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授業風景 ~1年芸術科の場合~
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よしッ、と気合を入れて、
姫神 絵梨菜
はエレキギターを抱え直した。ピックを持つ指にも心なしか、気合が入っているような気がする。
「さぁ、合奏だー! 課題曲のギター、バッチリ決めるよッ!」
「ああ。下手なりに皆と一緒に頑張ろう」
がんばるぞッ、という絵梨菜の叫びに、静かに
桜 月
が頷いた。ハーモニカは何とか単音で音を出せるようになったし、いつもとは違う服のデザインもたくさん思いついたし、月としては今日の授業はすでに、十分な成果と言えるかもしれない。
ヴァイオリンの最終調整をしながら、
篠崎 響也
はこれまでの練習で解釈した、そうして音楽知識として培ってきた事柄を、脳内で改めて思い返した。
(威風堂々はエドワード・エルガーが作曲した曲)
正式名称は”Pompand Circumstance”と言い、日本では楽曲の第1番あるいはその中間部の旋律を指すことが多いけれども、実際には全6楽章からなる壮大な行進曲だ。とはいえ、エルガーが本当に作曲したのは5楽章までで、6楽章目は未完だったのだけれども。
その行進曲に与えられた、異訳ながら名訳と言える『威風堂々』というタイトルは、そのままこの楽曲のイメージを体現していると言えた。それを、この授業を通して自分なりに解釈してきたつもりだ。
華やかに、荘厳に。そして、それでいながらどこか、力強く。
そう言い聞かせながら調律を終えた響也の耳に、「準備は良いかい?」と指揮台の上で確認する
上穗木 千鶴
の声が聞こえた。合奏の準備に賑やかなみんなを見回すたびに、豊かな胸元がたゆんと大きく揺れて一部の生徒の目を困らせているのだが、本人は初めての指揮にさすがに緊張しているために、気付かない。
ふんふんふん、ともう一度、楽譜を通して指揮の手順を確認する。オーケストラだとまずはお客様に一礼して、それから奏者に向かって合図をするんだっけ?
みんなが楽器の準備を終えて、指揮が始まるのを待っているのを確認してから、よし、と彼女は指揮棒を振り上げた。その力強く勢いのある大きな動きに、また胸元が大きく揺れる。
そうして指揮棒を振りおろした、千鶴の合図でついに、最後の合奏が始まった。まったくの初心者も楽器を弾き慣れた上級者も、誰もが一堂に介してたった1つの楽曲に取り組んだ、その集大成だ。
始まりから華やかで、荘厳な旋律によって構成される楽曲を、生徒達があるいは必死に、あるいは楽しそうに楽譜を追いかけながら、旋律を紡いでいく。その中で紡ぎ出される旋律が、たった1つに集約されて音楽となり、楽曲となる、その瞬間が不思議だと、周りに耳を澄ませながら知らず思う生徒も居た。
自身もヴァイオリンを奏でながら、周りから聞こえてくる音にも同時に耳を澄ませている、その音は驚いたことに、同じ楽器であったとしても、1つとして同じ『表情』の音はない。それを、改めて実感して嬉しくなっている――この瞬間を知っているからこそ、もしかしたら自分は音楽が好きで仕方がないのかもしれない、と思うほどに。
さすがに練習時間の少なさから、時々は失敗をしながらも、どんどんと楽譜を追いかけていく。それは今、楽譜を見つめている生徒たち誰もが感じている気持ちだろう。
けれども中には練習も含めて2時間と言う長丁場から、自分の受け持つパートはしっかり逃さず確実にこなしながらも、うぅ、と腰をさすっている生徒も居る。どんな楽器もそうだろうが、その中でもパーカッション系は体力勝負というところが大きいし、まして大好きな音楽の授業なのだからと、いささか練習に気合を入れ過ぎてしまったようだ。
おかげで少しばかり、腰を痛めてしまった様子。それでなくてもずっと立っている楽器だから、足腰への負担は半端ない。
果たして演奏が終わるまで立っていられるだろうかと、考えけれどもすぐに心はみんなで奏でる旋律へと戻っていく。殊に音楽を幼い頃から練習してきた生徒にとっては、音楽の授業はやはり、気持ちが燃え立つ所が大きい。
小さく呟きながら、やってきた己の出番に軽やかにヘッドを叩くと、響き渡る独特の音に知らず、笑みが零れた。どんなに足腰に負担が来ても、その瞬間になればこうして身体が旋律を求めて動いてしまうのだから、面白いものである。
あっという間に楽曲は進み、ふいにどこか穏やかかつ荘厳にも響く、恐らくはこの楽曲を知らなくても卒業式や、その他の行事の入場の時などに聞いた事があるであろうパートまでさしかかった。そういうパートだと聞き覚えがある分、なおさら親しみが湧いてくるのだろう、演奏している生徒達の表情もどこか、リラックスしたり楽しげだったりする。
とはいえ一部の生徒達は、ここからが本番だと各々が精一杯練習した管楽器の旋律を存分に響かせた。時折ジャーンと入るシンバルの音も、響き渡るドラムの音も、練習の成果だろう、今はほとんどタイミングが合っている。
そこから再び楽曲は少しずつ、だが確実に激しく盛り上がり、やがて最終パートへと駆け上がっていく。その生徒達の前に立ち、オーケストラを意識しているのだろうか、ことさらに大きく力強い振りで身体のあちこちを揺らす指揮者の事は、ここまで来ると演奏者にはどうかすれば、指揮棒のおまけぐらいにしか見えていないのかもしれなかった。
――ジャンッ! ジャーンッ! ジャー……ンッ!!
