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【節分】寝子島節分祭、および、霊界殺武無祭
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先程のハッピを着た役員の話によれば、寝子島神社で福豆まきが行われていると言う。
さゆるとじゅんはどうせ乗りかかった船ならばと足を運ぶことにした。
福豆まきは開始寸前。そして、投げ始められた豆をそれぞれに取ろうと、ふたりは軽い疑似的な戦闘場にも似た広場に足を踏み入れた。
「えいっ……、この……っ!!」
隣でじゅんが一所懸命に頑張っている。しかし、如何せんこの場で標準身長よりも小柄であることは、先に他の人に豆を狙われてしまう事から、多数の前では圧倒的不利であることは否めない。
ならば、と。身長のあるさゆるが少し周囲を見る視点を変えて中空を見る。頭一つ分近く高い視界は他よりも有利だ。そして、全員に行き渡るようにはなっていない以上、少しでも人のいない場所を選んで――飛んできたものを絶対に逃さないよう、掴む。
「取れた」
時間終了までにさゆるが取れた二つの福豆を見せると、じゅんの瞳が星のように光り輝いた。
その様子は、何も知らない他の人から見れば年齢の大きく離れた姉妹のようにも見えるだろう。もちろん、身長の低く中学生くらいの妹のような可愛らしいじゅんの為に、代わりに福豆を集め取った凛々しい姉のようなさゆるの姿がそこにはある。
だが、内実は違うのだ。
じゅんはさゆるよりも10歳年上。もちろん、精神面まで相応に。
智依子たちが、鬼歩きの列を遡るように向かった先。寝子島神社では、和紙に包まれた豆を配る『福豆まき』が行われていた。
既に人は大勢集まっており、すし詰めではないにしろ人の密度は馬鹿にできない。
「わぁ……! これじゃあ取れないよ~……」
楓がしょんぼりとした声を出す。人混みの身長差ばかりは、流石に子供の気合でも乗り越えられるものではない。
智依子は周囲を見渡した。自分は祖父母より、そして勿論娘よりも身長が高い。しかも周囲を見れば身長176cmはそれなりのアドバンテージが見て取れた。
それならばと、楓を祖父母に任せて後ろに下がってもらい、智依子は一番福豆の取りやすい中間前方に陣取った。
最初の数回、神主さんと巫女さんの投げる豆はスルーして、その軌道の癖を見極める。そして、自分の立つ位置を若干調整する。己の手を一度確認すれば届くところは自分の領域――その動体視力と身のこなしはダンスの賜物。智依子は取れる福豆を人が驚く程の速さで次々と取っていった。
何も取れないよりは、ひとつは確実に欲しい。せっかくウォルターを誘ったのに成果無しはあまりにも悲しいものだ。何しろ少し離れた所にいるウォルターは、彼の性質上、ほぼ確実に福豆を取ってくるであろうから。それならば一際に――
「倉前、始まってるよぉ」
視線に気付いたのだろう、こちらへ的確に届く声でウォルターが微笑み声を掛けてきた。同時に空を飛ぶ福豆へ向けて周囲から膨れるような歓声が上がるのが耳朶を打つ。
「よーし、頑張りますよー!」
七瀬も気合をいれて、福豆に向かい手を伸ばす。
「やー」
大きく伸び、
「とりゃー」
時には迷惑にならない程度の小さなジャンプも入れてみる――七瀬なりに必死であり、確かに気合も入っているのだが、掛け声がのんびりほんわかなのは、微笑ましくも愛嬌というものであろう。
耳に入れば、つい心がほっこりしてしまう。周囲の人々は慌てて気を取り直して、福豆に集中し始め、再び闘争に近い福豆まきへと向き合った。
綾花と珪が向かった先、寝子島神社の豆まきはクライマックスに差し掛かっていた。
「わっ、境内の豆まきもう始まっていますね!」
「それじゃあ、お互いに取って、後でもらえるものの番号を見比べようか」
「はい!」
時に地面を見て、時にできる限り手を伸ばして綾花なりに全力を尽くす。
そして、――
「ど、どうでしたか……っ」
「全力は尽くしたれども、どうかな……」
豆まき終了の合図と共に、二人は再び同じ場所に集まって、もらえる品物の番号を見比べた。
それから――交換できたものは、
・二人で食べられる紅白餅
・オレンジ色で、何故か王冠が縫い付けられたマスコット調の猫が刺繍されたタオル。
・お三夜さまのミニフィギュアキーホルダーをお揃いでふたつ。
「ええ、これから新生活をおくるからタオルは何枚あってもいいですね」
「キーホルダーはお三夜さんのお揃いになっているんだね」
