this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
新しき、年の始めに。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
25
つぎへ >>
『次、女子バスケ部、ウィンターカップ優勝。代表して、キャプテンの
羽生 碧南
さん』
「はい!」
始業式の壇上で名を呼ばれ、
羽生 碧南
は元気よく立ち上がった。コートに立つ時とはまた違う、講堂内の注目を一身に浴びる緊張感は、何度味わっても慣れない。
ゆえに碧南は震えるような心地で壇上に進み、ウィンターカップでも受け取った表彰状とカップを、改めて受け取る。緊張のあまり、永遠にも感じられる瞬間はだが、あっという間に過ぎ去ってしまい――講堂から沸き起こる拍手にぺこりと頭を下げる、皆の姿を
浅見 柚乃
は、同じく拍手をしながら誇らしく見つめた。
嗚呼、けれども碧南先輩は今日、ついに正式にバスケ部を引退するのだ――その事実も思い出してしまって、柚乃は知らず憂鬱に顔を曇らせる。敬愛よりもなお深く愛する碧南との縁が1つ消えてしまうと思うと、それだけで柚乃の気持ちはどんよりしてしまうのだ。
まだ、寮では姿を見る機会はある。けれども碧南が部活に来なくなれば、3年生で受験も控える碧南に学内で会う機会は、きっと激減するだろう。
それに、今日の練習は――そう、息を吐く柚乃の暗い顔を、1年生の場所から
霧生 愛
はじっと見つめる。今日は部活始めでもあり、碧南の引退式でもあり、その碧南から柚乃がキャプテンを引き継がれる日でもある――柚乃が陰鬱に考えているのだろう事と、同じことを愛も思って息を吐いた。
誤解のないように言えば、愛は別に柚乃がキャプテンになることに異論はないのだ。
(碧南先輩に次ぐ実力者が浅見先輩なのは、誰の目にも明らかだから)
だから問題は、そこではなくて。柚乃の内面の問題というか、柚乃の碧南への想いというか――それに端を発する色々な物が、愛の心を重たくする。
そんな風に、それぞれに重いため息を吐いた柚乃と愛を見て、クラスメイトが不思議そうに眼を瞬かせた。
* * *
ホームルームも大掃除も、学食での昼食も終わった午後13時半。碧南は練習着に着替え、バスケ部の全体練習へと足を向けた。
思えば随分と遠くまで来たものだな――と思う。女子バスケ部に入部した時には、まさかキャプテンとして女バスを率いて、ここまで行けるとは正直、思っても見なかった。
そう――色々な思い出が次々と、碧南の胸中を通り過ぎていく。その感傷に浸ったまま後輩達の練習を眺めて過ごしても、恐らくは何も言われないだろうが、そんなの碧南らしくない。
だからそれらの感傷を振り払い、碧南は今日も今までと同じように、コートに立つ。
「そこ、反応が遅いよ!」
「はい!」
「踏み込みが浅い! こうやるの、見てて!」
「はい! ありがとうございます!」
厳しい檄を飛ばしつつ、時に自らボールを手にして手本を見せる碧南に、始動を受けた部員達はいつも以上にきびきびと返事をし、ガバッと礼儀正しく頭を下げた。その様子を、自身も指導を受ける側でありながら愛は、じっと見つめて最後まで学び取ろうとする。
1年生とはいえ唯一のレギュラーである愛は、今ですら同級生に対しても見本を見せたりする立場だ。まして来年になれば、後輩達の面倒も見ることになる。
その時に、どう指導すれば良いのか。どう、声をかければ良いのか――碧南のやり方を学べるのは、今日が最後だ。
――実のところ、最初は碧南の事をキャプテンとしては頼りない、ゆるふわ少女だと思っていた。だが碧南からの厳しい指導を受けたこの1年で、その認識が間違いだったことを――外見で人を判断する愚かさを、思い知った愛である。
だから。最後まで、少しでも学び取れるように――そう思いながら過ごした練習時間は、あっという間に終わりを告げた。午後17時、終わりの号令と共に体育館を片付けたら、全体集合して碧南の引退式だ。
本当に――あっという間の時間だった。あっという間の、日々だった。
