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- 00月00日生 00歳
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ミラーボールな夜
【寝子高でお泊り会！】
ある土曜日の午後。少しずつ朱に染まり始めた空の下、寝子島高校の校舎へ続々と人が集まり始めます。学生だけではありません。オトナもコドモも……スーツ姿のおじさんも、大学生もお子さん連れの主婦も。校舎裏からはコッソリと、ワケ知りなもれいびあたりなら「あっ、あやかしだね」と納得するような奇妙キテレツな格好をした妖怪さんも、こぞってやってきます。
「やあやあ、大盛況だね！」
「いっぱいきてくれたね～♪」
野々 ととお理事長とその押しかけ秘書？ 幽霊の餅々 きなこも顔を合わせて、に～んまり。
今日はととお氏考案、寝子島高校でのお泊り会！ それも来るもの拒まず、寝子高生はもちろん誰でも参加ＯＫ！ 希望者がずんどこ集まり、大盛況というわけです。
「わたしは、えいがかんしょうかいのじゅんびにいくね！」
「うむ、よろしく頼むよきなこクン。さて僕は……どうしようかな？」
企画だけぶち上げて具体的な実施や段取りなどなどはサッパリな彼は、ひとまず校内を見て回ることにしました。
「……さて、当日ね」
椎井 莉鳥はふうと深呼吸。イベントはお気楽なお泊り会ながら、保健委員会の肩にのしかかる責任はそれなりに重い、かも？
「みんな、集まって。段取りを確認するから」
「「「はいっ」」」
急なケガ人、病人が出たら対応するのは彼女らですし、気分が悪くなった人を保健室に案内するのも役割です。顧問の鷲尾先生も詰めてはいるものの、なにかあっては大変！ と、委員のみんなの表情にはぴりりとした緊張が見えました。
莉鳥は保険委員長。夏のインターハイでの優勝で部活には一区切りをつけ、今は受験勉強に邁進し、成果も良好なまさしく文武両道、この上は委員会も何事もなく締めて、立つ鳥跡を濁さずといきたいトコロ。
「大丈夫よ。今日は先生がたも見回りをしてくれるし、なにかあったら頼ればいいから」
「そうですね」
「がんばりましょー、委員長！」
ふ、と莉鳥は微笑みます。委員長なんて呼ばれるのも、あとわずか。引退も間近です。ある意味で今日の仕事は、委員会活動の集大成と言えるかもしれません。
「さあ、行きましょう」
元気の良い声で、はいっ！ 保健委員たちは校舎中へと散っていきました。
倉前 七瀬がぽてぽてと校舎へやってくると、よくよく見知った、嬉しい顔がありました。出迎えてくれた、というわけでは無さそうですけれど。
「おや、倉前も来たんだねぇ」
「ウォルターさん」
ウォルター・Bはいつものように不敵な笑みを浮かべ、お泊り会のスケジュールなど教えてくれました。
「去年までここに通っとったのに、なんだか懐かしいです」
「そんなものかねぇ。ま、いろいろ見て回るといいよ。今夜は晴れるそうだし、きっと星も綺麗だよぉ」
「ウォルターさん、いっしょに見ませんか」
こてん、と首を傾けて尋ねます。彼といっしょに並んで、寝子島のきらきらと美しい星模様を眺められたら、なんて素敵なことでしょう。
けれどなんだか彼は、忙しそう。
「今日は教員たちもあれこれやることがあってねぇ。ずっとはいられないけれど」
「はい、ちょっとでもいいんです」
時間が取れたらねぇ、と言って、彼は新たにやってきた参加者への応対に向かいました。
いっしょに、星。見たいな。今は肌寒いけれど、それだけできっとぽかぽか、あたたかくなることでしょう。
誘ってよかった。七夜 あおいのあんまりにっこにこ、ぺかっぺかーと明るい笑顔に、八神 修はうむっとうなずきます。
「いつも通ってる校舎なのに、今日はなんだか違って見えちゃうね」
「普段なら、今頃は下校する頃合いだものな」
学生が帰り支度をしたり部活に繰り出したりする日常とは少しばかり離れて、高校という空間にそぐわない、あるいはもう卒業してしまった人々が集う光景はどうにも異質で、不思議です。
「あれは……あやかしか？ しっぽが出てるな……」
バレなければいいのだが、と修は苦笑いしてしまいました。今夜は人外の参加者も多くいるようでして。
「まずは、映画鑑賞会があるんだっけ」
「ああ、そうだな。『ゴアラ』と『レ・ミゼニャブル』、どっちを見ようか？」
「う～ん。迷うねぇ」
などと雑談を交わしつつ、さっそく校舎へ入ろうとしたところで、
「やあやあ君たち！ よく来てくれたね。今日は楽しんでいってくれたまえよ～」
「あ、理事長。素敵なイベントをありがとうございます」
修が頭を下げると、ととお理事長はまんざらでもなさそうにうなずきつつ。
「ところで七夜くん、娘を見なかったかね？ 娘といっしょに星を見たいのだがね、おおっののこ～」
「ええと……来るとは言ってましたけど」
「そうかね！」
嬉しそうに笑って、ととおさんはどこかへ駆けてゆきました。自称ののこのお父さん、果たして娘と星を見ることはできるでしょうか？
「……健闘を祈る。だな」
「そうだねぇ」
なにはともあれ、お泊り会のはじまりです。笑顔漏れ出す参加者たちに続いて、ふたりも校舎へ。見慣れた廊下が確かに、いつもと違って見えました。
