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幽霊猫とお化けの国:最終幕 旅の終わりと最後の戦い
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◆
切り裂かれて空っぽになったウツボカズラが、ずるりと蠢く。
爆発的な勢いで伸びたツルが、これまで以上に触手じみた動きでウィルの背中に巻き付いたではないか!
そしてツルの先端がウィルの体に突き刺さったかと思うと、消えかけていた炎の翼が再び勢いを増す!
「ウィルさん……!」
「ガッ、ギ……ギギッ……!!!」
ウツボカズラの下で苦し気にうめくウィルの姿に、紫苑があらあらと頬に手をあて口を開いた。
「ウツボカズラが元凶、ということで良さそうですね?」
『さんせい』
「……この方が、僕たちらしい終わり方なのかもしれないね」
海がうなずき、夏朝が呟く。
ここから異議を唱えようとする者は、誰も居なかった。
ウツボカズラを背中に乗せたウィルが、否、ウィルの背中に取りついたウツボカズラが咆哮する。
火勢を取り戻した翼が波打ち、巨体が飛翔する。
直後、ラグドール号が砲弾を浴びせかけた。その狙いは、ウツボカズラだ。
ウツボカズラを砲火が呑みこみ、ウィルが怯む。爆炎を振り払うように首を振ったウィルが、火球を放った。
「ぬおお……っ!」
クリストファーが、歯を食いしばって舵輪を手繰る。右舷の大砲のいくつかが、掠めた火球によって破壊された。
ぐんと旋回したラグドール号の船首が、真っすぐにウィルを捕捉する。
船首に樽を置いたサキリが、火種を手にクリストファーへ告げた。彼の後ろには、他にも樽が大量に並んでいる。
「行ってくれ、クリストファー!」
「……ああ!」
ラグドール号が、ウツボカズラへ向けてスピードを上げていく。その風を感じながら、サキリは導火線へ火を点けた。その続く先は、船首に並べたいくつもの樽――火薬樽だ。
「もしかして、ラグドール号でつっこむ気? 思い切ったことするね!」
ラグドール号の様子に気づいたタルトは、すぐさま皆にそのことを伝える。
そしてタルト自身も、飛翔するウィルを妨害するべく飛び込んだ。
「翼をなんとかできればだけど――」
背中に取りついた直後に翼が火勢を取り戻したことを思い出し、タルトはあるいはとウツボカズラへと銃を撃ち込んだ。
炎の翼の先端が、微かに揺らぐ。
「そこまで覚悟決めてるなら、こっちも応えてあげなきゃね」
残り少ないびっくり箱を携え、アリサはウィルの目の前へ躍り出た。
一度はウツボカズラを切り離したおかげだろうか、ウィルの動きは先ほどよりもいくらか鈍い。鬱陶し気に払われたハサミの刃を潜ってかわし、すぐさま上昇。
「その背中の取っ払ってあげるから、ちょっとだけ我慢してくれる?」
文字通り目と鼻の先へ飛び出すと、ウィルの顔面目がけてびっくり箱を投げつけた。
飛び出す刃物に、猫だましでも食らったみたいにウィルが怯んで目を閉じる。
「今のうちに……!」
鋭くウツボカズラを睨みつけた夏朝が、降下と同時にろっこんを発動する。
「何の目的でゴーストさん達を食べたかは知らない。けど――」
ゴーストたちの平和な暮らしを奪ったことが、許せない。
他者に取りついて操ったことが、許せない。
ウィルが過ごすはずだった平和な時間を奪ったことが、許せない。
「――貴様が食らうのは、もう終わりだ!」
真っ二つに切り開かれた今、中のゴーストたちの安否を気にする必要はない。怒りの叫びと共に、質量弾となった夏朝がウツボカズラを直撃する。
わずかに地面を離れていたウィルの体が、再び地面に降りた。いや、落ちた。
(逃がさないよ!)
手元に残った剣の幽霊を、そして辺りに散らばっているありったけのお化け兵の武器を、海が『アクセラレイトライン』で次々に加速させた。
いくつもの武器が、炎の翼を目がけて射出されていく。
炎の翼が波打った。直後に爆炎があがり、射出された武器が片っ端から撃ち落とされる。
(なっ……!)