熱い日々を共に過ごしたバスケ部員達を、碧南は感慨深く眺め渡す。簡単な所感と挨拶を述べ――ぐるりと巡らせた視線を、柚乃の上で止める。
刹那、柚乃の背筋がピンと伸び、表情が強張った。それは緊張か、はたまた別の感情なのか――でももうこれは決めた事だ。
ゆえに碧南は、柚乃、と微笑んだ。これまでの活躍から、自分の後任にふさわしいのは彼女に相違なかったから。
「あなたが私の後任よ。受けてくれるよね?」
「――はい。謹んでお受けします」
本来なら、先輩からの声掛けに一瞬たりとも迷う素振りを見せてはいけない。しかもこれは実のところ、部内会議でもとっくに決まっていた事だ。
それでも柚乃は、ほんの僅か、沈黙した。否、内々に打診された時から、部内会議で承認された後も実のところ、大いに迷っていた。
だって、碧南が女子バスケ部に残した功績はあまりにも大き過ぎる、と柚乃は思っている。そんな碧南の後任が、本当に自分で良いのか――碧南の残したものを、本当に自分が受け継いで良いのか、迷ったのだ。
けれども。
(碧南先輩は私のことを信じてくれて、それでキャプテンに推してくれたんだから)
その信頼を裏切りたくないという、思いが柚乃の背を押した。ゆえにしっかりと頷いた柚乃に、碧南が微笑みながら頷いてくれて――嗚呼良かった、と思い。
けれどもその微笑みは、あくまでも後輩に向けられるもの。自分だけに向けられる特別なものではないのだと、心のどこかが軋みを上げる。
――碧南が
鷹取 洋二
という3年生と両想いになった事を、柚乃は知っていた。柚乃の碧南への想いは、だから永遠に叶う事はない――否、元々そんな可能性はきっとなかった――ううん、でももしかしたら――それなのに碧南先輩はもう高取先輩と――
ぐっと、奥歯を噛み締める。こんな時ですら心に嵐が吹き荒れるほどに――気が狂わんばかりに柚乃は、
鷹取 洋二
に嫉妬していた。
その背中に、部員達が口々に「おめでとうございます!」と声をかける。愛もまた、不穏を感じながらもその中に混じり、祝辞を述べた。
「浅見先輩、おめでとうございます。羽生キャプテン、今までご苦労様でした」
「……ありがとう、愛」
刹那、向けられた眼差しは他の部員達よりもなお厳しいもので。嗚呼まただ、と愛は心の中で嘆息する。
あの夜から、柚乃の『明確な』敵意が愛に向けられる事はなくなった。けれども、恐らくは無意識に浴びせられる敵意は変わる事がなく――もっと言えば、碧南の恋人への嫉妬はさらに増したようにも見えて。
はぁ、とため息を吐く。
(どうやったら、浅見先輩の執着心を取り除くことができるんだろう……?)
このままでは柚乃は、いつか取り返しのつかない事になりそうだ。そうなる前に、どうにかして――そう考えて、何で私がそんな事を考えなきゃいけないの、と唇を噛み締める。
愛にとって、柚乃は言ってしまえば『好ましからざる先輩』だ。当たり前だろう、何もしてないにもかかわらず事あるごとに嫉妬され、敵意を向けられる相手にどうやって、好意を抱けというのか。
それなのに、どうして愛は柚乃を心配しているのだろう。あんな人、勝手に自滅すれば良いのに――なんならそれを高みの見物をしていたって誰にも怒られやしないだろうに、どうして放置出来ないのだろう。
そんな自分が嫌になって、暗鬱な気分でまた溜息。その、愛や柚乃の様子を一歩引いた所から、碧南は祈るように眺めた。
(キャプテンとしての自覚を持てば、きっと……)
柚乃の危うさも、愛との関係も、きっと。もしかしたら。――願わくば。
そんな、三者三様の想いを秘めて、引退式は終わりを告げたのだった。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
25
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
新しき、年の始めに。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月15日
参加申し込みの期限
2023年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!