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『運命』ではなかった始まりを『必然』に変えたあなたへ
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「うん、空けといてあげる」
当たり前じゃないかと言えることに、ウォルターは自分で言っておいて吹き出してしまった。途端に揶揄われたのかと柚春が顔を曇らせるから、誰にも見つからないようにすっぽりと腕に包んでやる。
どれだけ彼女の想いが真摯であっても、世間的な常識という観点からなら答えるべき回答は決まっているのだろう。それでも、もう――幼いだとか、生徒だからとか……理由をつけて手放してしまうのが難しいところに、彼女は住み着いてしまっているらしい。
「空けとくって……」
「君と同じ気持ちだから、待ってるってこと」
人の想いが永遠でないことは、今を生き心を持つ人間には仕方の無いことだ。新しい出逢いに揺れることも、簡単に信頼が失墜することも、そこに年齢や性別は関係ない。
誰かの手に渡るくらいならと危ない橋を渡るかもしれないし、卒業を待つ間に心が変わってしまうことも――お互いにある、かもしれない。わからない未来だけど、ウォルターにはわかることが1つだけある。
「僕はね、柚春の足枷にはなりたくないんだ」
無限に広がる未来があるのに、会えなくなるなら寝子島内で進学しようかとか、母国に帰るならイギリスに留学しようかとか。付き合うことで視界を狭めて、自由を失ってほしくない。
たくさんの転校を繰り返した柚春が落ち着く場所にと選んだならいいけれど、まずは自身を尊重して生きてほしい……そう告げるウォルターに、柚春は額を擦り付けて縋り付く。
「ずるい……」
「そうかなぁ? 好きな子のことくらい、大切にさせてよ」
ちゃんと考えてくれている。想ってくれているからこその恋人未満の関係は、幸せにも思えた。
恋人の座に1番近しい場所に予約席を設け、空けておいてくれると言った。
あまりに近くもどかしい距離に、柚春はもう1度想いを告げる。
「……僕は、ウォルターさんがすき」
声を震わせ、涙を堪えるように強く抱き返す柚春の頭を、ウォルターは優しく撫でた。
彼女が告げる『すき』の意味も重みも、しっかり伝わっている。……だから、答えは変えられない。
「僕もだよ。柚春が……ちゃんと、女性として好きだから『今は』付き合えないんだ」
「どうして……だって、教師と生徒だって」
「純愛ならって言うんでしょ? だからだよ。付き合ってるならって油断も不満も生まれてしまう」
境界線があるから思いとどまれる衝動も、その肩書きを手に入れれば制御できなくなる。表だって一緒にいれないことに、本当に愛されているのかと不安だって絶えないだろう。
ひとつ手に入れば、次が欲しくなる。けれど、制約の多い今では……手を伸ばしてはいけない領域も、2人にはある。
「どうしても?」
不安と期待が入り交じった声に、ウォルターは優しく側頭部合わせた。
恋人だという明確な関係ではなくても、それと変わりない想いを抱いている。けど、甘やかしたい気持ちと、それではいけないという理性がぶつかったとき、彼にはまだくすりと笑う余裕があった。
「あんまり気の長いほうじゃないし、ずるずると引き延ばすのも良くないとは思うけど……」
ぎゅうっと強く抱きしめて、柚春の耳に触れるだけのキスをする。ただこの答えが夢ではないよと伝えて、腕を解いた。
「とりあえず『今は』ね」
想いがあるということと、その想いを永遠にと願うのとは別だ。
理由ばかりをつけて向き合ってこなかった気持ちを、やっと自覚した。ノリと勢いで変えてしまう若さも、試しにと遊んでみる気概もない。それだけ……今までの恋愛があてにならないくらい、大切に――育むことになるかは、柚春次第ではあるけれど。
優しく笑うウォルターは、揶揄っている様子がなかった。……子供の恋だと、憧れだと、笑わなかった。
それどころか、しっかり考えてくれている。当たり障り無い答えじゃなく、誠実に向き合ってくれた。
「うん……約束だよ」
想いを否定されなかった。
それだけで十分気持ちを伝えた価値があったのに、これ以上焦っては幻滅させてしまう。
「それじゃあ、帰ろうか」
また学校では『先生』と『生徒』として過ごす。
お休みの日は気が向いたら『柚春』と呼ばれ、気が高ぶったら『ワット』と呼んでしまう。
……今までと変わらないようで、1年前と比べれば随分変わった関係。
「覚悟しててね。『今は』なんて言えないくらい、これからも撃ち落としにいくから」
「そうでないとねぇ。いつまでも待っててもらえる、なんて思わないでほしいなぁ」
空けておいてくれるとは言ったけど、やはりこれは気まぐれで、季節が巡る前には忘れたと笑うのだろうか。
気にかけていたことを忘れて他の誰かに微笑むのかと思うと、柚春は不安から繋いだ手を強く握り返してしまう。
「待てをくらっているのはお互い様ってこと。……まあ、待てずに撤回するかもしれないけどね?」
「ぼ、ぼくはいつだって準備も覚悟も決めてるよ!」
「そう? でもほら、純愛じゃないと捕まっちゃうらしいから」
そこまでを言い含めたつもりはないのだけれど、そう聞こえてしまったのだろうか。恥ずかしさで顔を赤くする柚春を見て、クツクツと笑うウォルターはいつもの調子に戻っている。
「ねぇ……運命って、あると思う?」
「……あるんじゃないの?」
繋いだ手の指を絡めて、あの日と同じ言葉を口にする。
それでも今度の『運命』は間違いなく、問いかけたときからロンドンブルートパーズの瞳を持つ彼のこと。
「僕も、あると思う。運命が必然に変わることもね!」
あのとき背中を押してくれたのが、彼で良かった。問いの意味を変えたのが……ウォルターで良かった。
幸せな気持ちで帰路についた柚春は、今日一日のことを報告する。
大切でかけがえのない……ウォルターとは別の意味で運命的な出会いをしたворへ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月03日
参加申し込みの期限
2023年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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