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【節分】寝子島節分祭、および、霊界殺武無祭
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隣を歩く、自分とは20cm以上も違う小さな恋人の黒髪が揺れる。その視線に相手──
姫木 じゅん
が気づく前に、
朝鳥 さゆる
はふと己の視線を何とはなしに上へと向けた。
一面に広がる青、そこには雲ひとつ無い快晴があった。
本日は、雨は降りそうにない。
「シマリス書房の新しい漫画と……新しい口紅も買ったし。さゆる、あんたはもう買うものは無いの?」
「ええ、あたしは特に――」
途中でさゆるの言葉がひたりと止まる。
そこは丁度『鬼歩き』という看板を持った人と行列、そしてちょっとした人だかりが道沿いに長く出来ているところだった。
「そういえば……」
さゆるは、本日が節分であったことを思い出す。寝子島はとにかく何事につけても祭りが大好きなのだ。
すると、企画役員らしきハッピを来た人に「縁起物だから良かったらふたりで豆を投げていきなよ!」と、厚紙で折られた紙枡の豆を渡された。
二人としては既に本来の目的であった買い物は終わっている。だが、特に思い入れのある行事で無くとも、豆まで渡されて何もせずにこのまま帰ります、というのはあまりにも侘しいものだ。
「……」
どう取り扱ったものか、表情に殆ど出ないさゆるが見つめる豆を見ながら、じゅんが言う。
「――せっかくだし、見物がてら投げていく?」
さゆるはこういう慣習に、とりわけ興味があった訳ではない。しかし一応にも、さゆるが鬼の扮装をしている人に何となく豆を投げていた。雰囲気とは魔法のようなもので、少しずつそれが楽しく感じられるから不思議なものだ。
だが――その傍らで突然、何やら豆鉄砲の散弾銃のような音が響き渡った。
ビシバシビシッ!!
「イテテテテっ!!」
鬼の扮装をしている人が結構本気で痛がって逃げ惑うのが目に入る。豆散弾銃の発射源は、じゅんだ。
思わずさゆるが視線で驚き、そちらを目に入れる。それに気付いたじゅんは、至極自然な様子で頷いた。
「いや、店で嫌な客に当たってさ」
そう言いつつ、再び豆を鬼に向かって全力投球する。
ビシビシバシッ!!!!
「ひぃぃっ、お助け~!!」
じゅんは無自覚であるようだが、どう見ても現状完璧な『八つ当たり』では――と、言いかけたさゆるは途中でツッコミを止めた。
たまには、じゅんにもそういう日があるべきなのかも知れない、と。
「さっむ!! 流石にこの格好は寒かった……大丈夫、紗月?」
「う、うん。寒いけれども、まだ……」
商売柄、真夏の厚着、真冬の薄着という理不尽さは日常茶飯事。とは言え、現実、寒いものは寒いものだ。
しかもその上、虎縞ビキニの美女二人は、鬼歩きの中でも一際に目立つ。寝子島神社からシーサイドタウンの方へ向かうだけでも、鑑賞なのか豆まきなのか分からない状態で半ば人混みに囲まれ、四方八方から豆が飛んで来た。
「よし、分かった! 寒いなら、全力で暴れて、避けて、温まるだけ!! 鬼だぞー! 当てられるもんなら当ててみ──痛てて!」
言うそばから、その中の一投、遠くから投げて尚も威力の衰えない中学生くらいに見える女性が社会への苛立ちを交えて投げた豆が、理緒のおなかを直撃した。
「痛たたたたっ!!」
「だ、大丈夫っ、理緒ちゃん!」
「こ、このくらいなら大丈夫っ。まだまだ、でも当りすぎないように……がおーっ! 鬼がいるよー!」
目の前で起きた驚きに、心配で声を上げ駆け寄った紗月に、理緒は紗月を人々の視線から遠ざけるように、器用に豆を避けながらも、全力で目立ち人を驚かしに向かっていく。
その理緒の様子を見ていて、紗月はようやくその理由に気が付いた。
理緒は、自分が目立って矢面に立つことで、紗月に豆が行かないようにするという作戦行動の一種であるらしい。
しかし、それを踏まえて顧みても、今の理緒はとても生き生きしていてすばしっこく、お祭りである節分祭鬼歩きの雰囲気を全力で楽しんでいる様子が伺えた。
「――……うん、そうよね。私ひとりが縮こまっていたって」
何も楽しくないし、寒いだけでしかないではないか。
まず出された衣装が、ヌードでもないのに恥ずかしいと尻込みするのは、ファッションモデルとしてもグラビアモデルとしてもプロ意識失格ではないのか。
確かに賃金が出る訳でもないが、それでも『自分たちを見て喜んでくれる無数の人々』がいる――それだけで、十分過ぎるほどではないか。
何より。今、自分が楽しまないのは、ここに連れてきてくれて、この場所と雰囲気を作り上げてくれている理緒にも申し訳がなさすぎる。
「うんっ。が、がおーっ!」
紗月が勇気を出して驚かすポーズを決めれば、そこにもここぞとばかりに優しい当たりの豆が飛んで来る。
この豆は、投げた側も当てられた側も、両方厄払いとして幸せになれるらしいと目にした。
プロとしては、仕事に影響が出ないよう、豆の跡が肌に残らないようにするのが最大の難所だが、それは理緒が言ったように『逃げればいい』ただそれだけだ。
だったら、せっかくのお祭りを全力で楽しんでいこう。
「がおーっ! 鬼が来たぞー!」
「がおー! 鬼が来ましたよー!」
こんなに可愛い事をしている美女二人を、道中の人々が放って置く訳が無い。
――そうして、紗月と理緒の鬼歩きは、見掛けた人々を巻き込み、途中で豆を買いにコンビニに駆け込ませる事例が続出するほどに大盛況を及ぼし続けていった。
練り歩いた最後は寝子島神社へと戻る道。鬼歩きを終えた終点には、二人を知っていた寝子島神社の係員もいて、仮装していた人々全員へと甘酒を振る舞っていた。
二人の戻りに気付いたその係員が、甘酒と一緒にふわふわのコートも臨時に貸し出してくれた。どうやら『名だたるファッションモデルとグラビアアイドルを兼ねる二人に、何というトンデモ衣装を着せたのか』と言うことで、祭りの上役からめっためたに怒られたという事らしい。
その役員が二人の元へ来て、ひたすら頭を下げつつ、ついでに握手を求めようとした係員の頭に拳を下ろし、更なる説教へと引きずっていく後ろ姿を眺めながら、理緒と紗月のふたりは少し痛ましくも、コートと手の中にある甘酒の温かさに微笑み合った。
たまには、このような節分も良いものだと。
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担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月12日
参加申し込みの期限
2024年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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