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The Backrooms Nekojima
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【Level NK-753: "Sunken Ship" (沈没船)】
黄色い床を踏み外すと、塗れた壁に叩きつけられた。
「痛っ……冷たっ」
口の中へ飛沫が飛びこんでくる。塩辛い。海水か。
立ち上がると違和感に気づく。身を震わせる軋み。目に入る全てが記憶の中に定着するイメージや普遍的な常識に反し、天地を逆転させている。
倉前 七瀬
は叩きつけられたのが天井であり、頭上の赤いカーペット張りこそが床なのだと悟った。
「うわぁー。びっくりしましたー」
内壁や調度品はぎらつくほどに豪華で、しかしところどころに破壊の痕跡が刻まれている。ベルベットのカーテンは裂け、整然と並んでいただろう革張りのチェアたちはあちらこちらへ散り散りとなりながら砕かれて、黄金色のランプは割れ欠けもはや明かりをともしてはいない。
にもかかわらず空間に一定の明度が保たれているのは、大きな丸窓の外からかすかな光が差し込んでいるからだ。
「……おー」
七瀬はぽかりと口を開け、耐圧ガラスの向こうに広がる世界を見つめた。大魚が鷹揚と身をくねらせ、小魚たちの群れが陽光を銀色に照り返す。階下、いや階上というべきか、そこから漏れ出したあぶくがゆらゆらゆっくりと空を目指して昇ってゆく。
どうやら海中だ。沈みゆく豪華客船の中に七瀬は放り込まれたらしい。
「これは、困りました。どうやって帰ればいいとですかねー」
無惨に散乱したシャンデリアの破片をまたぎ、原型を手放したガラステーブルを踏み越え、歩いてみる。沈降してゆくさなかなのか、ゆったりとして床が傾くが、一定の角度になると反対へと傾き、今のところ安定しているようだ。船内の空気も潤沢にあるようで息苦しさは感じない。窓際には光が広がるが、離れれば薄暗く探索にはいささか難儀しそうだが、
「おやこれは」
乗客の残したものか、転がっているポーチから小型の懐中電灯が飛び出していた。拾い上げてスイッチを押し込むと、頼りなげながらに点灯してくれた。
「ありがたいですねー」
どこか間延びした口調のまま、七瀬は出口を探してみることにした。
探索を通じ、分かったことがいくつかある。どうにか理解に至ることもあれば、思わず首をひねり思考の深淵に陥る不可思議もあった。
ひとつ。船内の構造は一定ではなく、そしてどうやら終端は存在しない。ダイニングやバーを備えたメインデッキを出て、廊下を抜けてシアタールームを横切り、カジノやスポーツコート、客室の並びを横目に進めば船首か船尾へ突き当たるのかと思えば、扉を開くと再びメインデッキが広がるのだ。内装の意匠はどうやらどこも同じながら、据えられる設備の配置は明確に異なる。横合いにあったダイニングが上部にあったり、バーカウンターの奥に据えられていたボトル棚がグラス置き場に変わっていたりする。メインデッキを二つ三つ、四つとめぐるうち七瀬は混乱し、それ以降数えるのはやめてしまった。今立っているデッキは、八巡目ほどだったろうか。
ふたつ、船は沈降を続けているが、海底へ降着することはないらしい。窓にぴたり頬をくっつけ外を覗けば、光はらみ揺れる海面は確かに遠ざかってゆくし、眼下の深い闇は近づく。差し込む陽光も徐々に弱まっていくのだが、気がつけばいつの間にか海面近くへと戻っている。まるで昼夜のサイクルを繰り返すように、深度を深めては戻るのだ。七瀬の探索はすでに72時間ほどを数えたが、終着点を見ることはなさそうだ。
そして、みっつ。船内に、七瀬以外の人間の姿は見当たらず、にもかかわらず確実に、ここにはなにかがいる。
「っ……!」
こん、ここんとノックの音。出どころをたどると、窓の向こうだ。魚が鼻先でもぶつけたのだろうか。しかしノック音はこれまで幾度も七瀬の耳へ届いていて、偶然にしては奇妙に過ぎる。まるで深海へといざなわれているかのようだ。
探索のさなか、ぴしゃり、と湿った足音を背後に聞くこともあった。周囲をぱたぱたと走り回るような音も。そんな時は決まって、振り向いた先の床へと濡れた小さな足あとが残されていた。
「…………誰、が」
七瀬の口数は少なくなってゆく。相反して、追い立てられるように進む足は止めぬまま、次第に思考は深まりめぐり始める。
自分はここで死ぬのだろうか。この深き海の底で。どのように死ぬのだろう。いずれ空気が尽き、苦しんで死ぬだろうか。行けども変わらぬ船に狂気へ落とされ、適当な壁にでも頭を打ち付け脳漿を散らすのだろうか。それともあの足音の主に自ら身を捧げ、食い散らかされ果てるのか。
自分が死んだら、
彼
はどう思うだろう。悲しむだろうか。そうであってほしい、と思う。彼がいつまでも覚えていてくれたらいい。悲しんでくれれば嬉しいけれど、いつまでもしょげていて欲しくはないから、適当なところで前を向いて再び歩き出してほしい。
もういちど
、彼なりの歩みで、一歩ずつ。
「!!」
何巡目かも分からないメインデッキで足を止める。ごん、と鈍く窓が鳴った。例のノック音かと思いきや、なにかが窓へぶつかったらしい。
覗き込んで、七瀬はひとつ声を上げて飛び退いた。
人が、ゆらゆらとたゆたっていた。ひとり、ふたり、いや数え切れない。パーティードレスやタキシードを着たそれらは、客船の乗客だろうと想像がつく。
一見して、彼らは事切れている。深い海中に潜水具も身につけず生身だから、というのはそうだ。しかしもっと決定的なことに、彼らはいずれも顔の上半分がなかった。頭頂からぽっかりと開き、内部を喪失していた。
たゆたっていた。ゆらり、ゆらりと。海面を通じ差し込むあたたかな陽光を浴び、実に気持ち良さそうに、ゆらり、ゆらと。事実彼らは失った頭頂部の下、口元にはねじ曲がらんほどの笑みを浮かべていた。
沈みゆく豪華客船から、彼らは望んで脱したのだろうか。そこに棲むなにかへ、自ら捧げたのだろうか。己の精神、魂、思考思索する能力、その源を。
「う……あ」
ノックの音を聞いた。窓の向こう。その主がそこにいた。真っ黒の髪。長い髪、数メートルはあるだろうか。海流の流れにたなびく長い髪。漂いながら、それは小さな両手をひたと窓に添え、七瀬を覗いていた。色素のない肌をした、子どもだった。ぼろぼろの歯を剥いて、七瀬を眺めて笑っていた。ところどころに抜け落ちた歯と歯の間には肉色のなにかが挟まっていた。
「ああ。あああ」
思わず後ずさり、砕けた椅子の破片を踏んで足を取られひっくり返り、慌てて身を起こして窓の外を見やると、そこには青々とした領域が広がるばかり。子どもの姿はなく、
「ああ……」
ぴしゃ。背に届いた足音に、全身を硬直させ、やがて軋ませながら、七瀬は振り返る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月26日
参加申し込みの期限
2023年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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