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The Backrooms Nekojima
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【Level NK-634 η: "Isolation Room" (隔離室)】
成層圏にも達するほどの上空だ。青と黒の狭間の領域に
漫 歩
は立っていた。赤さびた鉄骨の足場が幾何学模様をなして縦横に伸び、どっちを向いてもその終端は見渡せない。はるかな眼下を回転する惑星は、地球なのだろうか。そのような気もするし、大陸の形がいくらか異なるような気もする。
「また妙なところに来ちゃったなぁ」
歩はあやかしだ。コンバットブーツの付喪神。ふるさとたる霊界にはもとより不可思議奇態が山ほどひしめいているし、『恐怖』なんてありふれている。ちょっとやそこらで驚きはしない。悠々、鉄骨の上を歩き始めた。
こつん、こつんと金属を蹴る音が軽やかなリズムを奏でる。しばし歩くも、飽きることはない。
「おっ?」
鉄骨の上にいるのは歩のみではなかった。一匹の子犬が駆け寄ってきて、歩の靴に身を寄せ始めた。胴が長くて足が短いのはミニチュアダックスフントに似ているが、顔は愛嬌に加えてどこか精悍な凛々しさも帯び、馴染みのない面立ちをしていた。雑種だろうか。
「なんだ、君も迷い込んだのか? いっしょに行くかい」
あごの下をくすぐり、頭を撫でてやると満足したのか、子犬はふいと気まぐれに行ってしまった。揺れるしっぽを見送り、ひと息ついて再び歩き始める。
鉄骨の道は単調な連なりでありながら、歩が退屈することはなかった。靴の付喪神は歩くのが本分のようなものだし、どこまでだって歩いてゆける。それに人間とは比べものにならないほど長い時を生きるあやかしだ。単調な道行きにいくらか時を浪費したとて、どれほどのものだろう。
「無限に続く道、か? いいじゃん。踏破のしがいがあるってもんだ」
いっそう軽やかに、足取りは跳ねるよう。こつん、こつんとリズムは一定、時には変調しながらも途切れることなく、果てを目指してどこまでも歩む。
たったひとりの旅かと思えば、子犬は時おり姿を見せては駆け寄ってきた。
「おー、また君か。おかしいな、全然違うほうに歩いてったと思ったんだが」
前方へ駆けていったかと思えば後ろからやってきたり、右手へ消えたと思えば左から現れたりする。空間の繋がりはおそらく見た目どおりではなく、歩とて同じところをぐるぐるとループしている可能性もなきにしもあらずだが、確かめる術はない。それに、歩にとってあまり気にすべきことではないとも考えていた。
子犬は人なつっこく、歩の腕の中へ飛び込んできたり、足もとへすり寄ってきたりするが、なにしろそう太くもない鉄骨の上だから、あまり活発に動き回られるといささかはらはらとしてしまう。
などと気をもんでいたら、子犬は短い足を踏み外した。
「あ、おい!」
とっさに手を伸ばすも間に合わず、子犬は落下してゆく。その小さな身体を大気にさらされ、摩擦熱に燃え尽きるまで、黒々としてつぶらな瞳がいつまでも歩を見つめていた。
たったひとり。貴重な旅の連れであった相手が星となって眼下に消え、喪失感を埋めるかのようにしばし胸を押さえ、立ち尽くした。
「……ん?」
と思いきや、背中にきゃんと元気な鳴き声。振り向けば胴長の子犬は舌を出し、なにくわぬ顔で歩を見上げていた。
「君、どうして」
言いかけ、変わらずつぶらな瞳に言葉をのみこみ、代わりに苦笑いをうかべた。尋常でない空間へ当たり前のような顔で現れる子犬は、尋常の存在ではないのだろう。
その証か。歩は気がついた。
「君……身体、伸びてないか?」
子犬はミニチュアダックスフントに似ていたが、決してミニダックスではなく、あるいは犬でさえないのかもしれない。
歩はひとり歩き続け、時にそのかたわらへと相棒が寄り添う……が、子犬が足を踏み外して燃え尽きたり、そうでなければ飛来する小型の隕石の軌道に貫かれたり、勢いよく跳ねすぎて惑星の重力を脱し宇宙空間へ飛び出し身体中が沸騰して膨張し、死に至るのは稀なことではないらしい。
その後に再び、すぐにも姿を現すのだが、奇妙なのは彼または彼女の胴がそのたび、伸びてゆくこと。そして、
「龍みたいでかっこいいなぁ」
ぐるる、とうめいた。伸びるたび、人なつこくじゃれつく愛嬌は次第に鳴りをひそめ、代わりに秘めた獰猛と口腔の牙がちらと覗き始めた。
「うお……っ!」
ぎりぎり、身をかわす。牙と前足に爪を備え、ゆらり宙を漂うかと思えば一転、目にも止まらぬ速度でそれを振るう。どちらも鋭利で、かすめた歩の身体を深く斬り裂き鉄骨をも両断した。
子犬はもはや子犬とも呼べず、命尽きるたびに伸びてゆく長大に過ぎる身体は大蛇か、それこそ東洋の龍のごとくそこらじゅうを這い回り、どれほどの長さなのか見当もつかない。
「そうか。君は」
思い至る。鉄骨と無限の空間は檻なのだと。
「ここに、捕らわれてるんだな」
崩れゆく鉄骨を蹴って跳躍する。次々に残骸を跳ねながら移動し、鼻先へと肉薄し、渾身のキックを叩き込む。しかしこたえたようなそぶりはなく、胴をくねらせ鷹揚に宇宙を舞う。
「俺は君の餌かな。それとも遊び相手かい?」
惑星の青と緑を背負う姿はどこか神々しく、美しかった。歩はのまれたが、
「悪いな。どっちにしても、俺はここで死ぬつもりはない」
歯を食いしばり、爪のひと薙ぎをかいくぐる。
空間は無限、時も永劫なのだろうか。死せども蘇る相手だが、あやかしの時間にもまた果てがない。戦いはしばしの間続くだろう……もしくは永遠に。
「遠慮はいらない。さあ、遊ぼうぜ」
咆哮にともない寄せる衝撃さえも斬り裂くほどの速度で、歩は跳躍する。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月26日
参加申し込みの期限
2023年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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