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仲良くなりたい、その11
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ブラックウッド邸へ訪れるとき、
稲積 柚春
にはいつも口実がある。
料理を味見してほしいとか、勉強をしたいとか、片付けを手伝いたいだとか。その多くは
ウォルター・B
と関係があるようで、実際に彼の名を出したり彼と直接約束を取り付けることは少ない。
そりゃあ会えないよりも会えた方が良い。けれど、彼は『先生』だ。いくら制服を脱いだところで、『生徒』が理由も無く訪れて良い場所ではないことを、柚春は理解していた。
恋い慕う人の元へと近寄りたくても、ただ会いに来ただけと言わせてくれないことなんて、わかっている。
だから、できるだけ彼の迷惑にならないようにと理由を探してきたのだ。
――つい、この間までは。
今日、ブラックウッド邸へ訪れた柚春に、変な口実はなかった。
素直にウォルターへ「会いたい」と伝えて、まったりお家デートを過ごしている、のだけど。
「……ワット、それ何?」
「ええ? どう見たってハッピィとチャーミィじゃないか」
先日2人で訪れた、巨大テーマパークである夢の国ニャンド。その思い出を振り返りながら、アルバム作りをしているのだが、どうにもウォルターには絵心はなかった。
写真の隙間に猫のマスコットキャラクターを描いたと言い張るそこには、兎のように長い耳……いや、これはチャーミィのリボンだろうか? とにかく長い何かがそびえ立っていて、とても元のキャラクターに見えない。
困惑している柚春のため、ウォルターは絵の下にキャラクターの名前を書き足したけれど、文字の達筆さと絵の奇怪さのアンバランスな風合いが、なんとも名状しがたい雰囲気を醸し出している。
「まあこれも、アルバムの楽しさだよね」
「そうそう。可愛くしたいなら、シールでも貼ればいいんだからねぇ」
写真を切って、書き込みをして。途中で手を止めては話に花を咲かせた。
メルヘンな可愛い建物も、ワクワクする楽しいショーも。スリルのあるアトラクションから、恋愛にまつわるジンクスまで。屈指のデートスポットとして名高い、夢の国と呼ばれるテーマパークを2人で満喫したこと。
……それから。
「うん?」
彼の左耳を彩るのは、柚春の瞳色のピアス。そして柚春の右耳には、ウォルターの瞳色のピアス。
写真の中と同じように、今日も互いに贈り合ったアクセサリーを身につけている。
「夢みたいだなって」
着けている色や場所に意味を込めているのは、きっと柚春だけなのだろうけど。
彼は仕事中には着けているわけではなさそうだし、今日だって会う約束をしていたからなのだろうけど。
「夢じゃなかった……よね?」
デートの帰りに立ち寄った児童公園。そこで柚春は
告白
をし、ちょっぴりウォルターとの関係が変わった。
交際には至らなかったけど、ウォルターが女性として見てくれていると言ったから。だから今日の柚春は、好きな人の家を訪ねた『ただの女の子』として、変な口実も無くここにいる。
他でもないウォルターと過ごしたいと告げて、彼と他愛ない時間を過ごせる関係になれた。
「いや~どうだろうねぇ。ニャンドで魔法をかけられていたんじゃない?」
「もう、ワット!」
ケラケラと笑うウォルターは、柚春が何を言いたいのかわかっているつもりだ。
こうしてニャンドの中での出来事は写真として残されているけれど、児童公園での一件は確かな物として記録されているわけではない。
「柚春が勇気を出してくれたから……僕の口は、魔法にかけられなくても軽くなったのかもねぇ」
お喋りな口は肝心なことを告げなくて、辛辣な言葉を紡ぐこともある。でも、いつだって気分に正直な口が紡ぐのは嘘ではない。
断りづらいからと、変に気を回して誤魔化すような優しさも持ち合わせてなければ、全ての人を平等に愛する博愛主義でも、来る者拒まず全てを受け入れるほどの甲斐性もない。
柚春の想いを全て聞いたウォルターは、あの時に答えられる最良の答えを伝えた。今までなら目を逸らし、線引きをしようとしていたこともあったのに。
――生徒の相手をするのは先生の仕事。
そこに休日も学校の外も関係ないと、柚春を無理に生徒の枠へ押し込もうとしたことがある。
大事な生徒であることは今も変わらない。だけど今は、それだけじゃない。
なんだかんだと理由をつけて目を逸らすことが難しくなってしまい、今では大切な女性として想っているのは事実だけれど。じゃあ、と手を取り合えるかと言えば、それは別問題だ。
柚春が言うには『純愛であれば肩書きや年齢は関係ない』らしいが、だとしたって節度は必要だろう。
隣で拗ねたように見上げていた柚春が、ふふりと笑みを零す。
「ワットの気持ちを疑ってないから、夢みたいだって言ったの」
