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……ダメだな。やっぱり早くあおいさんに返そう。
彰尋は気持ちを落ち着けた。
プライバシーをのぞき見するなんて、絶対にやっちゃいけないことだ。
それに、このままじゃ誘惑に負けてしまいそうだ。
それでもなお立ち去りがたい気持ちで、ノートを返して裏表紙を上にする。
おそるおそるめくった。中身まで読むのは避けたかったが、どの日付まで記録されているかだけ知りたかったのだ。
「あっ!」
声が出た。
『九月◇日
なんだか久しぶりに書くなあ。もう夏も終わっちゃったよ。
秋です。
別に、カレンダーをめくったとたんに秋になるわけじゃないけど、九月も中旬ともなればなんとなく、気持ちが変わってしまうのも事実だよね。心なしか、目に見えるものも姿を変えたような気がする。
でも今日は、夏みたいに暑い一日だったんだ。
別のクラスの人と知り合ったよ。
二宮金次郎! ……なんてね、その人、本読みながら歩いていたから思わずそう呼んじゃった。もちろん■
(※『薪』、と書こうとしたのだろう。しかし漢字が出てこなかったらしく塗りつぶしてある)
タキギを背負ってたわけじゃないよ。気を悪くしてなきゃいいけど。
彼、オオガミくんっていうんだって。大神? 大上? ひょっとしたらコウガミとかドウガミの聞きちがいかもしれないね。』
いけない!
金剛力を発揮して彰尋はノートを閉じた。
この『オオガミくん』って俺のことだよね!?
それ以外ありえない。なぜって彰尋にもその
記憶
があったから。
一年生の九月後半だったと思う。
この年のこの時期は、夏に戻ったのかと思うほど暑い日がつづいていた。休日だった。覚ましなんてセットしてなかったのに彰尋はラジオ体操の子どもみたいに早起きしてしまい、そっと家を出て朝の散歩に出たのだった。
早起きは三文の得だという。
しかしこの朝、自分が得られた幸せは三文どころか、数百両とだって交換のきかないものだったと彰尋は思う。
シュロの並木がつくる木陰を小説本を開いたまま彰尋は歩いた。
歩きスマホならぬ歩き読書、いま考えたら危ないどころのさわぎではなかったが、早朝で人通りがないを幸い、まだ涼しい時間帯を楽しみつつミステリの世界に遊んだのである。
ただ話の筋を観賞しただけではない。この小説を舞台化するならどんな舞台装置が必要だろうか。自分が探偵役だったらどう演じたかな。照明はどう当てたらいいだろう――と、まるで主演兼監督になった気持ちで想像の翼をひろげていた。
夢中になって読み進めていて、彰尋はうっかり少女の背中にぶつかってしまった。
彼女こそが七夜あおいだったのだ。
そうか最初、『オオガミ』っって聞こえたのか。舞台役者を目指しているのに、とっさの滑舌はまだ向上の余地ありだったのかなあ。でも『鴻上』って漢字難しいし仕方ないのかも。多数派の苗字じゃないとも思うし。
いずれせよ『オオガミ』ならぬ『鴻上彰尋』のことが書いているのであればスルーは難しいだろう。
自分のことが書いてあるからって、例外あつかいするのはずるいかもしれない。
でも、見なかったことにはできないよ。
あおいさん、ごめん!
彰尋はまたノートを開けた。つづきに目を通す。
『オオガミくんは私と同じ高一で三組だって。寝子高の同窓生だったんだね! 知らなかった。
本に夢中になっててうっかりぶつかったみたい。面白い人だなあ。
オオガミくんが読んでた本、私が知ってる本だった。読んだことないけど、ちょっと前に映画になった小説。コマーシャルやポスターも見た気がする。
題名は……忘れちゃった! 表紙をおぼえてただけ。
でも座って読む時間もおしいくらい熱中しちゃう本だなんて、すごいよね。
思わず私、「読み終わったら貸してね」なんて言っちゃったよ。
うわー、思い出しただけで恥ずかしくなっちゃう! 知りあったばかりの人なのに!
寝子高に入って私、引っこみ思案だった性格が変わってきたのかな? ののちゃんのおかげかな?
でもまちがいなく言えることが、ひとつ。
知りあったばかりの人に、こんなこと言えたのはこれがはじめて。
だから今日は記念日、日記に残しておきたいと思います。』
彰尋の手が震えていた。
このやりとりは克明に覚えている。
「面白い?」
「もちろん。すごく、と言ってもいいくらいだよ」
「そっかー。よかったら今度貸してね……って、あはは、私、今日会ったばかりの人に何言ってんだろ」
ぜんぶ思い出せるくらいだ。
知りあったばかりの人に、こんなこと言えたのはこれがはじめて。
これがはじめて。
はじめて。
彼女の手書き文字、その内容、いくら反芻(はんすう)してもしたりないくらいだ。
あおいさん、俺と知り合った日を記念日とまで書いてくれてる。
自分の内側に、こうこうと燃える熾火(おきび)のようなものを感じずにはおれなかった。
このあと実際に本を貸したのかどうか、彰尋はよく覚えていない。でも貸した気がする。これがきっかけであおいと親しくなった気も。
これ以上は、本当にやめておこう。
彰尋はノートを閉じた。
誘惑に負ける前に電話を手にしたのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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