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水の流れる音がしている。
紅と真白は河原に並んで腰かけていた。
気温は氷点下のはずだが、興奮状態だからか寒さは感じなかった。
真白はあらためて、よく知っているはずだが知らない少女に問いかける。
「紅ちゃん、だよね?」
「そうだけど、真白の言っているのとはちがう。あたしはこの子のなかの『もうひとり』。生まれてからずっといっしょだったけどずっとかくれていたのに、この子が『EAB』だかに入れられたショックで目がさめた。真白の家にイソウロウしていたのも、そのほとんどはあたし」
かつて引きこもりだった紅美は、自立支援名目のNPO団体『EAB』が経営する施設に押し込められていた時期がある。自立支援とは名ばかりで、EABは利潤を追求する極悪団体だった。引きこもりを部屋から引き出すという触れ込みで、引き出した人間を人質のように扱い家族に金銭を請求するのである。施設もまったく自由のない強制収容所のような状態だったという。この環境下で紅美本来の自我は崩壊し、もうひとりの紅美と入れ替わったのだ。
その後紅美は立ち直り元に戻りかけたが、そのたび外部から働きかけがあって『彼女』が顔をのぞかせるようになり現在に至っている。
「いろいろあってね。最近ではもう、あたしはこの子の一部だよ」
私が知りたいのは、と真白は訊ねた。
「どうして紅ちゃんが深夜に抜け出しているのか、ってこと。ただ散歩を楽しんでるんじゃないよね?」
すると真白はごくあっさりと、当たり前のことのように答えた。
「世直し」
「世直し?」
「うん、この子がもってる『げんざいいしき』……ってなんて言うんだっけ」
「罪悪感?」
過去、紅美は寂しさのあまり出会い系サイトに手を出し、大人の男性に心の傷を負わされた。その後はトラップをしかけ、小学生に手を出そうとするゲスな男を袋だたきにする側に回った。ぬぐいされぬ過去であり、紅美の精神を不安定にする原体験だった。
「そう、それ。『ざいあくかん」をへらすためにがんばってる」
紅美は自分の活動を明かした。ゴミの不法投棄をしている連中に警告を与え、禁止区域に駐車している車両に破壊活動を行っているあいだはまだよかった。やがて紅美の活動は、法で裁かれぬ犯罪者を追い制裁するという段階に進みつつあったようだ。
「ぜんぶ、この子がのぞんだことだよ。せいぎのみかたになりたいんだよ、この子は。『悪者』がのうのうとのさばるのをゆるせないんだよ。あたしはそれをかわりにやってるだけ」
「ちがうと思う」
しかし真白はきっぱりと否定した。
「それって紅ちゃんがやらなきゃいけないことじゃないんじゃないかな? 私の知ってる紅ちゃんはツンケンしてるけど他人のことを考えられる優しい子だし、この先の自分の未来のことも考えれる賢い子だよ。そんな紅ちゃんだから私は大好きだし大切に思ってる。正義の名のもとに衝動をぶつける相手を、傷つけてもいい相手を探すのは紅ちゃんの本意じゃないよ」
そんなことやりたがっているのは、と真白は言った。
「いま私が話しているほうの『紅ちゃん』でしょ?」
「真白だったら!」
紅美はぱっと立ち指を真白につきつけた。
「あたしのこと応えんしてくれると思ってた! あたしの好きな真白なら!」
もう片方の手にはアイスピックを握っている。返答によっては――というメッセージに見えた。
しかし紅美が激高するのに反比例するように、自分が冷静になっていくのを真白は知った。
声は荒げない。立ったりもしない。
ただ紅美を見上げて真白は言ったのである。
「大丈夫、私はどんな紅ちゃんだって受け止めるよ。紅ちゃんにそういう攻撃的な一面があることも、そんな自分が嫌だって思ってることも知ってる。でもね、だからこそ、私はこれ以上紅ちゃんに自分を嫌いになってほしくないんだ。他人を傷つければ傷つけるほど、紅ちゃんは同じくらい傷つく子だから」
「真白はわかってない! この子はね、もっとずっとドス黒い子だよ! たとえばあたしがここで真白を、このアイスピックでつきさしてあげたっていいんだからね!」
真白は微笑した。「いいよ」と言う。
「怒りを抑えられないなら私にぶつけてくれてもいいんだよ。私、紅ちゃんのこと大好きだからね、なんだって受け止めてあげるよ」
それにMっ気あるし、とぼそっとつけ加えた。
「キモいんだよそういうの!」
紅美はアイスピックを真白の眼前につきつけた。
真白は避けない。身をかばうことすらしない。針のような切っ先を見つめるだけだ。
針先はぴたりと静止していた。それ以上、一センチすら真白に近づくことはなかった。
アイスピックが紅美の手から滑り落ちた。行き着く先は夜の闇で見えなかったが、水音が立つのを真白は聞いた。
「この夢おかしくね?」
紅美が言った。まぶたは半分とじかけている。大あくびして言った。
「寒いっておかしくね? 夢なのにさー」
夢じゃないよと言うかわりに、立ち上がって真白は紅美の体を抱きとめた。
「おかしいね。じゃ、そろそろお布団に帰ろうか?」
どうやって帰るかには、少々頭をつかう必要があろうけども。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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