ある土曜日の午後。少しずつ朱に染まり始めた空の下、寝子島高校の校舎へ続々と人が集まり始めます。学生だけではありません。オトナもコドモも……スーツ姿のおじさんも、大学生もお子さん連れの主婦も。校舎裏からはコッソリと、ワケ知りなもれいびあたりなら「あっ、あやかしだね」と納得するような奇妙キテレツな格好をした妖怪さんも、こぞってやってきます。
「やあやあ、大盛況だね！」
「いっぱいきてくれたね～♪」
野々 ととお理事長とその押しかけ秘書？ 幽霊の餅々 きなこも顔を合わせて、に～んまり。
今日はととお氏考案、寝子島高校でのお泊り会！ それも来るもの拒まず、寝子高生はもちろん誰でも参加ＯＫ！ 希望者がずんどこ集まり、大盛況というわけです。
「わたしは、えいがかんしょうかいのじゅんびにいくね！」
「うむ、よろしく頼むよきなこクン。さて僕は……どうしようかな？」
企画だけぶち上げて具体的な実施や段取りなどなどはサッパリな彼は、ひとまず校内を見て回ることにしました。
「……さて、当日ね」
椎井 莉鳥はふうと深呼吸。イベントはお気楽なお泊り会ながら、保健委員会の肩にのしかかる責任はそれなりに重い、かも？
「みんな、集まって。段取りを確認するから」
「「「はいっ」」」
急なケガ人、病人が出たら対応するのは彼女らですし、気分が悪くなった人を保健室に案内するのも役割です。顧問の鷲尾先生も詰めてはいるものの、なにかあっては大変！ と、委員のみんなの表情にはぴりりとした緊張が見えました。
莉鳥は保険委員長。夏のインターハイでの優勝で部活には一区切りをつけ、今は受験勉強に邁進し、成果も良好なまさしく文武両道、この上は委員会も何事もなく締めて、立つ鳥跡を濁さずといきたいトコロ。
「大丈夫よ。今日は先生がたも見回りをしてくれるし、なにかあったら頼ればいいから」
「そうですね」
「がんばりましょー、委員長！」
ふ、と莉鳥は微笑みます。委員長なんて呼ばれるのも、あとわずか。引退も間近です。ある意味で今日の仕事は、委員会活動の集大成と言えるかもしれません。
「さあ、行きましょう」
元気の良い声で、はいっ！ 保健委員たちは校舎中へと散っていきました。
倉前 七瀬がぽてぽてと校舎へやってくると、よくよく見知った、嬉しい顔がありました。出迎えてくれた、というわけでは無さそうですけれど。
「おや、倉前も来たんだねぇ」
「ウォルターさん」
ウォルター・Bはいつものように不敵な笑みを浮かべ、お泊り会のスケジュールなど教えてくれました。
「去年までここに通っとったのに、なんだか懐かしいです」
「そんなものかねぇ。ま、いろいろ見て回るといいよ。今夜は晴れるそうだし、きっと星も綺麗だよぉ」
「ウォルターさん、いっしょに見ませんか」
こてん、と首を傾けて尋ねます。彼といっしょに並んで、寝子島のきらきらと美しい星模様を眺められたら、なんて素敵なことでしょう。
けれどなんだか彼は、忙しそう。
「今日は教員たちもあれこれやることがあってねぇ。ずっとはいられないけれど」
「はい、ちょっとでもいいんです」
時間が取れたらねぇ、と言って、彼は新たにやってきた参加者への応対に向かいました。
いっしょに、星。見たいな。今は肌寒いけれど、それだけできっとぽかぽか、あたたかくなることでしょう。
誘ってよかった。七夜 あおいのあんまりにっこにこ、ぺかっぺかーと明るい笑顔に、八神 修はうむっとうなずきます。
「いつも通ってる校舎なのに、今日はなんだか違って見えちゃうね」
「普段なら、今頃は下校する頃合いだものな」
学生が帰り支度をしたり部活に繰り出したりする日常とは少しばかり離れて、高校という空間にそぐわない、あるいはもう卒業してしまった人々が集う光景はどうにも異質で、不思議です。
「あれは……あやかしか？ しっぽが出てるな……」
バレなければいいのだが、と修は苦笑いしてしまいました。今夜は人外の参加者も多くいるようでして。
「まずは、映画鑑賞会があるんだっけ」
「ああ、そうだな。『ゴアラ』と『レ・ミゼニャブル』、どっちを見ようか？」
「う～ん。迷うねぇ」
などと雑談を交わしつつ、さっそく校舎へ入ろうとしたところで、
「やあやあ君たち！ よく来てくれたね。今日は楽しんでいってくれたまえよ～」
「あ、理事長。素敵なイベントをありがとうございます」
修が頭を下げると、ととお理事長はまんざらでもなさそうにうなずきつつ。
「ところで七夜くん、娘を見なかったかね？ 娘といっしょに星を見たいのだがね、おおっののこ～」
「ええと……来るとは言ってましたけど」
「そうかね！」
嬉しそうに笑って、ととおさんはどこかへ駆けてゆきました。自称ののこのお父さん、果たして娘と星を見ることはできるでしょうか？
「……健闘を祈る。だな」
「そうだねぇ」
なにはともあれ、お泊り会のはじまりです。笑顔漏れ出す参加者たちに続いて、ふたりも校舎へ。見慣れた廊下が確かに、いつもと違って見えました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年05月15日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年05月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年05月22日 11時00分
