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ペキッと小さな音が聞こえた。鉛筆が折れる程度の音だ。もっと小さいかもしれない。
だが重大な音だった。ラッセルは理解している。
右の翼間接を痛めた。
マジーな。やっちまった。骨、折れたかも。
自然界のフクロウであれば、本能的に体の限界を知っている。だから無意識のうちに制限を課し、どんなに必死でも無理な動きをすることはないだろう。だが鳥の体に人間の意思というアンバランスな存在の自分は、やすやすとリミットを越えてしまう。
もう飛べない。鳥類だけが知る絶妙のバランスは崩壊し、ラッセルの体はきりきり舞いで落下していく。
前にもこんなことあったよな。
落下していく恐怖よりも翼の痛みよりも、ラッセルが強く感じたのは既視感(デジャブ)だった。
そう。あったんだ。前にも。
懐かしい感覚だ。
いつの間にやら変身が解け、元の姿でまたお姫様抱っこ
されている
となればさらに懐かしい。
晴月が宙に静止していた。ラッセルを横抱きにして。
「ラッセル」
と呼びかける晴月は、気まずい思いがあるのか視線をそらせようとする。
だからラッセルは上半身をひねって、晴月のまなざしをしっかりとらえようとした。
こころみは成功だ。目と目があった。
エメラルドグリーンの瞳、マジ綺麗だよなとラッセルは想う。
「よう晴月、また会えたな」
二本指を立ててピッと前に出す。キザな仕草かもしれないが、晴月の笑顔を見るためなら何だってやるつもりだ。
実際、わずかだが晴月の口元がゆるんだのをラッセルは見逃さなかった。
ビルの屋上に晴月は着地した。
「会いたかった」
ラッセルが呼びかけると晴月は、また顔を隠して浮き上がった。あっという間に数メートルの高さだ。
「待て、待ってくれって! 晴月は俺と会いたくなかったのか!?」
「そ……」と一言告げて晴月が舞い戻ってくる。「そんなこと、ないよ!」
だけどやはりラッセルのことをまともに見られない様子で、そっぽを向いたまま晴月は手を伸ばした。
伸ばした手に何か持っている。
「これ、届いた」
折りたたんだ紙だ。黄色く変色しているがスケッチブックをやぶりとったものだとわかる。
まさかと思ってラッセルは受け取りひらいてみた。
「やっぱり!」
いつかの秋の日、河川敷で
ラッセルが描いたスケッチ
だった。晴月が描きこまれている。ラッセルの旧友、海道千里の姿もある。
「ごめん」ぽつりと晴月が言った。「あの日、ラッセルに怪我させて」
ハロウィン☆デイズのとき、暴走しかけた晴月を止めるべく鳥から人間に戻ったラッセルは高所から落下したのだった。
「ちがうちがう、俺が勝手にやったんだよ。それにあれは事故だ。軽傷で済んだし、晴月は気にしねーでいい!」
「でも私、悪者だから」
「悪者じゃないよ。変なこと言うよな……なんかあったのか? 話してくれ」
晴月は今夜のできごとをラッセルに話した。とはいっても女の子がおじさんに武器(?)で襲いかかっただの、その男性が謎の怪物に変身をはじめただの、直接目撃していないラッセルにはどうにもイメージしにくい内容なのは事実だった。
それでもまったくのちんぷんかんぷんではない。女の子もおじさんも、ラッセルや晴月同様に超常能力の持ち主のようだ。
両者がなんらかの理由で戦いになって、そこに晴月が首つっこんだって感じか。
「私、悪者こらしめようと思った。でもそんな私こそ悪者だって、女の子が言ったよ」
そっか。
やっぱり、前カトーとかいう男にだまされた反動で、悪人を根絶したいとか考えてんのか。
でもたしかに晴月が全力をふるったら、だいぶヤベーことになるだろうな。
晴月の言葉に直接こたえず、ラッセルは質問することにした。
「なあ晴月、晴月は俺が誰かにブン殴られたらどうする?」
「そいつ吹っ飛ばす!」
頼もしい答えだ。だが確実に、ヤバい。
