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【クリスマス☆green】クリスマスキャロルを聴きながら
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背信の代償
ドレスコードに沿った服を着てエンプレス・ホールに現れた
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は、大人で成熟したカップル――のように傍目には見えていた。
水樹はグリーン系で指し色に黒を使ったミディアム丈のドレス。
ヒューは、ブラウン系のタキシードをカジュアルに着こなしている。
「素敵ね」
「君も」
お互いの服を見て、微笑みを交わし合うふたり。
だがその微笑みはどこかぎこちない。
(今までならここから話が弾むはずなのに)
そうならない。
(私のせい、よね)
水樹の胸は痛んでいた。
きっかけは、もう半年以上前になる。
一人旅で訪れたタイで、水樹は、一人の女性と身体を重ねてしまった
。行きずりの情事。ヒューという最愛の恋人がいるにも関わらず、別の誰かの腕に抱かれた。美人だった。彼女とのことは竜宮城での思い出みたいにおぼろげで、それなのに今も重ねた肌の感触だけは鮮明に覚えている。浮気じゃない、と自分に言い聞かせても、罪悪感はぬぐえず、帰国後しばらくヒューとの間に心のすれ違いが生まれてしまった。
最近は少しずつ関係は修復しつつあるのだが、まだどこか、心が遠くて痛い。
(今年のクリスマスでヒューと出会って2年目……こんな形で迎えたくなかった)
水樹はそっとヒューから視線を逸らす。
自分のせいだし、考えてもしかたないことだけれど。
2年前のクリスマス。
互いに喪失感を抱えていたヒューと水樹は、出会ったその夜から互いの体温で慰め合った。
そうして始まった恋は、変わらぬままに続くものだと思っていた。
少なくともヒューは。
(それが……)
視線を逸らした水樹を見て、ヒューも彼女から窓の外へ視線を向ける。
(今日は二人が出会ったクリスマスだ。それなのにまるで心が弾まない)
ヒューは彼女からの告白を受け入れ、彼女の罪をゆるした。
ただ、その傷口がふさがるには、もう少し時間がかかるのかもしれない。
否――、本当に傷口は塞がるのだろうか。
(僕たちの心は、もう完全に冷え切ってしまったのでは?)
彼女が視線を逸らすから。なかったことにはできないから。
ヒューの心に刺さった棘は、時折、そんな疑念を植え付けてくる。
(でも僕にとっては彼女は大切な存在だ。ただ、その距離感をどう取るべきか──一番傷ついている彼女とどう接すればいいのか、全然わからない……)
幾度、視線を逸らそうとも、ヒューはまた水樹を見てしまうのだ。
「なに……?」
水樹はヒューを見上げて、少しだけ口の端を上げようとした。上手にできたかは分からないけれど。
「ううん、なんでも」
ヒューは僅かに瞼を伏せて、言葉少なに答える。
(ヒュー……私を見る視線は相変わらず優しい。その優しさが今の私にはつらいの)
全て自業自得だとは分かっているけれど。
そう思うと水樹は、次に何を話していいか分からなくなってしまった。
ヒューもまた、水樹の思いつめた表情を見ると、何も言えなくなってしまう。
そこから二人はまた、黙り込んでしまった。
こんなことになる前は、次から次へと会話が弾んで、夜が短く思えていたのに。
今ではどうやって話せばいいのか思い出せず、一秒すらも長く感じる。
◇
そして今、ヒューと水樹はナイトプールにいる。
ここでも二人は無言なままだった。
ふたりで並んで、プールサイドのデッキに横たわりながら、東京湾のイルミネーションの輝きと、その輝きを映して揺らめくプールの水面を見つめている。
パーティーの間、何をしていたかはよく覚えていなかった。フランス料理のディナーをとったとか、フリースペースで踊ったとか……周りのカップルと同じようなことをした気がする。でもまるで、水の中でみる幻影のようで、現実感がなくて……。
(もう限界なのかな、やはり裏切ったことはどうしてもぬぐえないのかな……)
水樹は唇を噛む。
(結局、自分が許せない……)
背信の代償は水樹の心に重く圧し掛かっていた。ヒューとの関係を修復しきれないのは、水樹が自分をどうしても許せないからだ。ヒューのことを大切に思っていたはずなのに、どうして私はあのとき――。
タイの海の暑さと、照り付ける太陽を反射して白くうろこ状に輝く水面がちらつく。
汗で濡れて冷えた彼女の肌の、吸い付くような感触が。
「ヒュー」
目の前にヒューがいるのに、あの日の裏切りがフラッシュバックする。
ヒューはいつだって優しい眼差しで、私のことを見つめてくれているのに。
ああ、だからこそ、辛いのだ。
「ヒュー」
水樹はもう一度名を呼んだ。震える声で。
ヒューは肩肘で支えて、半身を起こした。
「どうしたの、水樹。言いたいことがあるなら言ってほしい」
「2年前、私たちは傷ついたままで出会って、慰め合うような形から恋が始まった。それからずっと私はあなたとの恋をずっと大切にしてきた。そのつもりだった……」
「水樹」
「でも、でも私……私は、こんなこと、何度言っても事実は覆らないけど、私はあなたを裏切った」
「水樹、それはもう」
「ごめんなさい、なんて安っぽい言葉で許されるなんて思ってない」
水樹の息が荒くなっていく。頬も自分への怒りで紅潮し、しきりにかぶりを振っている。
「でも、でも、本当にこれしか言えないの……ごめんなさいって……」
水樹は両手で顔を覆った。
肩が震えている。
居たたまれないくらいに傷ついた蝶みたいに。
「水樹、僕は」
僕は――……。
言葉にならない。
傷ついていないと言ったら嘘になる。
なかったことに出来るほど、人間が出来ているわけでもない。
けれど今、目の前で傷つき悲しんでいる水樹を、裏切り者と断罪して見捨てる気にはどうしてもなれない。
ヒューはそっと水樹の髪に手を伸ばす。
「かんたんに謝罪を受け入れる、と言えない。けれど……僕たちは、傷を抱えたままでも、共にいることは出来ないだろうか。それとも君は、もう、僕には冷めてしまった……?」
髪に触れる。少し濡れて、ゆるりと肩を覆う髪に。幾度、この髪に口づけただろう。
ヒューは優しい手で水樹の髪をそっと撫でた。
水樹は顔をあげた。
泣いていた。
ヒューは一瞬たじろぐ。
あまりに綺麗だったから。
水樹は息を呑むヒューの頬を両手で挟み、顔を近づける。
「ねえ、キスして……そしてあの時のように……私を抱いて」
水樹からの不意打ちに近いキスを、ヒューは受け入れた。
私を抱いて――彼女からの懇願に承諾の返事をする代わりに、ヒューは水樹とのキスを深めた。
◇
翌朝。
ヒューの傍らには一糸まとわぬ水樹が眠っていた。
「水樹……」
そっと名を呼ぶ。泣き疲れたのか、彼女は起きない。
水樹の頬には、涙の跡が白く筋になっている。
ヒューはその筋を、そっと指でなぞった。
「水樹、僕は、君が……」
涙の跡に、儀式みたいに口づける。
完全に関係が修復するには、まだもう少しかかるのかもしれない。
けれど、糸は切れてはいない。
ヒューはそう感じていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
34人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月31日
参加申し込みの期限
2023年08月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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