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さよならのむこうがわ ~深淵特急『死兆星』の旅~
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ぎらりと睨む邪悪なまなざしがサニーを捉え、縛り上げた。深泥王は歩やサキリの猛攻を迎え撃ちながらに、黒猫の同行を注視しているようだ。警戒していると言ってもいい。サニーと滴が再び出会った時に何が起こるのか定かではないが、少なくとも敵にとって阻まれるべき不都合であるようだ。
「どろでろろのせいで……滴ちゃんは!」
怒りに肩を震わせる
恵御納 夏朝
を、
恵御納 夏夜
も宥めるつもりはなかった。
「彼女の口から寝子島での暮らしや、寝子高の友だちや、世の中の全てを呪う言葉を吐かせているのは……あいつじゃないか。ふざけるな」
「ふざけるな……!」
猫の印に月の印。夏朝と夏夜の放つシールが深泥王に張り付き重力に変化をもたらす。夏夜の月のシールは錫杖に張りつき衝撃を軽くし、仲間たちを守った。夏朝の猫のシールは青く輝く瞳を覆い、まぶたを閉じさせそのまなざしを封じた。
拘束から解かれ、濡れた体毛から飛沫を飛ばすようにぷるぷると身を震わせたサニーを
えみな ハルくん
は抱き上げた。彼は付喪神で、パペットの持ち主である夏朝と夏夜は姉のようなものだ。優しい彼は二人を案じながら、サニーへも労りを分け与えずにいられない。
「しずく……しずくはサニーのこと、大好きにゃ?」
届かぬと分かっても、語りかけずにはいられない。
「ハルは、しずくにもサニーにも、しあわせになってほしいにゃ。しずくが深淵にいって消えてしまうなんて、かなしいにゃ……」
誰しも同じ気持ちだろう。だから、みなが戦っている。滴とサニーの幸福な再会を願っている。
「だから……邪魔するなにゃ! どろでろろー!」
巨大な錫杖をあやかしの能力を用いて軽くし、いなして仲間たちのための隙をこじ開ける。ハルの怒りは正しき怒りだ。夏朝も夏夜も彼の感情の昂りを嗜める気にはなれなかった。
「……夏朝」
「どうしたの、夏夜ちゃん」
二人は手を繋ぎ心を繋ぎ、青黒い闇へと立ち向かう。列車の向かう先、機関室の最奥を見据えながら夏夜は言った。
「作戦があるんだ」
葵の口元はにやりと緩んだ。
「その作戦、乗ったよー」
恵御納姉妹の考えは仲間たちへ伝達され、葵は真っ先に動き出した。最前線の戦闘からは一歩退きながら、カメラを構え深泥王を撮影する。葵のろっこんは撮影した対象の体力や強度を奪う。隙を見い出しては一枚撮り、深泥王が膨張させた闇がサニーを狙い伸びてきたところへ二枚三枚と撮影し、膨らみを抑え込む。
「何にしてもまずは、滴くんの意思を取り戻さなきゃだよねー。おーい滴くん、聞こえるかなー? 寝子高三年の三ヶ島だよー」
深泥王の内に埋没する滴をも撮影した。フラッシュが浮かび上がらせる彼女の姿は変わらず虚ろだが、葵は退かない。
「滴くんを取材させてもらいたいんだよねー。記事にしたくてさー。見出しは、そうだねー。例えば、イマドキ寝子高生の本音を聞く! とかさー。しゃべりたいこと、あるんじゃない?」
好奇心はある。葵が物事へ一歩踏み込む原動力は常にそれだ。未知に触れる歓喜、怪奇を暴く快感、熱しやすく冷めやすいところは無きにしも非ずだが、万象を知りたいと願う思いが葵を突き動かしてきた。それでいて根底には、触れる対象への愛もあった。愛するが故に知りたいのか、知りたくなる興味の対象だから愛おしいのか、葵自身にも分からないが、いずれにしろ葵は滴へ好意を抱かずにいられなかった。闇から抜け出し、語り合う瞬間を夢想した。
「それにサニーくんも、滴くんに話したいことがあるみたいだしねー。早いとこそこから出て、言いたいことを言うといいよー」
彼女の未知なるが故に、彼女の幸福を葵は願った。
「わあっ、パスにゃー!」
