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授業風景 ~1年芸術科の場合~
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キュィィィィ……ン!
いきなり響いたもの凄い音に、
姫神 絵梨菜
は驚きのあまり文字通り飛び上がり、手の中のエレキギターを落っことしそうになった。わわわッ、と慌ててあたふたエレキギターを抱え直すと、その拍子にまたギュインッ! と大きな音がする。
「わわわわわッ、なんかきゅいーんって凄い音がするよッ!」
きちんとアンプにも接続しているのだから、音がしなければむしろ故障しているということなのは頭では、絵梨菜にだって判っていた。とはいえ、びっくりするものはびっくりする訳で。
おっかなびっくり、と言う言葉が似合いそうな様子でもう一度エレキを抱え、心持ち軽く鳴らしてみる。覚悟していたせいもあってか、今度はそれほどものすごい音は出なくてほっとした。
が、次なる問題に気がついて、絵梨菜は再び愕然とした。
(あれ……ドレミファソラシドってどうやって鳴らすの?)
当たり前だが『ここがド』『ここがレ』と、エレキギターに書いてあるわけではない。基本は他の弦楽器と同じように、弦の様々な部分を押さえて音階を出すのだが、参考にと渡されたプリントを見てもよく判らない。
ちら、と同じくエレキギターを弾いている
雨寺 凛
の方を見てみるけれども、何だか乗っている感じで、邪魔をするのも悪そうな気がしてしまう。もちろん凛は、聞いたら快く「えっとねー、ここはねー」と教えてくれるに決まっているのだけれども。
「むー、難しいよぉ……」
「……どうした」
「あ、津止せんせー!」
そんな折に見回りに来た、津止先生の難しそうな顔に絵梨菜は、ほっとして声を上げた。せっかくだから先生に教えてもらっちゃおうと、実は音階の出し方が判らなくて、と相談する。
やってみろと言われて、こんな感じで、と押さえて見せると、キュッ、と津止先生の眉間の皺がほんのちょっぴり深くなった。そうして「……貸してみなさい」とエレキギターを絵梨菜から受け取るや否や、実際に『威風堂々』の旋律を奏で始める。
ビブラートを聞かせた、ロックのような、けれども絵梨菜にだって聞き覚えのあるクラッシック音楽。うわぁ、と絵梨菜は思わず尊敬の眼差しで津止先生の、エレキギターを抱えた姿とは不釣合いなような似つかわしいような、難しい顔を見上げた。
「せんせーすごいっ!」
見るからにクラシック専門という雰囲気なのに、エレキギターの扱いにも手馴れている様子が、実はオヤジさんバンドをやってます、と言われても納得しそうである。カッコいいっ☆ と思わず両手を組んで見とれてしまった絵梨菜に、けれども津止先生は一通り見本を見せ終わるとあくまでクールに、「やってみなさい」とエレキギターを彼女に返した。
そうして、キラキラした眼差しで「はい!」と大きく頷いた絵梨菜と、ちょっと負けてられないかも、と遠くから演奏の様子を見ていた凛の眼差しにもまったく気付かず、津止先生が次に向かったのは
市橋 誉
の所だ。ふぅ、と息を吐いてオルガンを弾く手を止め、気付けば眉間に寄っていたしわを解している誉を、少し見ていた先生は「どうした」と声をかける。
それに、あ、と誉は振り向いて驚いたような顔になった。それから良い機会だと、オルガンの鍵盤に視線を戻しながら相談する。
「実は――ピアノのように鍵盤を弾いた直後に指の力を抜くクセが付いてるせいか、音の繋ぎが変になるんです。軽くタッチすればいいのは分かっているんですが、ピアノの固さに慣れた指が無意識に強くなるみたいで」
まずは軽く音を鳴らして指鳴らしと、誉が弾いていたのは初歩も初歩のピアノ曲だった。ほんの少し鳴らしただけでも、オルガンとピアノがまったく異なる楽器だと言う事は、いやと言うほど理解出来たから。
ピアノならペダルを踏んでいれば鍵盤から指を離しても音が鳴り続けるけれども、オルガンは音符の長さだけ、ずっと鍵盤を押さえ続けなければいけない。それに音の強弱だって、ピアノなら鍵盤を押す力でコントロール出来るのに、オルガンはそれが出来ないようだ。
ならば鍵盤の押さえ方に慣れる為にもと、指慣らしで色々弾いていたのだと語った誉に、ふむ、と津止先生は鼻を鳴らした。誉の悩みは、良きピアニストであるからこそだと言える。
「まずは曲を弾かずに、和音から始めてみなさい。美しく響かせるコツを掴めたら、少しはマシになるだろう」
曲を弾くからこそ、自分の中のピアノの響きのイメージを無意識に身体が再現しようとするのかもしれないと、言った先生にふむ、と誉も考える。そんな2人の話を聞いていて、けれども
黒依 アリーセ
は自分自身とのあまりの差に、小さなため息を何度も漏らした。
誉は初級に居るとはいえ、ピアニストだ。自分と一緒にしてはいけないのは解ってるし、そもそも楽器だって違うけれども。
(……何故、私の指は市橋さんのように、滑らかに動いてくれないのかしら?)
