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夜の繁華街は、熊出没にご注意!?
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「しまったな、結構いい時間だ」
バイトを終え、キャットロードで買い物や食事を楽しんでいれば、いつの間にやらこんな時間になってしまった。時間が経つのは早いもので、多少の焦りを抱き、
御剣 刀
が駅に向かってシーサイドタウンを颯爽と駆け抜けていた。
授業が終わった後にそのままバイトの場へと直行した為、服は制服のまま。大人の目から見て、高校生がうろついていい時間帯ではないだろう。
(明日も早い、急がないと……)
少し息が荒れてきたのを感じたが、休息を必要とする程ではなく駆ける足は止めない。駅まではまだ少し距離があるが、このまま走れば五分と掛からないだろう。あらかじめ携帯で調べた通り、ダイヤ通りの電車に乗れそうだ。
「…………、ん?」
シーサイドタウンの歩道を走り抜け、曲がり角を曲がった瞬間、刀ははっとして、自身の進むべき前方を睨んで目を細めた。
この通りの先には、寝子島高生もたびたび立ち寄る馴染みのネコンビがある。遠目で眺めるに、その自動ドアが開かれた。刀は走りつつも、見るともなしに自然と出てきた客らしき影に目を這わせていた。
(っ……!!?)
帰宅を急いでいる刀にとって、それ以上の注意を向けている余裕はない。だがその途端、それほど意識していなかった筈が、しかし刀は目を見開いてコンビニから出てきたその姿を凝視した。突如として自分の向かっている先に現れたのは、いかつい顔、毛深い大柄の体躯。
なるほど。体育の熊吉先生だ。刀は衝撃に駆られつつも、まだ距離があるというのに、その姿を察知し見間違えない自分の動体視力を恨んだ。
(くっ……どうする……。こんな時間だ。バレたら絶対にタダじゃすまない……)
このまま、この道を走り続ければ、いずれ延長線上にいるあの教師とかち合うのは必至。今ならば、踵を返して回り道をすれば事なきを得るか? そんな不自然な事をして本当にバレないか?
足を止めずに悩んだ挙句、刀は決め込んだ。全く、こんな偶然……不意を突くように降りかかってきた不運を憂いながらも、刀は足は止めなかった。寧ろ、自身の足に鞭を打って全速力まで加速する。
このまま、全速力で熊吉先生の隣を一気に駆け抜ける。それが刀の決断だった。
「……なっ!」「さよならっ!!」
ある程度距離が詰まって、いよいよ熊吉先生と目が合うのは、予測済み。先生は突進する自分を見つけて何か声を掛けようとしたようだが、刀は早口にそれだけ言って疾走。止めようとして振りかぶってきた太い腕を身を屈めて避け、その横を華麗に素通りする。
「なにぃ! 待たんかバカタコォッ!!」
(誰が待つか!)
「待てぇ! 逃がさんぞーっ!!」
抜けてしまえば、こっちのものだ。刀はそのまま全力で駅を目指す。当然のように背後から足音が轟いてきた。追われているのだ。追いつかれ、捕まって、頭上に落とされる拳骨を想像すると身の竦む思いだが、ここで振り返ってはいけない。ただ走る事に集中しなければ。
駅はあっという間に見えてきた。しかし刀は立ち止まれない。背後からの追手が絶えないのだ。そのまま駅に入ればクマに追い立てられた袋のネズミ。刀は断腸の思いで駅を横切り、宛てもなく夜の街を駆け抜けた。
「はぁ……はっ……」
だが、いくら窮地に立たされているとはいえ、全力の疾走が長く続くはずもなく。
少し街を外れた広場にて、いよいよ刀は電灯に手をついて立ち止まった。首筋の汗をぬぐい、荒れた息を整える。その背後からは、同じく息を荒し、足して顔を真っ赤にした熊吉先生がゆらゆらとやってくる。
これ以上逃げるのはお互いに不毛だ。街の人たちにも迷惑をかける。刀は胸を抑えつつ、覚悟を決めた面持ちで熊吉先生へと向き直った。
「先生……はぁ……声、でかすぎですけど……」
「はぁ、はぁ。こ、このバカタコが……、何故逃げるっ!」
「ふぅ、ふぅ……いてっ!」
やっぱり、叩かれた。悶々とした様子で膝に手をついていた熊吉先生は顔を上げると、息も絶え絶えの千鳥足で寄ってきて、刀の背中を小突いてきた。
「はぁ、はぁ……先生が追いかけてきたら誰だって逃げますよ……。ていうか、叩く前に俺の話を聞いてください」
「なにぃ? そんなことを言って、人様に迷惑をかけてたんじゃないだろうな?」
「……? ……誰かがそんな事を言ってたんですか?」
自分には全く心当たりがない。息も整ってきたところで、刀が顔色を窺うように尋ねた。熊吉先生は訝しげな顔のまま、自分が見回りをしていることと、その理由について口を開く。
「それで、近隣の人から通報があったんですか? それは、分かりました……」