「ええ、お三夜さまも可愛いですし……はい、珪さんとお揃いで嬉しいです」
恥ずかしそうに微笑む綾花の姿を目の当たりにして、珪はこちらこそ恥ずかしそうに、大人の余裕を若干なくしたように俯いた。
一瞬を交える、もどかしい雰囲気。
「あ……せ、せっかくですから、神社にお参りして受験の合格を願いたいです!」
綾花が慌てて照れ隠しに言った言葉に、すぐに珪も年上の教師としては情けない姿から我に返ったように笑ってそれに頷いた。
智依子たちが手にした福豆は4つ。
和紙を開けば、それぞれ猫をモチーフにしたシックな色違いのハンカチと、可愛らしい鈴の付いたピンクと紅色のお守りが1種類ずつ手に入れられた。
「ピンクなの可愛いね!」
楓はピンクのお守りがすっかり気に入ったようだ。
『お守りは元気な子ほど必要なものだから』――そう祖父母から言われ、ピンクのお守りは楓と、紅色は智依子の手へと渡る事になった。
娘の楓はともかく、自分まで『元気な子』と言われるととても恥ずかしいが、親子ともども、先からの福豆まき入手の行動は祖父母から見ればやんちゃなのも確かなもので。
ここは大人しくお守りを受け取る事にした。何より、楓とお揃いということは本当に何かに守られているようで、とても嬉しく思われたから。
福豆の和紙の数字を確認しつつ、じゅんとさゆるは胸を期待で温かに交換所へと足を向けた。
偶然による二つの連番に僅かに期待を寄せつつ、交換されたものを見れば、それはそれぞれが金縁と銀縁で彩られている、大人びた同じ黒猫をモチーフにしたフリーサイズのブレスレット。
「これでセットになるのね」
「……なるほどね。さゆる、せっかくだからお祭りの間くらい一緒につけて歩かない?」
いたずらっぽく笑うじゅんから、二人の深い関係には少々合わないような、まるで夢見る恋人同士のような提案が出る。
しかし冗談かと思い、さゆるが目を向けた先。発案したじゅんの瞳がとても楽しそうであったから。
今日のように、たまにはそういう日があっても良いかと、さゆるは僅かに瞳を細めて頷いた。
皆が集まり始めた社務所からまだ少し離れた所。
七瀬の得た福豆はふたつ。決して多くはない数だが、まず福豆の全体数が参拝客全員に行き渡るものではないと考えれば、これは十分に満足出来る結果と言えるだろう。
そして七瀬はその内のひとつを、側でふと耳にした「取れなかった」と、泣きそうになっている男の子の元へと差し出した。
「いいの!? ――お兄ちゃんありがとう!」
七瀬の福豆を受け取った男の子の瞳が輝き、母親らしき女性が申し訳無さそうに深くお辞儀をする。
「福のおすそわけです。狙いの景品がでるといいですね!」
去りゆく親子を笑顔で見送る七瀬をしばし見つめたウォルターが問いかける。
「いいのかい?」
ウォルターの言葉は、内容に反してとても嬉しそうなものだった。その反応を耳にして、七瀬も嬉しくて仕方がなくなってきた。何しろ、
「ウォルターさん、いくつ取れましたか?」
「え? ……僕はひとつだねぇ。お揃いだぁ」
ここに予想通り、本当は取ろうと思えばもっと手に入ったのに『敢えて、最低限しか取らなかった』人と、こうした形でお揃いになれた事がとても嬉しくて――
七瀬が和紙で描かれた番号札を持っていた先。札と交換されたものは小さいながらも洗練された和細工のお菓子がふたつほど。
「わ、美味しそうなお菓子をいただきました!
このお菓子、ウォルターさんと一緒に食べたいのでおすそわけします」
「いいねぇ。それじゃあ、倉前。僕のもらったこれと交換しようかぁ」
ウォルターが七瀬に差し出したものは、猫の透かし彫りが入った金属の黒いブックマーカー。
「いいんですか!?」
「君はもうあふれる程持っていそうだけれどねぇ。聞いたら今年の福豆まきの限定品らしいし、持っておくといいんじゃないかなぁ」
――お互いの福を交換しあう。
一緒に朱紅の敷布のベンチで食べる和菓子は、甘い以上に、確かな心に残る味がした。
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担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月12日
参加申し込みの期限
2024年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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