幽霊猫とお化けの国：最終幕　旅の終わりと最後の戦い｜リアクション

幽霊猫とお化けの国：最終幕　旅の終わりと最後の戦い

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　ここまでの攻撃に、しかしウツボカズラはまだ壊れない。邪魔するツルも次から次へと生えてくるせいで、斬り落とすのも思う様には進まない。
「この、いい加減に……壊れろ！」
　夏朝が何度目かの体当たりを行った時、バリバリと音を立ててウツボカズラが尻尾からはがれ始めた。本体もひしゃげて歪み、今にも破れそうになっている。
　もう一押しで。
　誰もがそう思ったその時、山肌を土くれが転がり落ちた。
　ウィルがハサミを引き抜いたのだ。

　カボチャ頭の竜の口が、幾度目かの緑の光を放つ。
　ウィルはぐるりと首を巡らせ、周囲一帯へと緑の炎を放った。炎の波が辺りを薙ぎ払い、さらに火球が続く。
　クリストファーも必死に操船するが、巨大な船体でその攻撃を捌ききることはできなかった。数発の火球がラグドール号に命中し、衝撃と共に船体が炎をあげる。
「マズいな。これ以上はラグドール号が持たぬ……！」
　舵輪を握るクリストファーの目つきは険しい。しかし彼の眼差しは、あくまでもウィルに向けられていた。
　そんな彼の様子に、サキリはある提案を口にすることを決める。
　ウィルを倒し、ゴーストリアを取り戻すことを第一とする彼にならば、きっと提案する意味があると考えて。
「クリストファー、僕に考えがある」