寝子島もお正月ムードもなくなり、寒風吹きすさぶ街角は真冬の日常へ移り変りつつある。
そんな、ある日のこと。
万条 幸次と
響 タルトは、今日も寒さに負けじと猫と会う為に街中を散策中だ。
二人は『ねこみゅ(猫さん大好きコミュ)』仲間で、年始早々から活動に精を出していた。
「今日の猫集会の場所はどこかな?」
幸次がキョロキョロと路地裏を覗き込めば、タルトはスマートフォンを片手にSNS『ねこったー』で情報収集中。
「今日はシーサイドタウンの方で目撃情報があるみたいだね♪ 行ってみよう☆」
二人は猫を探してシーサイドタウン方面へやってきた。
その時だった。
「「みゃあああぁぁぁあぁあ~っ!!」」
突然、大量の猫の群れが二人の前を猛ダッシュで通過していった。
まるで何かから逃げ出すかのように。
「あれ、なんだったんだろ?」
首を傾げるタルト。
一方、幸次は猫が向かってきた方角を指差し、目を丸くして驚愕していた。
「響さん、あれを見て!」
「何を幸次くんはそんなに慌ててる、の……NOOOOOOO!」
二人とも踵を返して脱兎のごとく逃亡開始!
彼らの背、巨大で白くてカッチカチな奴がドスドスと地面を揺らしながら追いかけてくる!
『お餅を もっと 喰えよ! 遠慮なんて しなくていいぞ!』
巨大化して自我を持った巨大鏡餅だ。
何故か自分を食べろと、征く先々の人々を追い回している。
なんて傍迷惑な……。
この日、幸次とタルトはどうにか逃げ切ったが、翌日も他の島民が噂しているのを聞いた。
「お餅を喰えって叫んで追っかけてくる変質者が、シーサイドタウンに出没するんだって!」
「そろそろ餅を食うのに飽きたとか思ってないか? あれはそういった奴らのボヤキが引き金となって生まれた、鏡餅のオバケだ」
灰色猫のテオが、もれいび達へ教えてくれた。
おせちに飽きた、お餅に飽きた、カレー食いてぇ。
そんな人間達の勝手な言い分に、鏡餅達の怒りが神魂と超反応したそうな。
いや、また神魂かよ!
「このままじゃ寝子島が未確認生物の出現スポットになって、ののこのフツウが守れなくなっちまうかもしれねぇ。だから、お前らであれを喰って成仏させてくれ。頼んだぞ」
一方的にもテオはもれいび達へ依頼すると、さっさと何処かへ立ち去ってゆくのだった。
ちなみに、寝子島が未確認生物の出現スポットなのは、今更のような気もするけどツッコミは野暮だな!
ごきげんよう、乾物こと焼きスルメです。
皆さんは、お餅は好きですか?
乾物のカオスシナリオでお餅のオバケを料理して平らげて、成仏させてあげましょう。
お餅オバケはシーサイドタウンを中心に出没中ですが、島内の他の地区にも出没します。
参加者の皆さんは、自由に出現場所をアクション内で明記してくださってオッケーです。
お餅オバケは巨大な鏡餅に筋肉質な人間の手足が生えたコミカルな姿ですが、走れば快速。
逃げる相手は追い掛ける習性がありますが、素直にお餅を食べたいといえば気さくに振舞います。
もし参加者さんが万全の調理態勢で待ち構えていれば、お餅オバケからやってくるでしょう。
なお、カチカチになったお餅オバケを切り分けるのは自己都合でお願いします。
また、アクションでお餅のアレンジレシピを披露するのも大歓迎です。
その他、単純に出会い頭に追い回されるだけでもよし、騒ぎに乗じてカオスに染まるもよし。
もれいび以外の参加者さんも大歓迎。
最終的にお餅オバケを完食できれば、このシナリオの目的は達成されます。
それでは、皆さんのご参加お待ちしてます。