膨れ上がる闇がハルを飲み込むが、寸でのところでサニーを幸次へと投げ渡す。歩の鋭い蹴りが闇を穿ち、ハルの手を掴んで引っ張り出すと、彼は弱りながらもほっとした顔を浮かべた。
「サニー、大丈夫?」
黒猫を片腕に抱き、幸次は尋ねる。サニーは頼りなげながらに小さく一つ鳴いてみせた。
半人半猫の姿を取る幸次は、片手に伸ばした爪で迫るどろでろろを引き裂く。やはり深泥王にとってサニーは排除すべき対象であるらしい。続いて振り下ろされる錫杖の一撃は辛くも避けたが、幸次や仲間たちがいくら攻め立てようと闇が揺らぐそぶりは見られない。
それでも事ここに至り、退くという選択はもはや無い。
「……黒白さん。小さい頃に猫を……サニーを亡くしたんだってね。辛かったろうね。苦しかったろうね」
幼き日の滴の絶望を深泥王、どろでろろは見い出し、這い寄った。滴の家族、知人ら、環境そのものに働きかけ負の感情を、不幸を呼び込んだ。滴の人生の失墜は紛れもなくどろでろろによって形づくられたものと言っていい。
幸次もまた飼い猫を失くした経験がある。中学一年生の時分、記憶は未だ鮮明だ。悲哀に打ちのめされ泣き続けたが、やがて立ち直ることができたのは、周囲に幸次を慰め励ましてくれる者の存在があったからだ。滴と幸次の違いはそこにある。
「俺にそんな人たちがいなかったら、きっと君と同じ道をたどってた。でも今は! 俺も、みんなも、サニーもいる!」
「そーそー、みーんな待ってるよー?」
葵のカメラが瞬き、動きを止めたどろでろろの膨張を幸次の爪が引き裂く。
着地した幸次がそっとサニーを床へ下ろすと、みいと不安げに鳴いた。遠くに映る滴を悲しげに見つめ、一歩を踏み出そうとしては引っ込め、小さな猫又もまた恐怖と戦っている。
「心配するな。俺たちが必ず、君を黒白の元へ送り届ける」
八神 修
は滴の理解者の一人と言っていいだろう。彼女の記憶に触れ、悲しみに触れてきた。サニーと彼女の絆を信じ、取り戻そうと試みてきた。
ろっこんにより深泥王の構える錫杖の分解を狙うが、有機物とも無機物ともつかず一介の自然現象とも言えるどろでろろには通じず、即座に意識を切り替える。壁のパイプの長大で径の大きいものを見定め、その基部を分解する。床へ転がったパイプは子猫一匹が通り抜けられるほどの幅があり、サニーの歩みをいくらか安全に進めさせてくれるだろう。
「……黒白! 聞こえているか。言っただろう? 俺は諦めが悪いとね」
続けて深泥王直上の無数に連なる計器類の接続部を分解し、落下させた。隙あらば転がっている石炭やそれを積み込むスコップも手に取り投げつけた。他愛もない抵抗に見えて、深泥王の習性や攻撃の基準に狂いを生じさせ、切り込む仲間たちにとっての多大な支援ともなった。
修は告げた。響く声に願いを乗せて。
「どうしようもない世界でも……一つだっていい。絆があれば、生きる価値はある! 俺にとっての彼女のように。だから……生きてくれ! 黒白!!」
修の、幸次の、葵の、そして仲間たちの言葉の一つ一つがそうさせたのだろうか。壊れたスピーカーのように響き続けた呪詛がぴたりと止み、闇の中の滴は瞳を見開き、ごぼりと青黒い泡を吐きだした。
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担当ゲームマスター
網 透介
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ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
1000人
参加キャラクター数
57人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月26日
参加申し込みの期限
2024年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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