息をのむ間すら惜しむように、海は周囲に視線を走らせる。しかしあらかた射出してしまっていて、しかも爆炎によって破壊されて再利用できないものも多い。
(他、他に武器になりそうなものは!?)
そんな彼女の肩を叩いたのは、ピエロだった。目を瞬かせる彼女の前で、道化師は幾つも色とりどりの風船をふくらませ、ねじり、剣を作っていく。
それらをジャグリングのように次から次へと空へ投げ上げると、彼は海にニコッと笑いかけた。
(ありがとうピエロさん、風船借りるね!)
無数の風船剣を加速させる。カラフルな風船が空を駆けていく様は、虹の流星の様。ゴーストリアの夜を彩る七色の流星は、そして炎の翼を引き裂いた。
「ダメ押ししておきましょう」
再び大鎌の幽霊に持ち替えた紫苑が、ボロボロになった炎の翼へと迫る。
「えいっ♪」
踊るような一閃が、引き裂かれた右の翼をさらに切り裂いた。
その直後にふと空腹感を覚えたのは、なにかと動きまわっていたせいだろうか。
(うーん。でも今ウィルさんをかじるのは、あんまり良くないでしょうか?)
ウツボカズラならともかく、ウィルにかじりつくのは今は良くなさそうな気がする。なので、いったん我慢しておくことにした。
ズタボロになった炎の翼が波打つ。お化け兵を生み出した時よりも、武器を払い除けた爆炎の時よりも、なお一層強く激しく。
「なんかやべーの来るぞ!」
呼びかけると同時に猛禽に変身したラッセルは、すぐ隣に居た戦士の肩を掴んだ。
次の瞬間、蠢くツルをそのまま炎で再現したような何かが、周囲へ襲いかかった。
ラッセルに掴まれた恰好のまま、戦士が低く唸るような声で言う。
「なんとおぞましい……! 貴公、そのまま頼めるか」
何を、とは聞かずとも理解できた。そのままラッセルは、ひときわ強く羽ばたいて加速する。
「っしゃ、行けぇっ!」
「応!」
猛禽の速度を乗せた剣閃が、左の翼を決定的に断つ。
それでも飛び立とうするのは、ウツボカズラの執念だろうか。蠢くツルが寄り集まり、まるで翼の如き形を取ろうとする。
それを見た小枝は、すぐさまメモワに呼びかけた。
「ウィルさん――ううん、ウツボカズラを捕まえられる!?」
「やってやれないことはないかしら! みんな、最後の大仕事なのだわーっ!」
小枝の言葉を受けたメモワの号令で、ドールたちが髪を一斉に伸ばす。四方八方から絡みついた髪が、偽物の翼で飛び立とうとしたウツボカズラを地面に縛り付けた。
そして。
拘束されたウツボカズラへ、ラグドール号の船首が突き刺さる。
その寸前、サキリはクリストファーを抱えて斬空赤刃を発動した。
空中に躍り出た二人の瞳に、炎上するラグドール号が大きく映し出される。
今まで旅を共にしてきたラグドール号には、彼だって思い入れがある。だけどいつか、別れというのは必ず来るもので。
この戦いで、その別れが訪れるなら。ゴーストリアを救う役目を、達成してほしいと思ったのだ。
「……さらばだ、クイーン・ラグドール号」
「今までありがとう、クイーン・ラグドール。良い船だったよ」
二人が呟いた直後、ラグドール号は爆発した。至近距離での爆発に巻き込まれたウツボカズラが、粉々に砕け散る。
すかさず小枝は、アマキに呼びかけた。
「アマキさん、歌を! ウィルさんに聞かせてあげて……!」
「ええ、やってみるわ」
アマキの澄んだ歌声が、ゴーストリアへ響き渡る。けれども戦場全体を覆うほどの癒しの力は今、ウィルだけに向けられていた。
ウィルの体が前のめりにくずおれていき、翼の根元に微かに残っていた炎が、ロウソクが吹き消されるみたく消えてしまった。
そしてウィルは、まるで眠りに就くようにして倒れるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
前回シナリオ
幽霊猫とお化けの国 第五幕:戦士は憩いを希う
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月12日
参加申し込みの期限
2024年02月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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