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新しき、年の始めに。
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思いがけない『偶然の』出会いに、
稲積 柚春
は眼を瞬かせた。
「ワ……ウォルター先生」
「明けましておめでとう、だねぇ、稲積」
「……ッ、あっ、明けましておめでとう、ごさいます」
思わず親しげに名を呼ぼうとして、慌てて踏みとどまった柚春を褒めるように、
ウォルター・B
先生が新年お決まりの挨拶を口にしながら目を細める。それに、同じく挨拶をしつつ頭を下げて――ちら、とウォルターを見上げた。
思いがけない、というのは嘘になるかもしれない。少なくとも柚春の方は、始業式の間だって壇上そっちのけで教師陣の中に居るウォルターを見つめていたし、今だって「あわよくば見かけて、挨拶でも出来れば良いな」と思っていたのだし。
けれども、ウォルターの方から柚春に気付いてくれて、声をかけてくれるなんてのは驚くほどの幸運だ。そう思ってから、あれ、と首を傾げる。
「ウォルター先生。お話してたんじゃ?」
「ああ、クラスの子とねぇ。――何なんだろうねぇ」
最後の方はあまりにも小さな呟きで、始業式後の騒めく廊下ではどうにも聞き取れない。え、と尋ね返すように見つめてみたけれども、ウォルター『先生』はひょいと肩を竦めてそれ以上の質問を拒絶した。
拒絶されたと、判る程度には自分も親しくなったのだと、前向きに捉える。否、親しくなったなんてものではない、自分達は両思いの恋人未満、なのだけれども。
「ほら、稲積も教室に戻りなさい。そろそろホームルームが始まるよぉ」
「――ハイ」
『適切な距離感』とやらを大事にする、自制心の塊なのではないかと疑うほどに学校内や人前ではほぼ隙を見せないウォルターは、そう言ってひらりと手を振り歩き出す。――その隣に並んで歩くくらいは、単なる先生と生徒でも普通にある事だ。
ゆえに小走りに駆け寄って、隣に並んだ柚春をウォルターが見る。けれども、柚春と同じことを考えたのだろう、何か言われる事はなかった。
* * *
始業式の日の放課後は、終わる時間も早いせいか、まだどこかよそよそしい。人の気配もまだ疎らというか、希薄というか――どこか、まだ『戻ってない』と感じてしまうような。
そんな廊下を柚春は、英語科教員室へと歩いていた。
(僕は今日から『学校始め』だけど、ワットはきっと仕事始めも早かったよね)
生徒が長期休みの間も、基本的に教員というものは学校に出勤して、学期中にはこなせない事務作業をしたり、研修を受けに行ったりと、忙しいものだ。ましてウォルターは華道部と射撃部の顧問もしているから、きっと、そちらの指導もあっただろう。
そう思えば、厳密には今日がウォルターの『仕事始め』ではない事は、想像に難くない。けれども柚春にとっては今日が始まりだから――3学期も頑張ってと、ウォルターに伝えたかったのだ。
だから。実を言えばウォルターの自宅に行くことも出来るのだけれども――そしてもう遠慮もしなくて良くなったのだけれども、あえて『ウォルター先生』に会いに行こうと、思った。
(職員室には居なかったし、英語科教員室に居てくれると良いけど)
ああ見えて、ウォルターは存外に忙しい。部活の指導に行ってしまっていたらさすがに声をかけられないし、それですらない所在不明なら、この広い寝子島高校内を探すのはなかなか骨が折れる。
ゆえに半ば祈りながら辿り着いた、英語科教員室に果たしてウォルターは居た。残念ながらと言うべきか、そこにはもう1人の英語の先生、
島岡 雪乃
先生も居たけれども。
ぺこりと島岡先生に頭を下げて、柚春はそそくさとウォルターの側へ立つ。うふふ、と微笑んだ島岡先生は、そのまま何かの書き仕事に戻ってくれた。
ほっと小さく息を吐き、でも島岡先生どこかに行かないかなとも思いながら、ウォルター先生、と声をかける。
「ウォルター先生、ご報告があります」
「報告?」
その言葉に、ウォルターが不思議そうに首を傾げる。それに頷いて、鞄の中から取り出したのは、1枚の通知書だ。
おやぁ? と瞬いてその文字に目を走らせたウォルターが、驚きに軽く目を見張る。それに胸のすくような、誇らしいような気持を味わいながら、ご報告です、とにっこり繰り返した。
「じゃん! 合格しました!」
「へぇぇ……おめでとう、稲積」
「本当は冬休みが始まる前に届く予定だったんだけど……」
それに嬉しくはにかみながら、自身でも何度も見返した通知書を見下ろした。『アロマテラピー検定1級 合格通知』と書かれたそれは、前々から特技を活かした進路に進めたらと願い、資格や検定を調べた末に受けたもの。
自分の特技になにがしかの形が付き、視覚という裏打ちが出来た、これは柚春にとって大きな1歩と言えるだろう。何より、ウォルターがいつも言う『自分のせいで柚春の未来を狭めてはいけない』という心配を、払拭する意味でも大切だ。
だから、
「まだこれを仕事にするかはわからないけど、これからも勉強頑張ります」
「うん、頑張りなさい。まだこれからも、色々なチャンスはあるだろうからねぇ」
そう、『生徒』としての決意を告げた柚春に、『ウォルター先生』はにっこり頷いてくれる。その瞳が安堵しているように見えて、大丈夫だよ、と微笑み返した。
カタン、と島岡先生が立ち上がって英語科教員室を出ていく。ちら、とそれを見送った柚春は、この間にと鞄の中からもう1つ、渡そうと思っていたものを取り出した。
「これはワットに。――3学期もお仕事頑張ってね」
それは、2学期の始めにも作って届けた事のあるサシェだ。今回は三角錐にして、側面には犬の足跡を歩いているように刺繍した。
へぇぇ、と受け取ったウォルターに裏も見てと伝えれば、素直にひっくり返してくれる。そこには、柚春の瞳の色とウォルターの瞳の色で、ハートの刺繍が隠されていた。
ぎょっと目を見開いてから、それで、と苦笑いするウォルターである。なるほど、これは『ワット』への贈り物なわけだ。
ふふー、とイタズラが成功した子供のように、柚春が笑う。
「香りはね、サンダルウッドとレモンを合わせたんだ。ウッディな香りは、鎮静作用でリラックス、強壮効果で集中力がアップするんだよ。レモンも同じなんだけど、リフレッシュ効果もあるから。でも夏っぽくなり過ぎないように、他にも合わせてね」
「いやはや、至れり尽くせりだねぇ。将来有望だ」
そんな柚春にウォルターが、さすが1級を取っただけあると笑いながら、デスクの引き出しにサシェを仕舞った。えぇ、とつい責めるようにジトっと見つめれば、人差し指を口の前にそっと立てて目配せされる。
え、と柚春が瞬いたのと、ガラッと英語科教員室のドアが開いて、島岡先生が戻って来たのは、同時。ああ、とそれに残念な息を吐き、鞄をしっかり持ち直し。
「それじゃ先生、さようなら」
「はい、さようなら」
ぺこりと頭を下げた柚春に、『ウォルター先生』が涼やかに微笑む。それにこっそり唇を尖らせて、柚春は英語科教員室を後にしたのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月15日
参加申し込みの期限
2023年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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