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翼求エレベーティング
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【影】
晴れた日の午後だった。本当に深く晴れていた。目の覚めるような青がどこまでも広がり、いささかの肌寒さもまぶしいばかりの陽光に追いやられ、地にこもったほのかな熱が初冬の寝子島をあたためていた。
稲積 柚春
の心も晴れ渡る。
「ワット、今日はどこへ行こうか」
「そうだねぇ。なんだか甘い物が食べたい気分。かなぁ?」
「! 僕もそう思ってた!」
「向こうのビルに入ってるカフェね、レモンケーキが美味しいって話でねぇ。気になってたんだよねぇ。いく?」
「いく!」
弾む足取りはなにもこの陽気がためばかりではあるまい。
ウォルター・B
の隣を歩む幸福を柚春は噛みしめる。今日も彼は不敵に笑みを浮かべ、何はばかることなく、敵なしといったたたずまいだ。いついかなる時も己を曲げず、マイペースを貫く彼の生き方を柚春は好もしく思う。
「そういえば、この前仕上げた
ぬいぐるみ
の服。ちゃんと着せてあげたんだよ」
「ああ、なんだか僕に似てる、豹の子ね。ぬい活? だっけ、豹くんは連れて歩かないのかい。カプセルギアみたいに」
「
bop
は特別! でも、あの子にもいろんな景色を見せてあげられたらいいかもね。ワットといっしょに」
歩みも弾むし、会話も弾む。
柚春はウォルターへ告白した。つい先月のことだ。思いのたけ、心をさらけだし、真っすぐに伝えた。返ってきた言葉はぬくもりにあふれ、柚春の胸を今日の日差しのようにあたためてくれたものだ。はっきりと交際の証をくれたわけではないし、冷静に思えば現状維持と言えなくもない。それでも彼の心を伝えてくれた。立場や時の隔たりは小さくないにも関わらず、精いっぱいに真摯に誠実に、彼の胸の内を明かしてくれた。
以来柚春は、天にも昇らんと浮足立っている。今日のデートも、幸せの真っただ中。朝から胸が躍って仕方がない。彼といっしょにどこへ行こうか? なにをしようか? 彼と過ごす楽しみ方がいくつも、何百とおりと浮かぶのだ。
それでいてウォルターの落ち着きようはやはり、人目はばかる彼の立場によるものか。無論柚春だって、彼に自分のため、天職ともいえる教師の職を辞してほしいなどとは思わない。恋人として相応に見て欲しいと求めながらも、わきまえているつもりだ。だから彼の冷静には理解が及ぶのだが、
「むう」
「ん~? どうしたの、稲積」
「ワット。今日は休日だよね?」
「ああ。そうだねぇ……柚春」
この余裕をどうにか、引っぺがしてやりたくなる。もっとのめり込ませてやりたくなる。自分はこんなにもどきどきしているというのに、ずるいではないか。
「いつか、たまらなくさせてやるんだから」
聞くところによればどうやら、彼は女性の尻に魅力を感じてやまないらしい。もっとヒップアップに力を入れるべきだろうか。
むむむと眉を寄せて彼を誘惑するあの手この手へ思考を巡らせながら、ウォルターの先導で目的のビルへ入る。エレベーターに乗り上階へ。
「……あれ?」
唐突な暗転を経て、柚春の世界は一変した。
赤い空が柚春の目を打った。斜陽の茜色にしては禍々しく鮮やかなほどに赤く、雲のひとつも浮かばない、不気味なまでに滑らかな空だった。
「僕たち、エレベーターに乗ってたんじゃ……」
「乗ってるじゃない。柚春はおかしなことを言うんだねぇ」
「でも、ワット」
かたわらに異変を感じたのはその時だ。
肩口から回され、柚春の胸元をまさぐる卑猥な手つきも尋常な彼のものとは思えないが、それ以上に虚ろな瞳が違和感を誘った。
「ワッ……ウォルターさん?」
「なんだい? 柚春」
彼は……誰だ?
エレベーターのカゴは鉄格子の壁となり、奇怪な赤い空の剣呑な輝きを直に通す。頼りなげなロープが巻き上げられるたび滑車は軋み、小さくない振動が足元を震わせ柚春の不安をかきたてた。
彼は。ウォルターは隣に立っていた、暗転の前と変わらずに。今日おろしたてというジャケットにカラーシャツ、スラックスもそのままだし、さらりと風になびくレモンイエローの髪も変わらぬ明るさだ。しかし柚春を舐めるように見回す青い瞳はどこか違って見えた。瞳は思いのほかその人の内面を映し出すものだ。柚春の不審が確実を増したのもそれがためだろう。
目を細め、ニヤけた彼を見つめる。どこが、どのようにと断ずることはできない。それでも彼は、彼ではないように思われた。
「ウォルターさん。この手はなに?」
「なにって、なにがぁ」
「僕のお尻をなぞってる、この手だよ」
「いいじゃない。僕らおたがい、両想いなんだからさぁ」
ぴくりと柚春の肩が跳ねた。
彼は知っているだろうか。たがいに想い合うこと、その証を求めるのに、柚春がどれほど腐心したか。彼は、理解しているだろうか。
「……ウォルターさん」
「なんだい? 柚春」
「ワットは無事なの?」
「君のワットは、ここにいるけどねぇ」
「違う! 違う……」
彼であって彼でない、彼のニセモノを柚春は、ワットではなくウォルターさんとして分かつことにした。見てくれなど些細なことだ。人は内面で語られるべきだと心に言い聞かせた。
「ま、無事といえば無事だけどねぇ、今のところ」
「どういう……あっ」
そこで、気が付いた。エレベーターには階数を示すランプが点灯している。そこへはめこまれたモニターの中に、見知った顔がふたつ、並んでいた。
ひとつは、ワット。見間違えようはずもない。目の前のまがい物とは違う、本物の彼だ。
そしてもうひとつは、淫靡な面持ちで彼を流し見ながらしなだれかかる、柚春自身の顔だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月14日
参加申し込みの期限
2023年07月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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