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◆墓前にて
大田原 いいな
は、呟くように言う。
「父さん、また来たのじゃ」
応える声は一つとしてなく。代わりにあるのは、『大田原家』と記されたお墓。
だが、その墓石は汚れてしまっている。
「墓石の汚れは今取るからの」
右手に持っていたバケツを下ろし、濡らした雑巾で墓石の汚れを丁寧に拭き取っていく。
水の冷たさと、墓石の冷たさ。
二つの冷たさが心にも染みてくるような錯覚。
眠る父親から、温もりが消え失せてしまったことを執拗に突きつけてくるような。
あらかた拭き終えたなら、
「今日は父の日じゃ」
鞄から取り出した線香と白薔薇。そして、
「父さんの好きな商店街のあの店の大福じゃ」
大福を一つ供える。
手を合わせ、それからもう一つ同じ大福を出して、
「儂もここでご相伴するから安心するのじゃ」
墓石の下の父親に、笑いかける。
応える声も、笑顔も。そこにはない。
「父ちゃん母ちゃん、やってきましたよっと」
水汲み桶をどかっと墓前に置く
宇佐見 望月
。
いいなが行くからということで、彼も両親の墓参りに来ていた。
「兄ちゃんの所には、いーなが墓参りしてるからなー」
そう言って、思い出したのは兄が滑落死する前によこした手紙。
『ボクが死ぬようなことがあったら、墓が荒らされるかも知れないから、母さんの実家の墓に入れて欲しいな、うん。』
何故、兄がそんなものをよこしたのか。その理由はわからない。
ただ、その手紙通りに宇佐見家の墓は荒らされた。
それも、墓石に兄の名前を入れた直後に。
そのせいで、望月の母親は持病の心臓病を悪くしてしまった。
そんな母親を護るように頑張った父親は、無理がたたったのだろう。
同じ時期に死んでしまった。
「……父ちゃん。俺も同じように、惚れた女を護り通せる男になれっかな?」
ポツリと呟いたその言葉に、当然否定も肯定も返ってはこない。
墓掃除をする手を動かしながら、望月は考える。
いつかの夕暮れに、兄には色々と伝えることができた。
でも、父親と母親には何一つ伝えられていない。
だからと言うわけではないけれど、
「いーなも俺も元気で高校生やってるから、安心してくれ」
眠る二人に笑いかける。
しっかり生きていることを伝えられるように、墓地にはいささか似つかわしくない、大きく力強い声で。
「っと、掃除終わり、いーなの所に合流するか!」
大福片手に墓前に立っていたいいなに、後ろから声がかけられる。
「おーう、いーな」
振り向かずとも、声でそれが望月だとわかった。
「あ、叔父貴……じい様とばあ様の墓参りは終わったのかや?」
「ああ。兄ちゃんの好物供え終わったか?」
「ついさっき、供えたところじゃ」
白薔薇と大福に挟まれた線香の煙がくゆる。
その様子を見つめていると、いいなの頭の中にいくつかの思考が沸き始める。
(じい様とばあ様には、感謝してもしきれないのじゃ)
感謝と同時に、申し訳なさ。
(ばあ様の、持病を、悪くさせるようなことになってしもうて……)
それから、疑念。
「……何故、父さんは自分が死ぬようなことがあったら、自分の墓が荒らされるって思っておったのじゃろうか?」
風が吹き、線香の煙がたなびく。
「やはり父さんの死は、あ奴の……義父の仕業でもあるのじゃろうか?」
「そんなこと言うんじゃねえ、いーな」
いいなの目を見据え、望月は言う。
「人を恨んだらその分自分が惨めになるだけだ」
だから、
「お前はお前らしく生きてろ、いーな!」
らしくない生き方なんて、きっと兄たちだって望んでいない。勿論望月自身も。
その言葉に、いいなはハッとした表情を浮かべ。
ゆっくりと頷いた。
「…うむ、叔父貴の言う通りじゃ。分からぬ事を分からぬ者同士で考えるだけ、時間の無駄というものじゃて」
他にもっと大事なことは、それこそいくらでもある。
(儂は元気じゃ。叔父貴もいる寝子高で、楽しくアホらしく過ごせておる。ともだちも先生殿も特別扱いすることなく、過ごせておるのじゃ)
「やはり、儂にはこの島が一番のようじゃ」
この日々が、出来る限り長く続くことを祈る。
その為にも、仇敵が戻る場所を護らなければならない。
「そりゃあ良かった」
ニカッと笑う望月。
その心のなかでは。
今のいいなの表情と、母親を護っていた父親の表情がどこか似ているように見えていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
28人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月13日
参加申し込みの期限
2013年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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