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新しき、年の始めに。
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今年最初のファッション誌の撮影現場に入った
城山 水樹
は、撮影スタッフやクライアントの担当者に新年のあいさつをして回る。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「明けましておめでとう、水樹ちゃん。今年も頑張ろうね」
「あけおめ! 年末年始、ちゃんと体重管理してた? オフだからって油断しちゃダメよ~」
「やだ、そんな事しませんよー」
モデル業は、人と人との繋がりが大切な仕事でもある。中にはスタッフに対して横柄な態度を取る者も居るが、そんな事をしていてはいずれ立ち行かなくなるのは明白だ。
ゆえに、しっかりと挨拶回りをして。じゃあそろそろ準備を、と促されたところでスタッフの1人が、そう言えば、と思い出したように告げる。
「水樹ちゃん、もう聞いた? 今日カメラマンが変更になるって」
「え? 何かあったんですか?」
「なんでも急に入院したんですって、心配よね。で、今日は別のカメラマンになるんだけど――水樹ちゃん、大丈夫?」
そんなスタッフの言葉に、心配ですね、と眉尻を下げつつ水樹は、別のカメラマン――と胸中で呟いた。撮影はモデルとカメラマン、そしてスタッフによって作り上げていくものだ、そのキーマンの1人であるカメラマンが急に交代するというのは、結構なトラブルである。
実際、カメラマンの交代によって撮影の方針まで何もかも変わってしまい、撮影自体が成り立たなくなった現場の話も、聞いたことがないわけではない。逆に、交代のカメラマンと相性が合わず、モデル側のコンディションが乱されてしまって――という事もある。
スタッフの「大丈夫?」も、そういったことを懸念しての発言だろう。だからみずきは努めて強気に、にっこり笑った。
「大丈夫です。私は私の仕事をやるだけですから」
そうして、撮影準備のために控室に戻りながら――代打のカメラマン、とまた胸中で呟いた。カメラマンである恋人の事を、どうしても思い出さずには居られない。
――水樹と恋人の間には、今、どうしようもない距離が生じている。それは、水樹が去年1人旅で訪れたタイでの行きずりの情事に端を発していた。
どうしようもない後ろめたさ。恋人への、罪悪感。そんなものが水樹と恋人との間にすれ違いを生み――最近は少しずつ関係も修復出来て来たけれども、2人の間に生まれた距離はまだまだ遠い。
つきん、と胸が痛む。クリスマスに彼に抱かれた時、その事実によってタイでの記憶を上書きしようとした。その事に、きっと彼は気付いていただろう。
だから、という訳ではなく――むしろ水樹自身の心が、そんな不誠実な好意で自身の罪を洗い流そうとする自分に、更なる罪悪感を抱かせてしまって。――許されたくてした事で、かえって罰せられたような気がしてしまって。
(――このままもう、別れてしまった方が良いのかな?)
そうすれば水樹も楽になるし、恋人にもこれ以上、水樹の不誠実のせいで苦しめずに済むのではないか。――彼と別れることがもしかしたら、こんな自分に出来るたった1つの誠実な行いなのではないか。
――そんな考えすら脳裏に浮かんで、はぁ、と息を吐く。どうか、代打のカメラマンが彼ではありませんようにと、願った。
* * *
突然の仕事の打診を受けて、
ヒュー・ヒューバート
は急ぎ、電車で移動していた。都内某所のスタジオで今日行われるファッション誌の撮影――その仕事を受けていた先輩フォトグラファーが、急に入院してしまったのだという。
大学時代の先輩でもある彼は、その誼あってか代打としてヒューを指名した。とはいえヒューに相応の実力がなければ、そもそも指名が来るはずもなく、クライアントのファッション誌もNGを出したはずだ。
(ありがたいことだね)
代打だからこそ、しっかりと仕事をこなすことが今後の評価にもつながって来ることを、ヒューは経験上知っていた。だから、ぐっ、と小さく手を握って――ファッション誌か、と胸中で呟く。
ヒューの恋人は、モデルだ。それこそファッション誌でも活躍していて、なんだったらヒューが代打を頼まれたこの雑誌にだって彼女の写真が掲載された事もあって――
(………)
知らず、瞑目する。この仕事が彼女とでなければ良いと、思う。
――クリスマスの夜を思い出した。それ以前から2人の間には確実に距離があって、それを少しずつ少しずつ埋めていた最中、彼女に請われて抱いたのだ。
それは、なにも間違っていなかった行為のはずで。むしろ彼女から求められたのだから、ヒューは何ひとつ悪くはないはずなのに。
なぜだろう――
(あれが、彼女をさらに傷つけたような気がする、なんて)
現にあの日以来、ヒュー達は会っていない。NYAINEすら見ていない。そうしてそのまま年が明け、彼女とはただ疎遠になっていく一方で――もしかしたらもうこのままなのかもしれない、とすら思って。
ヒューにとっては恐らく幸いなことに、この頃はフォトグラファーとしての評価が高まって、色々なところからぼつぼつと仕事が舞い込んでいるおかげで、じっくり何かを考える時間もない程に忙しい。今日も、たまたまスケジュールが開いていたし先輩の頼みだからと受けたけれど、どうかすればお断りせざるを得なかっただろう。
そのこと自体は、素直に嬉しい。ありがたい。ただ、自分の私的な問題が――彼女との事が仕事に影響してしまわないか、それだけが心配ではあるけれど。
ふぅ、と細い息を吐くと同時に、電車はスタジオの最寄り駅へ到着した。はっと我に返って電車を降り、足早にスタジオへ向かって入り口で名前を告げ、現場に入って挨拶を交わし。
撮影機材の準備や、細かいコンセプトの確認をしていたら、入口の方から「ミズキちゃん、入りまーす」と声がする。
(ミズキ……水樹!?)