「ま、やったらやり返したくなんのもわかる。でもそれって連鎖するんだ。吹っ飛ばされたやつはまた恨んで、仕返しされたら俺もまた恨んで、って感じでな。無責任かもだけど俺は負の連鎖に晴月が関わってほしくねぇ。誰かに恨まれてほしくねーよ」
「でも」
ここが説得のしどころだ。ラッセルは身を乗り出した。
「俺さー、思ってたんだけど。晴月、学校とか人間の勉強してみないか? 知らねぇことが即『悪者』につながるとは言わんけど、少なくとも知識を得ることは『いい者』っていうか、善につながる道だとは思うんだ」
「私、図書館で本読むよ。映画も観てるよ」
「それはもちろんいいことだけど、ほら、風の精の先輩とか、晴月の仲間みたいな教えてくれるヤツっていないか?」
「いないよ。私、独り」
晴月の表情に影がさした。『ひとり』という発音がはっきり『独り』と解釈できるほどに。
あー、そうなのかー。閉じこめられるの嫌って言ってたから精霊の組織とかあるのかと思ったんだけど。もしかして『巌窟王』の話とか読むか観るかした影響だったのかも。
ならこの手しかないだろう。ラッセルは提案する。
「だったら俺と勉強しよう。俺もさ、春になったら大学に勉強しに行くんだ。マタ大の美術学科ってとこでさ。知らないこと教えてもらうんだ。まぁまだ『その予定』って希望の段階だけど、かなえてみせる! それでさ、ひとりで勉強って嫌になるけどふたりなら心強くねーか?」
「本当!?」
晴月が目を輝かせた。
「おう」
「ラッセルと勉強したら悪者じゃなくなる?」
面と向かって訊かれると自信はないが、ここで躊躇するわけにはいかない。
「そのはずだ!」
「ならする!」
「よっし! 約束だぞ」自分はいま、この一ヶ月で最高の笑みをしているとラッセルは思った。
「キスもする?」
「
ええっ!?
」寝耳に水どころかバケツ氷水みたいな飛躍だ。
「約束するときってキスするんじゃないの?」言った本人はきょとんとするばかりである。
「いやそれはちがうと思うっ! ていうかその知識どこから!?」
「きのう歌の歌詞で見た」
「けしからん歌詞だな! じゃなくて、そういうまちがいも勉強して直していこう」
って、言っておいてなんだけど――ラッセルは思った。
うっかり勢いで「キスもする?」の問いに「する!」と口を滑らせてたらどーなったんだろう。
なんて考えるのはやっぱりけしからん!
でもほっとした。ちょっとギクシャクしてたのがすっかり元通りになったから。
「俺たちの場合、約束は指切りげんまんってやるんだ」
ラッセルは右手を握って小指だけ立てた。
「同じようにして。……そう、そんな感じだ」
ラッセルと晴月は小指同士をからめる。思い当たるところがあったのか晴月は「これ知ってる!」と言った。
「嘘ついたら剣山を飲み込まされるの!」
「いやそれ微妙にちがうぞ」
指切りげんまんと言いながら、教えなきゃいけないこと多そうだとラッセルは思った。先が思いやられる。
でも責任重大だ。
晴月って長生きか短命か、どっちにしろ人とはちがう寿命じゃねぇかな。
もし長いとすれば、この先俺がいなくなってもやってけるようにしてあげたい。
心の支え――ってのはは言い過ぎかもだけど、なれっかな。
でも俺、約束したからな。
晴月の顔みたら止めるわけにはいかねーって思うし。
あと、剣山くらわされるわけにもいかねーし!
「じゃあね」
約束が終わると、晴月はふわりと浮き上がった。
「私、またラッセルに会いにくるよ」
笑顔で言い残して。
「あっ、待って最後に」
とりま近いうちに、冬服買いに行かないかとラッセルは提案した。
晴月がいつも着ているワンピースはいつの間にか新品(?)になっていたが、重ねているのがカーディガンひとつでは、寒そうなのはあいかわらずだったから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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