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AFTER THE RAIN
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傘お持ちじゃないんですか? と彼女は
京極 花音
に言った。
彼女は花屋の常連客だ。花屋は花音のバイト先であり、ゆえに彼女は花音を『お花屋さん』とか『花屋さん』と呼ぶ。
一方で花音は彼女に対し、そんなイージーな呼び方すらもっていない。
すべては、お互い名前すら知らないことに起因しているのだ。
困る。
店ではないから『お客さん』と呼ぶわけにもいかず、『お嬢さん』と呼びかけるような柄でもない。では『お姉さん』は? なんだか変だ。『ねーちゃん』? 絶対無理だ。『お嬢様』? 俺は執事か。(でも彼女の執事にならなりたい気もする) 『ガール』? どんどん現実味がなくなってきた。『あなた』? ……なぜだろう照れてきた。
コンマ数秒のあいだ、花音の脳裏をスパークした思考の電気信号を文字として書き起こせば、ざっとこんなところになるだろうか。
しかし彼女は花音のもやもやに気づく様子もなく、「家あっちなんです」と指で示した。
「私、傘ありますしお送りしましょうか? 途中まででも」
天下無双の方向音痴たる花音でもさすがにわかる。
彼女が指さしている方角は、花音のアパートとは正反対だった。
つまり彼女の提案にうなずけば、どんどん自宅のおんぼろ安アパートから遠ざかることになる。雨がやむ気配がないから帰路はきっと、濡れ狼となって爆走することになるだろう。しかも冷たい冬の雨、風邪を引きそうだ。
だがここでためらって、アイスの当たり棒でもらったアイスがまた当たりとでもいうような僥倖を逃すことはできない。
「お願いするっス。是非!」
力強く花音は応じた。
しかし彼女は、花音の気迫にとくに感じることもなかったようだ。
「ではどうぞ」
ひょいと楽しそうに彼女は傘を上げ、
「どうもっス」
恐縮しいしい花音はその下に収まった。
まさかの二度目の相合傘――!
「前もこんなことありましたよね」
やはり覚えていたようで、彼女もさっそく言った。
「そ、そっスね」
あのとき
は、花音が彼女を傘の内へいざなったのだった。これは親しくなれるチャンスかもと浮かれた花音だったが、ファースト相合傘は短時間にて崩壊、悲しい結末に終わった。大型トラックが盛大に跳ねた水から彼女をかばおうとして、花音は全身に雨水を浴びたのである。変身した花音は物陰に飛び込んで身を隠し、あとはただ、彼女の背を見送るロンリーウルフに甘んじるほかなかった。
「でもたしかあのときお花屋さん、急にいなくなってしまって」
「そ、その節は大変失礼いたしましたっス!」
「いえ、いいんですけど……お花屋さんこそあのとき、本当に傘なしで大丈夫でしたか?」
後日傘を返しに来た彼女に、「急用を思い出して」としどろもどろ説明した苦い思い出も花音にはあった。
「平気平気、平気の平左ってやつでしたっスよ」
実際は平気の平左どころか、音もなく来た道を逆走する涙のサイレント・ムービーだったわけだが、それは言わぬが花だろう。
「平気のヘーザ?」
「あぅ、単なる語呂合わせっス。なんか昔の滑稽本にそんな言い回しがあった気がするっス」
「お花屋さんって物知りなんですね」
「いやまぁ、たまたまっスよ。そういや母がよく言ってましたし」
「お母さんが?」
「あー、まあ、長いこと母には顔見せてねーんスけどね。親不孝っスよ」
母親の話をすることになるなんて思わなかった。だがおかげで少し冷静になれたのも事実だ。花音は心の中で確認する。
今度こそ。今度こそだ。
神の配剤かセカンドチャンス、必ず活(い)かす。活かしてみせる。
負け犬ならぬ負け狼にはならない。挑むべし、獲物に飛びかかる狼の群れ(ウルフパック)のリーダーの気持ちで!
前回は狼化してしまいあっという間に離れ離れになっちまったが……今度こそはできるだけ長く彼女と一緒にいたい。
花音は心の中で吼える。
家と反対方向だろうが何の問題にもなりゃあしねえ! 距離があったっていい。時間がかかってもいい。むしろ嬉しいってもんだ!
牙を研げ爪を磨け。狙え。今日の目標はただひとつッ!
ずっと気になっていた彼女の名前とか、き、聞けるだろうか?
具体的に考えると気後れしてしまうのは、それはもう仕方がない。
緊張するのだ。狼だって。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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