this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
イケナイコトカイ
<< もどる
1
…
25
26
27
28
29
…
30
つぎへ >>
すぐにあおいは電話に出た。
「どうしたの?」
本の礼を言って、つづけて彰尋は話題を移す。
「ところであおいさん、最近探してるものとかない?」
「えー? 探してるもの?」
しばらくあおいは考えていたようだが、「別にないかな」と言った。
「もしかして自分の未来を探してるとか? そういう話?」
「いやそんな抽象的な話じゃないんだ」
「だったらやっぱり思いつかないなあ」
ならいいんだ、と電話を切ることは考えもつかなかった。言いにくいが彰尋は勇気を振り絞る。
「じつは、もらった本のあいだに……一冊のノート、見つけたんだ。A5サイズの」
「うん? どんな?」
「表紙に書きこみはなくて。それで何気なく開けたら、あおいさんが入学当時の気持ちを書いてた。たぶん、日記だと思う」
ひゃあ~! あおいにしてはめずらしいくらい甲高い声が電話回線を震わせた。
「それ日記だ。超昔に私、やってた。すっかり忘れてたよ」
「ごめん、最初の見開きだけは見ちゃった。あと最後も」
でも! と大急ぎで彰尋は言うのである。
「それ以外は見てないよ! 最初と最後は不可抗力っていうか目に入ってきちゃって! だけど天地神明に誓ってそこ以外の中身は読んでないから!」
死ぬほど恥ずかしがるかと思いきや、「見られちゃったかー」と、照れつつもあおいは案外落ち着いた反応だった。
「なつかしいなー、書いてたなー、日記。寝子高に入ったときね、私、浮かれすぎてついやりだしちゃって。でもその一冊で終わってる。もういまとなっては何書いたかほとんど覚えてないよ。だからくすぐったいけど、見られてもOKだよ」
許可が出るとは! しかし彰尋は言うのである。
「だからといって勝手に見るわけにはいかないよ。きっとあおいさんの大切なものだから、今度会ったときに返すから」
「ありがと。私のプライバシー、尊重してくれたことも含めて」
「俺がこっそり見ないかとか、不安にならない?」
「天地神明とまで彰尋くんが言ってくれてるんだもん。信用してるよ。あずかってて」
あおいさん――彰尋は涙がこぼれそうになる。正直に打ち明けてよかった。
「それにさっきも言ったけど、私自身、何書いたか覚えてないしさ。字が汚いのがバレるかもだけど」
「いやいやいやいや、そんなことはっ!」
蒸気機関車に変身したように、彰尋は頭から湯気が出ている我が身を自覚している。
では明日学校で、と決めてその日、彰尋は封筒に日記帳を入れ、厳封してあおいにもらった漫画本を手にした。
もう日記を読みたいという衝動は収まっていた。
信用してると言ってくれたあおいさんの気持ちにこたえたい。
日記を読むことより、そこまで信頼してもらえることのほうが俺には重要だから。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*
翌日、自由登校ながら彰尋は登校した。
すでに進学は決まっていることもあって学校に行く必要はない。もちろん出てきている級友も多くはなかった。
といっても、学校そのものは好きだった。やはり来てよかった。冬の冷たい空気をきって校門をくぐるのはどこか、トップランナーとしてテープを切るような、あるいは勲章をもらいに王宮に行くような気持ちだ。いずれも自分には経験がないが、そんな誇らしさがあった。
高校生として高校の校門をくぐる。当たり前だけどその当たり前が体験できるのはせいぜいあと二ヶ月少々なのだ。
「彰尋くん」
三年四組の教室に入ってすぐ、あおいと目が合った。
「来てくれたんだ」
「私、じつはほぼ毎日登校してる」
「そうなんだ」
「私寝子高が好きだもん」うふふとあおいは笑ったのである。「毎朝学校に来れるってだけで幸せだから」
そうだったのか。
だったらもっと来ておくべきだったかもしれない。
だがあおいは学校に来ることだけが目的らしく、その後どうするかまではこだわっていないようだ。
「じゃ、学校で受け渡しってのもなんだから、あとで校舎裏でも行く?」とあおいは提案する。
「いやそんなのあおいさんに悪いよ……今日も寒いし」彰尋はすぐに一案を思いついた。「だったらあとでコーヒーチェーンでも行かない? 学校そばの。もらった本のお礼に一杯おごるよ」
「いいの? だったら遠慮なく」
あおいは一も二もなく賛成し、その後ふたりはコーヒーダイナーのカウンター席にならんだ。
ガラス張りの席ゆえ外がよく見える。テーブルにはコーヒーとドーナツ。道路を行き交う車、通行人、鳩、何気ない光景を背景に彰尋は封筒をさしだした。
「これ、お返しします」
「ごめんね。うっかりしてたよ」
「もう一度言うけど、つい目に入った三日分以外は読んでないから」
「義理堅いなあ。黙って全部読んでても気にしないのに」
「俺はそんなことは……」
「わかってるよ。彰尋くんだから、たぶん全部その通りだと思う」
うわ昔の私の字だー、とノートを開いてあおいは笑った。カバンにしまいもせずそのままテーブルにひろげる。
「あ、あおいさんっ!」
「見られてもいいよ。どうせたいしたこと書いてないと思うし」
あおいは言った。初対面のときと変わらない、あの魅力的な笑顔で。
「というか一緒に読まない? 過去の私に会いに行こうよ。幼稚で未熟な私でよければ、だけどね」
「えっと」
彰尋が返事するより早く、あおいはもうページをひらいている。
「うわー、ののちゃんと知り合ったころの話があるー!」
こんな展開、予想してなかった。
本当は、ゼミで俳句を学ぶ漫画の話をするつもりだったのだ。まだ一冊目を終えただけだが面白かった。とくに授業部分や季語の話、文章の推敲あたりは興味深い話題がもりだくさんで、あおいとならいくらでも話ができそうだった。
でも、漫画の話は次にしよう。
あおいさんがその気なら、覚悟をきめて過去の旅をしようか。
見せてくれる、って言うんだから。
ありがとう。そこまで信じてくれて――。
あ、でも。
緊張で身が固くなる。
九月◇日。
いずれ俺との出逢いを書いてるページに、たどり着くじゃないか。
鴻上ならぬ『オオガミくん』としては、どういう反応を示したらいいのか、困る。
冷や汗かそれとも気恥ずかしさゆえの汗か、いずれにせよ彰尋は、額に汗をかいている。
<< もどる
1
…
25
26
27
28
29
…
30
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
イケナイコトカイ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!