ひときわ高く楽器が歌い、ついに『威風堂々』がクライマックスを迎えた。天井に向かって高く突き上げられた指揮棒が、下ろされた瞬間知らず、誰もの口から無意識に詰めていた息が吐き出される。
ぐッ、と両手の拳を握って、
雨寺 凛
はたった今終えた合奏の興奮も冷めやらぬ様子で言った。
「みんなと一緒に演奏できて楽しかった! こうやってみんなで一つの曲を作り上げる達成感、たまんないね!」
「本当に、凄かったわ。――私も、ちょっとだけだけど何とか、参加出来たし」
「うんうん、やっぱり音楽って素敵だねぇ♪」
凛の言葉に
黒依 アリーセ
も、ほっとした様子でソプラノサックスを下ろしながら頷く。とにかく1~2フレーズだけでも参加出来ると嬉しいと思って練習していたのだけれども、その成果はあったようだ。
それに、本当にゆっくりならばたどたどしくだが、何とか楽譜を追えるようにもなっている。後は教えてもらった運指の練習をして、少しずつスムーズに、そして早く、が目標だ。
うん、と課題を胸に刻み込んでから、アリーセは
夢宮 瑠奈
を振り返った。
「夢宮さんはほとんど、遅れてなかったわね。凄いわ……」
「そう、かなぁ?」
その言葉に、瑠奈はちょっと嬉しそうにはにかんで、手の中のフルートを見下ろした。この最後の合奏の時間までに、だいたいの演奏スキルが身につけばいいなって思ってたけど、どうかなぁ、と自分自身を振り返る。
大丈夫だったよと、ハーモニカを下ろしながら
桜 月
が頷いた。何とはなしにその銀色の塊を丁寧に拭いながら、木琴の前で嬉しそうにしている
小山内 海
を見る。
「小山内さんとはクラスが違うから今回初めてだし、どんな楽器を演奏してくれるのかな? って思ってたけど。木琴、得意なの?」
『ううん はじめて』
『たのしかった』
「そうなんだ」
その言葉に、海はふるふると首を振って足元のスケッチブックにそう書きつけ、月に見せた。その言葉を読むまでもなく、本当に海が楽しんでいたのだろうことは、彼女の表情から窺い知れる。
そんな風に、合奏を終えて賑やかな生徒達の耳に、津止先生の言葉が届いた。
「短い練習時間の中で、好きな楽器を持ち寄っての演奏だが、なかなか良かった。またいずれこういった授業も行うだろう。各々、これからも励むように。――では、今日の授業は終わる」
ぐるりとみんなを見回して、津止先生はあくまで真面目な声色でそう言った。そうしてそのまま、個々に労いをかけるでもなく音楽室を出て行った、先生の顔がどこか満足そうに見えたのは、きっと生徒達の気のせいではなかった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
/
ゆう
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、この度は急遽、代筆を務めさせて頂く事となりました水無月 深凪です。
まずはどなた様も、授業風景シナリオにご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
また、すっかりリアクションをお待たせしてしまいました事を、心よりお詫び申し上げます。
このたびは音楽の授業で威風堂々、というテーマでしたが、如何でしたでしょうか。
水無月自身は威風堂々と言うと、小学校の時に文化発表会でピアニカで吹いたなぁ、という思い出が蘇ります。
そんな懐かしさも感じながら、精一杯執筆させて頂きました。
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またどこかで別の形でのご縁がございましたら、その折にはどうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
ゆう
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月18日
参加申し込みの期限
2013年11月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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