絵を描いたり、細工をしたりといった事には問題ないのに、サックスを弾く時だけは何だか、奇妙に指が強張る気がするのだ。もしかしたら自分の指はそもそも、素早く正確に――というのに決定的に向いてないのではないだろうか。
そう考えてしまってから、ううん、とアリーセは首を振った。弱気になってしまった自分を、心の中で叱咤する。
(……駄目ね)
これくらいで簡単に諦めていては、何も出来るようにはならない。このソプラノサックスだって、最初は音も満足に出せなかったのに、地道に練習してやっと音が出せるようにまでなったのだ。
だから――そう考えていたアリーセを、誉の指導を終えた津止先生がちらりと見て、焦りすぎだ、と奇しくも彼女と同じ事を口にした。
「きちんと音は出せている。最初は途切れ途切れでも良いから、全体を通せるようにしてみなさい。あとは曲のイメージを自分の中で掴め」
「はい」
津止先生の言葉に頷いて、アリーセは再びソプラノサックスを構え、ゆっくりと1音ずつ、1歩ずつ楽譜の音符を辿る。ワンフレーズずつ、ゆっくりと。スピードアップを考えるのは、全体を通せるようになってから。
そんなアリーセの姿に、
篠崎 響也
は目を細めて声をかけた。
「黒依、頑張ってるな」
「篠崎さん……でも私は本当に、まだまだで」
「そんな事ないさ。そういえば黒依とは、この間ぶり、かな?」
謙遜するアリーセに、笑って首を振りながら響也はそう肩を竦める。音楽の技巧的には確かにまだまだかも知れないが、響也自身もまたこと音楽に関しては、夜更けまでバイオリンの練習をするほどに熱心だ。
だからアリーセのひたむきに練習し続ける姿は好ましいのだと、告げると彼女は嬉しそうに笑う。そんなアリーセの姿を、少し離れた所で練習をしていた凛もほっと嬉しそうに見た。
「よーし、アリーセちゃんにも津止先生にも、負けないように頑張らないとね!」
ギュィィィィン、とエレキギターを掻き鳴らしながら、凛は再び『威風堂々』の楽譜へと集中する。いつも演奏しているロックとは、さすがにクラシック音楽は勝手が違うけれども、音を奏でるという意味ではどんな音楽も変わらない。
だから慣れた手つきで弦を押さえ、ピックを操り、僅かな時間で確実に旋律を奏でていく凛に、
夢宮 瑠奈
は尊敬の眼差しを注いだ。ようやくフルートから音らしきものが出るようになった彼女は、けれどもまだそこからなかなか進めずにいる。
(津止先生に、また教えてもらおうか、な?)
ちら、と今は違う生徒を教えている先生の横顔を見て、うーん、と瑠奈は悩んだ。担任でも、軽音楽部の顧問でもない先生の事が、怖そうな見た目も手伝って、瑠奈はちょっとだけ苦手だ。
とはいえ友達のクラスの担任の先生でもあるし、あんな風に怖いけれどもちゃんと教えてくれる先生だから、仲良く出来そうだな、とも思っていて。さっき、瑠奈にフルートの基礎を教えてくれた時も、ちょっと怖かったけど丁寧だったし――
(理不尽に怒られることはない……よね?)
うーん、と考え続けていた瑠奈が、やっと津止先生に声をかけることが出来たのはけれども、3限の授業が終わる寸前、良い感じで練習に区切りをつけた凛がそれに気付いて「だーいじょうぶだよ、きっと!」と背中を押してくれてから、なのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
ゆう
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月18日
参加申し込みの期限
2013年11月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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