あのやりとりが都合の良すぎる幸せな夢だと言うなら、彼は恋人になっているはずだ。
けれど今は、そうじゃない。そうじゃないけど、確かなこと。
(同じ気持ちの、すき)
2人を良く知るメイドと、いつも一緒のカプセルギアにだけは伝えたけれど、誰かに話してしまえば溶けてなくなってしまいそうなほどに、甘い言葉。
好きだからこそ、大切にしたいからこそ変えないといった関係も、今暫くなら頑張れそうだ。
恋人の席は空けて待っててくれると言ったのだ、不安になることなど何一つない。なんだったら、待ちきれなくなるかもね、なんて笑っていたし。
(浮かれても仕方ないよね)
だいすきな人が、すきだと言ってくれた。夢のようでいて、現実にあったこと。
そうしたら次に待っているのはなんだろうなと、もっと壮大な夢を描き始めている。
――でも、まだ付き合ってはいない。
それが甘い空気に流されそうな気持ちを、ピッと引き締める。
見つめ合って微笑み合っても、また偶然が重なり合わない限り唇が合わさることはないのだろうか。
「……ねぇ、柚春」
ここ最近は、ウォルターも柚春を名前で呼ぶことが増えてきた。
切っ掛けとなったのは、その他大勢の生徒ではなく、1人の女性として見て欲しいと柚春がお願いしてきたときに、先生という敬称からさん付けで呼びたいという流れで、柚春のことも名前で呼ぶように頼まれたからだ。
と言っても、ウォルターからは快諾したつもりはなく、『気が向いたら』と濁していたはずなのだけど。気付けば柚春の中では大事な約束のひとつとなっていて、休日ともなれば『お休みの呼び名』と訂正されたものだ。
そうした甲斐甲斐しい努力のおかげか、気が向くことが多かったのか。ひとつ季節を過ごすうちに、『柚春』と名で呼ぶことが増えていたし、柚春からも『ワット』と愛称で呼ばれることが定着しつつあった。
これは、外で距離を違えることが無いように、今は仕事中なのかどうか、それとなく呼び名で合図を送り合うというもので、言わば2人だけの秘密のメッセージだ。
「いくら口が軽くても、柚春への気持ちまで軽いつもりはないよぉ?」
適当に合わせて、適当にホラを吹くのが心苦しくない相手なら、そうやって楽しむ恋愛も考えられただろう。
でも、彼女にはそうしたくないと思ったから……大切だから、付き合わないと決めた。
まあそれも、『理性が打ち勝てる間は』という期限付きだ。彼女が卒業して大人になるのが先か、堪えられなくなるのが先かはわからないし、その勝負の最中にどちらかが心変わりをするなんてこともあるかもしれない。
今の気持ちだけを伝えるなら特別な女性ということは間違いない。それでも現実では『教師』と『生徒』の肩書きは外せなくて、一回り以上年下の未成年な少女には手加減をしてあげないといけないこともある。
「じゃあ、ワットの気持ちは純愛だね」
この上ない幸せだと微笑む柚春に毒気を抜かれてしまう。
別に悪さをしようと思っていたわけではない。けれど、仮にも女性として見ていると言った男に対し、そういう信頼を向けるのは、少しばかり無防備なんだと警戒して欲しい。
「純愛ねぇ……」
「前に聞いたことがあったよね、純愛ってどこまでって」
恋する乙女は生真面目で、年上との恋愛、特に先生と生徒の間柄では犯罪になりうるのかを調べたという。
結果的に言えば、それを制限する法律はない。但し認められるのは純愛に限るということ。
単語の意味自体は国語辞書などを参考にすればいいのだろうが、それでは具体的な解決にはならない。なら具体的にどこまでならと調べるのは恥ずかしく、茶化すようにウォルターへ質問してきたことがあった。
「今なら、どこまでか答えてくれる?」
生徒以上恋人未満な彼女を、どういう目で見ているかと聞かれているようで、ウォルターは口ごもった。
故意でなければ
キス
も数度したしボディタッチもする。彼女が慌てふためくだろうことを確信して、揶揄うように大人の色香をチラつかせることもあったけれど、そこに下心という不純な動機があったかと言うと。
「どこまでっていうか……ゼロじゃないんだよねぇ」
キスや抱擁自体が不純とは言わないけれど、それを切っ掛けに
男性特有の生理現象
に見舞われることもある。まったくの純粋な想いというのは、さすがにこの年齢では難しい。
「……秘密が増えちゃうね?」
「大人を揶揄わないの」
ふふりと笑い合って、再びアルバム作りへと戻る。
どんなクリスマスを過ごそうかと、相談しながら。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月05日
参加申し込みの期限
2023年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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