はっ、と振り返ればそこに居たのは、先ほどまで思い悩んでいた恋人。願わくば今日の仕事相手ではありませんように、と願っていた
城山 水樹
その人が、驚きと、恐らくは後ろめたい気まずさでこわばった表情で、ヒューを見ていた。
* * *
一瞬の沈黙を、破ったのもまた水樹の方からだ。恐らく顔をこわばらせてしまった事は、すぐ傍に居たスタッフにすら気付かれてはいないだろう。
とはいえ、これまで数多の時を重ねてきたヒューにだけは、気付かれていたかもしれないが。
「こんにちは、モデルの
城山 水樹
です。今日はよろしくお願いします」
「――フォトグラファー、
ヒュー・ヒューバート
です。急な事ですが、今日はよろしく」
それすら、あっという間に完璧なモデルの仮面をかぶって愛想よく挨拶した水樹に、挨拶されたヒューもまた如才のない柔和な笑顔の仮面をかぶる。水樹ちゃん美人だから驚いたでしょう、とスタッフから揶揄われて「本当に」とにこやかに相槌を打てるくらいに。
ありがとうございます、とはにかんで見せる笑顔もモデルのもの。それを、ヒューもちゃんと判っていて――お手柔らかにお願いしますねと、カメラの前に立つ。
だって、彼らはプロだから。これは、仕事だから。互いの間にあるものも、それゆえの気まずさも、後ろめたさも――仕事には何ら、関係のないことだ。
だから、
「まずは何枚か試し撮りしましょう。セットに入って」
「はい」
「試し撮りだから気楽に。自由に動いて貰って良いですよ」
「わかりました」
どこまでもビジネスライクなにこやかさで指示を出す、ヒューにプロのモデルらしく水樹も応じる。カメラへと向けた魅力的な笑顔は少しも屈託がなくて、まさか2人の間に深重い事情があるなんて、誰も想像すらしないだろう。
ヒューの横から、クライアントの担当者もたまに口を出す。
「見てる読者が恋人だと錯覚するような感じが欲しいですね」
「はい! じゃあ、こんなのはどうでしょう?」
「良いですね。何パターンかあるとありがたいです」
「城山さん、目線こっちに」
「はい!」
それにも気さくに応じて笑顔や仕草を絶妙に変える、水樹の姿をヒューは何枚も何枚もカメラに収めていく。もちろんヒューからの指示にも笑顔で頷き、言われた通りカメラに向かって魅惑的に微笑んだ水樹の姿に、ふとヒューの胸が痛む。
レンズを通して見る水樹が、傷だらけの心をモデルの仮面の下に隠している事は、ヒューの目には明らかだった。フォトグラファーはモデルの表面だけを見るのではない――その内面をも見透かして、最良の表情を引き出していくのだ。
確かに魅力的な水樹の笑顔の下に、だからヒューには傷ついている彼女が見える。だが、痛む胸に静かに蓋をして、ヒューはただ仕事をこなしていく。
そうこうするうちに、撮影はどんどん長引き、夜に差し掛かってきた。せっかくだから夜景も欲しいですねと、クライアントが言い出して撮影は続行になる。
とはいえ夜景となれば、スタジオ内では無理だ。急遽屋上を開放してもらう事になって、その手続きのわずかな間に水樹やヒューはもちろん、スタッフ達も交代で休憩を取る。
ふと、目が合った。だが言葉を交わす事はなく、ヒューと水樹はそのままそれぞれのスタッフと話を始める。
――何とも言えない年明けだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月15日
参加申し込みの期限
2023年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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