つまりは、そういう生徒もいるという話だろう。そして、「そういう生徒」のくくりの中に自分もいると疑われているのだ。その姿を見た途端に逃げた自分にも非があると言われれば返事に詰まる。だが、街の見回りなんて過剰な対応をして自分をここまで追い回して……全く、熊吉先生らしいといえばそうだが、無関係の生徒にとってはとんだはた迷惑である。
「ホントに、高校の名を貶めるような、アヤシイ事はしていないだろうな?」
「信じてください……。俺も出来る限り、知り合いを見かけたら一言言っておきます。ただ、向こうにも都合があるだろうから、その辺りは考慮して下さいね」
冷静な会話を心掛けたのが功を成したのか、刀がこれ以上追及を受けることはなく、熊吉先生は鼻を鳴らして去って行ってしまった。おそらくは、次の寝子島高生を探しに向かったのだろう。今の話で、少しでも彼らの意見に聞く耳を持ってくれればいいのだが。
「くっ……疲れた……。帰ろう……」
熊吉先生が消えただけで、一気に静寂を取り戻した広場。ほんの数十分前までは予期しなかった疲労感に刀は呻き、痺れる足をいたわる様に体を仰け反らせた後、駅のある方角を向き、今度はゆっくりと歩き出した。
デザインの参考にするために服の店を色々と見て回っていたけれど、少し夢中になりすぎたようだ。これ以上遅くなれば、女子供をつけ狙う不埒な者が現れないとも言えない頃合になってしまている。
「あっ……すいません」
そんなことを考えていると、タイミングよく通りがかったタクシーを見つけて、
桜 月
が手を上げてサインを送る。少し先にタクシーが停車し、月は開かれたドアの中へと乗り込んだ。
「寝子島シーサイドタウン駅までお願いします」
「あいよ、駅までですね」
運転手に告げると、ドアが閉じられタクシーが発車する。あとは到着するまで車中で揺られるだけ、月はそれ以上は他にすることも無く、買い物袋を握りながら、窓に映る夜のシーサイドタウンの街並みに目をやっていた。
体質上、月は昼間に外に出ることは難しい。月の特異な体質である色素の薄い肌は、陽の下に晒せばあっという間に日焼けをしてしまう。長袖に全身を包んで外出を試みることも可能だが、それも暑い日の続く昨今となると辛いものがある。
月の活動の主な時間帯がこんな真夜中になるのは仕方がなかった。そして、夜遅くとも営業している服屋が何軒かあるシーサイドタウンは実に重宝した。今宵もまた、参考にしたデザインからイメージを膨らませながら、月は帰路についている。
「?」
窓の風景には未だに賑々しくあるシーサイドタウンの街並みが流れている。しばらくそれらを眺め、すると、月は思わぬ顔を見つけて、運転手にまた口を開いた。
「少し、止めていただけますか?」
丁度街を抜けた辺りで、知り合いです、と少し先にいる大柄な背中を示して月が言う。すれば運転手はちょうど良い間隔で停車してくれた。月は窓を開けて、その後ろ姿にそっと声をかける。
「吉田先生、こんばんは」
「……んん?」
ここは街を少し外れた、夜風の心地よい広場だった。人の気は少なく、そこをぽつんと歩いている後ろ姿はすぐに熊吉先生だと分かった。
「む、桜か……今日も、夜に服の勉強か?」
熊吉先生は月の体質の事情を知っている。その大きな体が振り返ったとて、怒鳴られるような道理はなかった。
「はい。先生は生徒の見回りですか? こんな時間まで大変ですね。今日はお一人なんですか?」
「むぅ……実は、悪さをしているバカタコがいるかもしれんのだ。桜は何か知らんか?」
かけられた問いに、月は首を振って答えた。そもそもにして、月がそういう「悪い事」に興味を持つような性格ならば、熊吉先生から信頼を寄せられることはない。残念ながら、先生に提供できるような手掛かりを月が持ち合わせている筈はなかった。
「いいえ……。でもひとつだけ。
先生にも、考えがあって見回りや指導をされていると思います。ただ、私のように事情のある人も居ると思います。できれば、叱るのは話を聞いてから判断をして欲しいです」
「そういえば、さっきも同じことを言われたな。うむ、そんなに俺は怖いのか?」
月の言葉はもっともであり、そして、いきなりに怒鳴られる生徒の心を代弁したものだ。声色は透き通っていて気品があり、特筆すべき間違いはない。故に、熊吉先生から返す言葉はなかった。
最後に「なるべく早いうちに、気を付けて帰れ」と月に告げると、熊吉先生は物珍しい神妙な顔つきをして、腕を組みながらその場を去って行った。
「お茶、貰える?」
「はーい、月詠様」
鉛筆とスケッチブックを置き、
旅鴉 月詠
が街の片隅から戻ってくる。主の休息を察し、にこにこと微笑みながら離れた場所で待機していた
檜扇 唱華
が、要望通りに持参した水筒からコップに茶を汲んで月詠へと手渡した。
月詠は今宵、夜のシーサイドタウンの風景をスケッチする為にこの場所を訪れていた。夜の街にどこからか現れる猫、店じまいをする店員。今の時間だからこそ治められる風景が目の前には広がっている。
