。
「うわー、まみ子先輩の恋人さんっすかー! チョー美人じゃないッスかー!?」
赤いジャージの女性が、うひゃーとか奇声をあげて飛んで来た。「はじめましてー!」と息せき切って言う姿が小型犬ぽくてかわいい。
「そうよ。たいしたもんでしょ?」
ジャージ女子にじゅんは得意げな顔をする。
「歌も超絶上手いしー! ここにも聞えてたッス。感動したッス!」
「もっと賞賛していいからね」
じゅんはますます鼻高々だ。聞けば彼女が『
あんな
』こと
後藤 杏那
ということだ。おそらく中高時代のジャージを着ているというのに、あんなのほうがじゅんよりも一回りは歳上に見えるのだから面白い(実際は逆だ)。
なおあんなは「休みって言ってもビンボー人には暇なだけなんで」とオーディションをのぞきに来たという。さらに、
「ニーメンハオ」
細身の女性が入ってきた。すらりとした立ち姿、髪をシニヨンに結っている。顔立ちが整っているだけではなく、性格もよさそうな印象を受けた。
「わたし
恋々
(レンレン)、中国の生まれ。あなたのことまみ子に聞いてるね。春からよろしく」
「よろしくお願いします。でも、まだ決まったわけでは」
「だいじょぶよ。第一印象でもう確信したね」
恋々の後から、
「ゲーム好きですか?」
またひとり女性がやってきた。恋々も女性にしては高身長だが彼女はさらに高い。百七十五センチあるさゆると変わらないほどだ。ベレー帽にコート、スカートもブーツも、服装すべてが黒ずくめである。肌の色は逆に死人みたいに白い。まみ子がゴスロリとすれば、彼女ははっきりとゴスと言い切れよう。
「ゲーム、ですか」妙な挨拶もあったものだが、さゆるはおずおずと応じる。「ときどきまみ子さんとやります。下手ですけど」
ごく簡単なアクションゲームの名をいくつか上げると、黒ずくめの女性は「おお」と反応した。早口で語り出す。
「ということはFPSはご存じないようで。ですが大丈夫! 入店したら私が教えて差し上げます。FPSというのはですね、First Person Shooter(※なめらかな発音)の略でして、一人称視点のシューティングゲームを指します。画面に表示されるのは主人公の腕と武器のみで、いわば主人公と一体化するわけですね。ゆえに高い没入感がありオンラインでは世界的にも……」
「あーもう
揚羽
(あげは)! オタクはすぐこれだから!」
じゅんは彼女を押しのけた。
「オタクはまみ子先輩もじゃないですかぁ」
「あたしは社会性のあるオタクなの。だいたいあんた自己紹介くらいしなさいな」
「失礼しました。自分は源氏名『揚羽』こと
烏魚子 一紗
(からすみ・かずさ)と申します。特技はFPSとゾンビ狩り、休みの日は主として自宅を警備しております。今日はまみ子先輩のsweetheart(※やはり異様になめらかな発音)がいらっしゃるということで参上つかまつった次第で」
多少いやかなり面食らったが、さゆるは揚羽に対しても好感を抱いた。すくなくとも、悪い人間ではないと思う。だがゾンビ狩りだの自宅を警備だのとはどういう意味なのか。けれど揚羽はさゆるに考える時間を与えない。
「朝鳥さん、お歌、最高でした」急迫して言う。「自分は朝鳥さんとは友達になりたいです」
「あーしもなりたいです!」あんなも言う。
「私、もうとっくに友達のつもりネ」恋々に至っては気が早い。
揚羽が言った。「夕顔先輩とかNACCHIちゃんとかいないのは残念だけど、このあとみんなで歓迎会に行きませんか?」
歓迎会?
「いえまだ採用面接の結果は……」
柄にもない不安がまた蘇ってきた。大学受験よりよほど自信がないかもしれない。
ここでバックヤードのドアが開いた。アーナンドである。
「はーい、面接の結果をおしらせしますよー。満場一致で――」
帰宅後、さゆるは疲れ切った身体を熱い湯船にゆだねていた。
唄い疲れたというのもあるかもしれない。一足早い歓迎会で、請われてさゆるはさらに何曲かカラオケで披露したのだから。どうも自分は、中途半端に唄い流すことができないらしいと気がついた。軽い曲でもフォークソングでも、それこそ電波系アニソンでも全力でやってしまう。大好評ではあるが、一曲ごとにぐったりする。
でも心地よい疲れだ。男たちに蹂躙され意識を失ったときの疲労感とはまったくちがう。
四月から『プロムナード』。
その日が来るのをを、あたしは楽しみにしている。
考えてみれば、未来が楽しみなことなどこれまでの自分にあっただろうか。
考えるだけで目の奥が熱くなってくるのだ。
「お疲れさま」
からりと風呂場の戸が開いた。じゅんだった。髪を解いて裸身、手にはアイスショコラのグラスがある。
「源氏名決めないとね」じゅんは言う。「うちの店苗字決めない傾向にあるから、『さゆる』をもじって『冴(さえ)』とか、歌が上手いから『響』と書いて『きょう』とか『ひびき』とか、いっそ『吟子』とかもいいよね。歌い手って感じで」
「待って待って、いま決めるの?」
「いまじゃなくてもいいけど」
それよりも、とじゅんは言うのである。
「バレンタインの仕上げをしない?」
そう広くはないバスタブである。
けれど口移しにショコラを分けあいながら、情事に溺れるには十分な広さがあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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