お餅が攻めてきたぞっ！｜リアクション

お餅が攻めてきたぞっ！

　その日、桜井が千里と一緒に大学受験の勉強をしていた。
「なあ、ここムズくないか？」
「わかりみ。俺も～」
　しかし、どうやら二人とも同じところでつまづきを覚えて伸び悩んでいた。
　ならば気分を変えるかと、大学の先輩へ連絡して図書館で疑問点の解法を教えてもらうべく外出した。
　その際に起きた出来事であった。

「さむー……！　図書館まで走っていった方が温まるかな。でも怠いし……って千？」
　いつの間にか千里の姿がいない。
　どこ行った？と周囲を見渡すと、どこかから聞きなれた悲鳴が上がった。
「ん？　千～！　やけに元気にかけてくるな！　って、なんだ？　後ろに鏡餅のきぐるみがこっちへ走って……おいまさか！？」
　そのまさかであった。
　噂の鏡餅オバケである！
「また神魂かよ！　やっぱか～！」

　こうして二人は勉強どころではなく、小一時間ほど逃亡中体験を余儀なくされたのだった。