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\ オーバータイム!/
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ここは寝子島高校の敷地ではない。
だからウォルターと柚春は手をつないで歩いた。
柚春としては本当は、腕を組んで歩きたい気持ちだったが、万一目撃されてはとウォルターは危惧しているようで、人通りの多いところではここまでが精一杯ということらしい。それでも日々の高校生活で感じるフラストレーションはずいぶん晴れる。
「食器って、どこで売ってるのかなぁ」
生活に関しては浮世離れしているウォルターだ。あごに手をあててうなるように言う。
「アンティークショップ? いや、ブランド旗艦店か。たとえば――」
つづけてすらすらと超高級ブランドの名をあげていくので、さすが貴族様と柚春は内心舌を巻いた。
「それお皿一枚で、パソコンくらい余裕で買えちゃうくらいのブランドじゃない。普段使いのものなんだからやめたほうがいいよ」
「どうして?」
ウォルターは不思議そうな顔をする。そのブランドで晩餐のセットでも購入しようものなら一財産といってもいい話なのだが、いたって平然としたものだ。たぶん彼なら、値札も見ずに一括購入を決めてしまうことだろう。それが可能という背景もあった。
「いいものは長持ちするものでもあるよ」
「ワットの場合はそうじゃないでしょ」
「おっと、そうだったねぇ」
ウォルターは声を出して笑った。
先日、ブラックウッド邸の使用人
メアリ・エヴァンズ
のクリスマス休暇中のことだ。独り暮らしになったせいかなぜか妙なやる気を出したウォルターは自宅の片付けに奮闘した。しかしなんたる不幸かそれとも単に慣れないことをしたせいか、途中で盛大に食器を割ってしまったのである。おかげで格調高い食器棚は泥棒でも入ったあとのような具合となり、うっかりすると閑古鳥が鳴きはじめそうな荒涼さをかもすことになった――というのはさすがに大げさで、日用に困るほど減ったわけではない。だがそれでもいささか、スペースができて寂しくなったことは事実だ。
「スペシャルなお客様でも来るのなら別だけど、普段使いなら相応のところで買ったほうがいいと思うよ」
「たとえば?」
「えっと、ホームセンターとかかな」
「ホームセンター……? そうか、刑務所の食事風景に登場するアルミの食器だねぇ。アメリカのドラマで観たよ」
わくわく顔をするウォルターである。スプーンで床に穴を掘り、脱獄をくわだてる想像でもしているのかもしれない。ホームセンターにどういうイメージを持っているのだろう。
「いや……もっと一般的なものが売ってるはず。というか逆に、アルミ食器の置いてある店はわかんないや」
「そうかぁ。監獄風ランチはお預けだな」
「監獄風はメアリさんが嫌がるんじゃない?」
それもそうかとウォルターは思い出したように言う。まったく、どこまで本気なのだかわからない。
「まぁ、英国王陛下がいつ立ち寄られてもうちなら大丈夫だよ。そういう食器ならある」
だから毎朝晩用のお皿を探そうじゃないか、と告げてウォルターはショッピングモールを指さした。
国王陛下がいつ立ち寄られても、って――。
たぶんそれ、冗談や大げさじゃないだろうなあと柚春は思った。
特にこれと決めているわけではないようだ。蜜蜂の巣のように小規模なセレクトショップがならぶなか、ウォルターは気まぐれに店に立ち寄る。
「あそこに売ってるかなぁ」
「あの店、小さいけどセンスよさそうだよ」
「まったく知らない店だけど、入ってみていい?」
こんな風にずっと直感任せだった。しかしどの店に入っても、ウォルターは独自の嗅覚で良品を見つけ出すのである。
「このティーセット、いいよね。上品だ」
嫌味にならない程度に金飾りをあしらったカップとソーサを柚春に示した。うんと言って柚春は受け取った。たしかに絵になる逸品だ。よく見ると冬の枝葉をあしらった縁模様がついている。手触りもいい。小春日和、あるいは雪解け後の暖かい午後、広い庭に出したテーブルで熱い紅茶を楽しむにはちょうどよさそうな揃いに思えた。値段も(ウォルターの世界からすれば)手頃である。
「素敵だね。ワットはいいものを見つけだすのが上手だよ」
「なんとなくで選んでるだけなんだけどなぁ」
「その『なんとなく』がなかなか身につかないんだ、僕なんかは」
「そうかい?」
濃い青の薔薇のように蠱惑的な笑みを浮かべると、ウォルターは柚春の頬に自身の顔を寄せた。
肌の香りがうっすら伝わるほどの距離。そっと囁く。
「でも僕は君に見つけてもらったようなものだよ、柚春。『いいもの』でありたいね」
じわっと耳に血がのぼるのを柚春は感じる。
位置は店の棚のかげ、たとえ千里眼の持ち主だって、のぞき見はかなわぬ都会の隙間だった。
もうワット……! 不意打ちだよっ……!
体温急上昇して柚春は振り向いた。
だがそのときはもう、ウォルターはレジカウンターに立ったあとだった。残っているのは彼の軽やかな笑い声だけだ。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
推理・サスペンス
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月12日
参加申し込みの期限
2023年11月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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