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AFTER THE RAIN
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配車されてきたのは背の高いタクシーだ。ミニバン型、車高があるので乗り降りの際に背をかがめる必要がなく足元も広い。最大七人まで乗れる優れものでもある。運転席と乗客席の距離もあいており、小声で話すには最適といえよう。
驚いたことにタクシーが動き出すと、薄れていたナターシャの体はみるみる色濃くなっていった。血色も同様だ。
タオルハンカチを手渡すと、「助かる」と言って彼女は額をぬぐった。
それはいい。
――でもなんだか、すっごく気まずい。
ナターシャもダウンジャケットを着ていた。だが体が戻ると早々に脱ぎブラウス姿になった。
そのブラウスが雨に濡れたせいで透けているのである。ごく一部ではあるが問題だ。しかも問題のありそうな地点に濡れが集中しているではないか。ナターシャは平気な様子だが、陽太はとしては平気ではいられない。
ナターシャが言った。
「ひとりで行けると思っていた。だが、途中で気が遠くなった。すまない」
でも陽太は、首ごと窓の外に向けたまだ。
「謝らんでください。関わってほしいとナターシャさんが言ったから、オレは素直に関わらせてもらってるだけですよぅ」
「そうか」
ナターシャの口調がやわらぐのがわかった。
頼ってくれて嬉しいと、ここは言っておくべきだろうか。陽太は迷った。ナターシャのことだから『頼る』などという表現は気に食わないかもしれない。
うん、それより、知っておきたいことを優先しよう。
「あの、さっきの現象、ですけども」
「私とあの女とは、共存できないということだ」
はじめはそれほどでもなかった。だが日一日とナターシャは、自分の肉体が薄れていくことに気がついた。移動すれば改善する。だが移動先をまちがえるとより悪化する。
「それって……」
「おそらく、クリス高松に近づくほど問題は解決する。逆に言えば、遠ざかるほど悪化する。問題はこの距離が、毎日わずかずつ小さくなっていることだ」
「ひとつの肉体に戻ろうとしている、ってことでしょうか」
「かもしれない」
結局分裂は一時的なことだったのか、やはりナターシャさんとクリスさんは二人で一人の関係に戻るというのか――陽太はほぞを噛むが、ナターシャの予想はこれにとどまらなかった。
「私は、あの女には逆のことが起こっていると思う。理屈はない。ただ感じるんだ」
「ちょっと待ってください! それって……!」
ああ、とナターシャは言った。
「私が近づくほど、クリスは消滅に近づく」
「
すいません! 降ります!
」
まさか一日にこのセリフを二度も言うことになるとは! 陽太は声を上げていたのである。
タクシーは急停止した。どうして? という顔をする運転手に「急用で」と早口で告げて料金を払うと、陽太はナターシャとタクシーを降りた。幸い高架橋下だったので雨は届いていない。
「陽太、騙すつもりではなかった」
「わかってます。ナターシャさんは、そう予想したってだけのことですよね」
「だがクリスに会うことを決行していたら、取り返しのつかないことになっていたかもしれん。お前が、止めてくれなければ」
うつむくナターシャに、「オレ、確認してきます」と陽太は言った。
「ハローニャックに行って、クリスさんの様子を見てきます。それまでナターシャさんは、苦しくならない位置まで戻ってもらっていいですか? 近づくほどにクリスさんが苦しむのだとすれば、ナターシャさんは離れたほうがいいはずです」
「そうさせてもらう」
では、と言って陽太は、カバンから折りたたみ傘を出して彼女に渡した。
「これ、使ってください。連絡は入れます。行ってきます」
走りだそうとした陽太の背にナターシャが声をかけた。
「待て陽太!」
陽太は足を止める。だが振り向かない。ナターシャの声色に、常にないものを感じたからだ。
「私は弱い人間だ。あいつを消して生き残ろうとした」
「いえ、オレも同じ立場だったら、そう考えたと思います」
「かつては自分が消える気だったのにな……勝手だな」
「勝手じゃないです。生きようとするナターシャさん、前よりずっといいです。だから解決方法を見つけましょう」
「クリスか私か、どちらかしか残れないとしたら。陽太、私は……」
温かいものに陽太はくるまれた。背中から、ナターシャが彼を抱きしめたのだ。
「私を選んでくれとは言えない。でも陽太、私がこの世に残りたい理由だけは、知ってほしい」
雨の音が聞こえる。
ナターシャの息づかいも。
「……もしも二人が、存在したいと願う力が足りないっていうなら」陽太は言った。「オレも強く願います。だから、『どちらかしか』なんて言わないでください」
陽太の体が軽くなった。ナターシャが腕を解いたのだ。
それでも陽太の背中と、胸回りにはナターシャの体温と香りが残った。
陽太はハローニャックの尖塔を目指した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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