「よし、今度はひっくり返って、描いてみよう」
「あらあら。それは、お召し物が汚れないように気を付けてくださいね~」
「うん、行ってくる」
茶を一気に飲み干し、空になったコップを唱華に渡して、月詠は再びスケッチブックを抱いて行ってしまった。荷物と共に待機している唱華の元からやや離れ、夜のシーサイドタウンを鉛筆で表現するに一番ふさわしい場所を入念に探す。唱華は緩い笑みを浮かべたままでそれを見守った。
月詠は随分とスケッチに集中している。遠くから眺めているだけでもそれはよく分かる。しかし、そろそろ時間が時間だ。寝る時間が削れれば体が弱るし肌も荒れる。そろそろ帰宅を進めるべきだろうか? 月詠の楽しそうな姿を目にしながらも、唱華はのんびりと考えていた。
「う~ん。うふふ、困ったわ~どうしましょ?」
「……むっ!」
言葉とは裏腹に、のほほんとした笑みを浮かべて唱華が呟くと、背後から唸るような低い声が聞こえてきた。ふとして唱華は振り返る。
そこにいたのは、この場所で出会うには随分と珍しい顔だった。月詠の通う高校の体育教師であり、そのいかつい顔を見れば、唱華もすぐに驚きで口を抑えた。
「あらあら熊先生! これは、ご機嫌麗しゅう~」
「く、熊先生……?」
「あら? 前にそう呼ばれていたのを聞いたものですから……うふふ、可愛らしい名だと気に入ってしまいまして」
「……いえ、構いませんが」
唱華の雰囲気に呑まれるように、熊吉先生は細い嘆息を吐いた。
「あなたは旅鴉の……で、旅鴉はこんな時間に何を?」
「月詠様は、あちらでデッサンをしておりますー。……あぁ、怪しい事なんて何もありませんので、ご心配なく」
「デッサン……」
熊吉先生が独白のように呟きつつ、遠目に映る、奇怪な動きをしながら鉛筆を握っている月詠を眺めていた。
すると、視線に気付いたのか月詠がこちらに振り返った。唱華に手を振られて、月詠は誘われるようにこちらへ駆け寄ってくる。
「やあクマ先生、見回りお疲れ様」
「旅鴉! 別にこんな時間に描かなくてもいいだろうがっ!」
「時間とは過ぎ去りゆくもの。風景は移り変わるもの……。今描くものは明日描けないのです」
「? ? 一体何を言ってる?」
「科目が違うでしょうが、そこはご理解頂きたい」
月詠の言葉はあまり分からなかったが、目の前で困惑する教師に構わず、月詠は口を開き続ける。
「そ・れ・に。今日は唱華を囮につれてきたから大丈夫です」
「な、なにぃ! コラッ! 年上に向かってそんな物言いがあるかっ!」
「いえいえいいんですよ先生~。しがない使用人ですから、どうぞお気遣いなく~」
ただ、その表現には声を荒げてしまったが、すぐに仲裁に入った唱華に柔和な笑顔を向けられて、熊吉先生は怒鳴り声をひとまずは呑み込んだ。
「とにかく! 高校生の身分でこんな夜に出歩くことは許さんぞ! 早く切り上げろ!!」
「じゃあ、このスケッチ終わったら帰ります」
「約束したぞっ?」
腕を組んで吠える熊吉先生に頷いて見せると、相も変わらず自由な振る舞いのままで、月詠は再び元居た場所へと戻って行ってしまった。その足取りを見るに、果たして反省したのかどうかは怪しいところだが、大人がついているので、余所から苦情が出るような危うい行いに走る事はないだろうが……。
「全く……相変わらず、気ままなバカタコだ」
「うふふ、頼りないかもですが、私がついているので大丈夫ですわ。けど、そろそろ退散を進めるとしましょうか」
「しかし……」
未だ不安が残る。このまま月詠をおいて去っても良いものか。
悩んだ末、熊吉先生は唱華の顔を見て、こくりと頷いた。
「いや。では旅鴉の事を頼みます」
「はい、先生こそ、お勤めご苦労様です~」
丁寧に頭を下げてきた唱華に挨拶をすると、最後に、スケッチブックにかぶりつくようにしている月詠を一瞥だけして、熊吉先生は二人に背を向けた。
「あぁそうそう」
「?」
再び別の生徒を探すべく歩き出そうとした、その矢先。唱華に声を掛けられた。ポンと手を叩いて何かを思いついたらしいその様子に、熊吉先生は首だけで振り返る。
「教育は必要でございます。学校の名を汚しているチンピラ生徒は容赦なく叱ってくださいまし。その時がくれば、熊先生は力が強そうに見えますから、手加減はしてあげてくださいね」
告げ終えると、笑顔のままで手を振ってくる唱華を見て、熊吉先生はささやかな会釈で返し、その場を後にした。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月09日
参加申し込みの期限
2013年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月16日 11時00分
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