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黒い尻尾は見えているのに、つかむには至らない。
手を伸ばして届く距離にないのだ。すぐ近くに見えているのに。もどかしい。
コーヒーの空き缶を握りしめる。ショートのスチール缶だが簡単につぶれた。めぎっと音が立つ。
「いらついてるね、水槻巡査部長」
見上げると、先輩の
田中・ワージントン・広
(ひろし)が立っていた。細身のフロックコートにスーツ、真っ白なワイシャツ、ネクタイはしていない。
水槻 清恋
はじろっと彼を見上げた。
「ワーさんは平気なんですか?」
垂れ目のワージントンはいつも余裕で口元には微笑があって、たとえ室内であってもそよ風に吹かれているように見える。このとき清恋は瞬間的に、「焦っても仕方ないことさ」といった気休めが返ってくることを予想した。ところが、
「平気なわけないじゃないか」
彼にしては珍しくも、きっと唇を閉じてワージントンは清恋の隣に席を下ろしたのである。パイプ椅子が床をこすって耳障りな音を立てた。
「ここまで証拠がそろってるのにまだ令状(捜査令状)が下りないなんて……!」
異常だよまったく、と不平声でしめくくるとワージントンは両肘をテーブルにつき、組んだ両手にあごを乗せた。コートの袖ボタンがひとつ取れている。よく見ると、ワイシャツも襟と袖口が薄黄色く汚れていた。
「すいません」
「いや、僕こそ不機嫌な声を出してごめんね。水(みな)君と同じ気持ちだ、って言いたかっただけ」
たてつけの悪いドアの蝶番(ちょうつがい)がきしんだ。二三度ガタガタとやってからようやく開く。
「まったくねぇ、まだ直してくれないのかよう、ドアー」
ぶつぶつと言いながら小山のような男が会議室に入ってきた。縦にも横にも長い。あと太くて丸っこい。髪は真っ白で眉毛も同様、しかも綿でもはりつけたみたいにもさもさと多かった。
「よっ、みんなそろってるねぇ。じゃあ捜査会議はじめますよ。はいー」
もさもさした初老の刑事、
吐前 亀二郎
は告げてホワイトボードの前に立った。吐前は特別捜査班の班長をつとめる。事件には第○号といった便宜上の数字がふられているが、署内ではもっぱら『木天蓼大学デートレイプドラッグ事件』の通称のほうが通っていた。
「写真、掲示頼むわ。うん、ありがとね。そこの山ね」
最初こそ亀二郎の声は明るかったがすぐに暗くなった。
「証拠はあつまってます。でも決め手にねぇ、どうも、はい、かけるんですよねえ……」
発端は、昨年夏に発生した木天蓼大学の女子大生の自殺だった。遺書こそなかったがリベンジポルノ、彼女の全裸や性交の写真がネット上にばらまかれたことによるものと見られた。ネットにばらまかれた写真はデジタルタトゥーと呼ばれ、完全に消し去ることは事実上不可能である。女子大生自身はもちろん、両親の苦しみは永遠につづくことになる。
寝子島署が彼女の周辺を洗ったところ、『ULTRA FEEL』と名乗るボランティアサークルとその代表
十輪田 黄金
(とわだ・こがね)の存在が浮上した。十輪田には違法薬物の売人とのつながりがあることも明らかになっている。
ホワイトボードに容疑者たちの顔写真が貼られていく。
いずれも男だ。インカレサークルとして百数十名を超える団体の幹部連中ばかり数名、髪型はツーブロック率が異様に高い。整った顎髭をたくわえている者も目立つ。だがメガネをかけた真面目そうな顔もなかにはあった。
一段高いところには、スパイラルパーマをかけた茶髪の男の顔写真が貼られた。俗に言うイケメンに相当することはまちがいないが、どこか薄気味の悪いニヤついた笑みが特徴的だった。写真には『十輪田 黄金(28)』と書いた紙が添えてある。
こいつらが。
清恋は髪が逆立つほどの怒りを覚えていた。
こいつらが売人から買ってる。そして使ってる。デートレイプドラッグを。
デートレイプドラッグとは通称である。主として飲料に混入させ、服用した相手の意識ないし抵抗力を奪う薬物を総じてこう呼ぶ。主成分は睡眠導入剤であることが多いが抗不安薬を混ぜることもある。どういった目的で使うものかは通称がはっきりと物語っていよう。卑劣、その一言につきると清恋はみなしている。
『日本は諸外国と比べて性犯罪が少ない、これは統計的に証明されている』なんてしたり顔で抜かすうすら馬鹿がいるけど――。
清恋は奥歯をかみしめた。ギリギリと音がたつほどに。先日もつけていたテレビのワイドショーで堂々とそんな駄法螺を吹く自称作家を目にし、反射的に画面にリモコンを投げつけそうになったものだ。
統計上? それは多くの被害者が沈黙を選ばされる文化にあるからだよ、この国は。
実態を知ってるのか。
現役の警察官として、性犯罪被害者が表沙汰になることを恐れ示談にしたケースを清恋は何度も目にしてきた。残念ながら、強姦罪が強制性交等罪に変更されてからも目立つほどの変化はなかった。これが不同意性交等罪としてさらに厳しくなったのはつい最近のことだ。期待はしているが、効果のほどはまだわからない。
恥の文化、それ自体を否定も肯定もする気も清恋にはないが、日本が性犯罪被害者に厳しいことだけは我慢がならなかった。だってそうだろう。もし被害者が名乗り出ようものなら、日本の世間は加害者ではなく被害者を袋だたきにするのだから。「自分にも隙があったんじゃない?」「男を挑発するような服装をするから悪い」「そんな危ない状況にのこのこと出て行くから」……よくもそんな寝言をほざけたものだ。よりたちの悪いのになると「ハニトラ(ハニートラップ)」という非難を軽々しく持ち出す。実際は被害者のほうが加害者で、レイプそのものが地位の高い男性や有名人を引きずり下ろすための罠だったのだと言いたいらしい。
サークル『ULTRA FEEL』は大企業ともつながっており、卒業生の少なくない数が大手広告代理店やマスコミ、一流商社などに就職している。スポンサーから活動資金が下りているのだ。そのバーターとしてサークルは広報紙に企業名を『協賛』として明記、企業のほうも『大学生の国際協力ボランティア活動を応援しています』と広告がうてるわけで、いわゆるWin-Winの関係をつくりあげているのだった。
バックが強力、って理由だけでもないだろうけど。
まだ連中に手が出せないなんて――!
清恋は髪をぐしゃぐしゃとかきまわした。
畜生。
この日の会議室も、もどかしい気持ちが高まるばかりだった。
リーダーの十輪田は油断しきっていてやりたい放題なのである。飲み屋で堂々とデートレイプドラッグの話を(しかも自慢げに)していたとの情報もある。だがこれだけ油断して尻尾を出しまくりだというのに、十輪田に対する捜査令状はまだ取れないのだ。集めた情報はいずれも状況証拠に近く、ガサ入れする決め手に欠けるためだった。
抜けているようで妙に狡猾、十輪田本人が抜けていても仲間が隙を見せない……ってことか。
こういうのが一番厄介だった。
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定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月12日
参加申し込みの期限
2023年11月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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