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fork in the road
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公園ダッシュからはじまった今日のまゆはそこからもハイパーだった。寂しい冬景色なにするものぞと、力の限り運動を楽しんだのである。もちろん竜司にもつきあわせる。
「冬はどうしても運動不足になるから」
と言ってアスレチックに挑んだ。飛び石を飛んだりロープをつたったり、高い足場からネットに飛び降りたり。健康器具にも果敢に挑み、鉄棒によじ登って懸垂し逆上がりからついに大車輪を披露した。ラストは存分にぐるぐる回って砂場に着地し、美しいY文字のフィニッシュを決めたのである。
「すごいです!」
竜司はおしみない賞賛の喝采を送った。
「サンキュ。ていうか大車輪なんてやるのひょっとしたら学生以来かもだわ」
「まゆ先生、今日は一段とエネルギッシュですね」
「そーよ」得意げに言う。「歳も歳だしこっから先は衰えるばかりだからね」
「衰えなんて」
果たしてそんな日がくるのだろうかと竜司は思う。初対面のあの日からずっとまゆは元気で愛らしくて、むしろ日を追うごとにまぶしくなっていくような気すらするのに。
最初は、ただ見た目が幼くて好みだから、というだけの理由だった。
それだけで『好きです』『結婚してください』とか言いまくってたよな。
考えてみれば失礼このうえない一方的な主張だったし、もしそのときオーケーだなんて言われたら、あのころの自分は発言に責任が取れたのかと怖くも思ったりする。
でも今はちがう。
俺がまゆ先生を好きなのは、まゆ先生がまゆ先生だからだと言い切れる。
まだ大学生だがもう大人だ。今なら責任をもって告白できる。
急に竜司が黙ったことに気づかず、まゆはふと空を見上げて言った。
「暗くなってきたね。冬至が近いせいか日の暮れるのの早いこと」
すでに空はペールブルーだ。黒く塗り替えられるのも間もなくだろう。
「帰ろうか」まゆは歩き出した。
時は来た。タイミングもいい。竜司は提案する。
「だったら先生、海辺の夜景、眺めて帰りませんか」
すぐそこですし、と南を指した。
海沿いの道をゆく。
寒い。他に通行人の姿もない。
だが澄んだ空気のおかげで、夜景はこれ以上ないほど楽しめた。
日中ずっと薄曇りだったというのに、見えないカーテンがあがったかのように星がまたたいていた。静かな水平線を客船が横切る。信号でも送っているかのように、赤、白、青と明滅を繰り返している。かすかな海風は潮の香りを運んでくれた。
目を転じればシーサイドタウンのイルミネーションを望むことができた。光さす方角へ、竜司はまゆと並んで歩いているのだった。
「どしたの急に?」
お腹でも痛いの? といった口調でまゆは足を止めた。
竜司がその場に片膝をついたからだ。
見上げる竜司の視界には、ジャージ姿のまゆがいる。イルミネーションを背負って。
俺の愛しの姫君。
唾を飲みこむとジャージのポケットから、竜司はベルベット加工の小箱を取り出したのだ。鮮紅、形はほぼ立方体だ。捧げもって蓋を開く。
もちろん中身は指輪だった。大学に合格してから九ヶ月、一生懸命アルバイトして飲み食いも節約し、幼少期からの預金もはたいて買ったダイヤモンドである。
「え、なに、マジ?」
と言ったきりまゆは言葉を失った。
これまで何度もやってきたおちゃらけ半分の告白やプロポーズじゃない。
一世一代、これが最後の告白だ。
竜司の手は緊張で震えている。
「まゆ先生……いえ、
相原まゆさん。貴女の事が世界一大好きです。必ず貴女の事を幸せにしてみせます。だから、どうか俺と結婚を前提にお付き合いしてください!
」
とちらずに一気に言えた。声がだんだん大きくなり、最後は叫ぶような調子になってしまったがそれすら、竜司の気持ちを表現するのに最適の方法だったといえよう。
まゆは黙って二度ほどまばたきした。何秒かたってやっと、
「本気、だよね」
かすれ気味の声で言った。
「俺は、真剣です。だからまゆさんも真剣に答えてください」
言い切った。あとは待つだけだ。
さらに長い沈黙があった。
「あたしは」
小声だったが、音のないこの空間でまゆの声ははっきりと聞き取れた。
「ホントはね、繊細なひとのほうが好き」
終わった。竜司の肩に力が入った。泣くまい。泣くのは家に帰ってからと決めている。
でもまゆの言葉にはつづきがあった。
「……でもさ、竜司君とこないだブライダルフェア行ったじゃない? あのとき最後、ふっと竜司君の心にふれたみたいな感覚、あったんだ。この子って実際は、お調子者の仮面の下に、なんていうかやわらかくて、傷つきやすい心を隠してるんだって気づいた気がした」
まゆも両膝を折って竜司と目線を合わせた。
「やっとわかった……そんな竜司君にこんなに長く想われつづけてて……あたし幸せ者だよ。何百回も告白されてきたのにノーって言いつづけてけてきた贅沢者だよ」
まゆは、涙ぐんでいた。
「だから初めて言わせて、
イエスって
。こんな年上でよかったら、喜んで!」
竜司とおなじく震える手で指輪を受け取り、まゆは自分の左薬指に通したのだ。
「似合う?」
笑った。
「最高に!」
竜司も笑った。
――『fork in the road』 了
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。桂木京介です。
もう十二月なので、分かれ道を進むことを選ぶというアクションを多くいただけたと思っています。
でも迷う方のアクションも、進んだその後をお話ししてくれるかたのアクションもすべて愛おしいです。
どの方もまちがいなく、練りに練ったアクションという印象を受けました。プロとしてできるだけ気持ちにこたえたく、力一杯執筆しました。最初のページから最後のページまで、リアクションを描くことができて幸運だったと思います!
例によってリアクションはほぼ時間軸通りに構成していますが、都合で入れ替えた部分もありますのでご了承ください。
あらたなシナリオでの再会をお待ち申し上げております。
桂木京介でした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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