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寝子島高校
夜の繁華街は、熊出没にご注意!?
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シーサイドタウンは夜に閉ざされ、しかし店やアーケードの照明で常に眩しく輝いている。昼とはまた違った人々の喧騒。ねぐらを這い出てくるには心地よい時間となってきた。
はだけた胸には蜘蛛の刺青。血色の悪い肌。ボサボサの髪。シーサイドタウンの情報屋、
ジニー・劉
が行く宛ても無く夜の街をぶらついていた。気怠そうな寝ぼけ眼でも絶えずそこらに向けられている。情報のネタでも転がっていれば儲けものだから、普段から周辺の様子を観察しておくのには余念はない。
そんな時、ジニーは大きな人影を遠目に見つけた。見つけたからと言って自身の扱う情報の商品とはなりえそうにないが、その一風変わった外見に、ジニーはたまらず足を止めてしまう。
「何だありゃ?」
飲食店の前で、なにやら子供と話しているようだ。叱っているように見え、子供はがっくりとうなだれている。
ふと、叱っている方の顔がこちらを向いた。
「そこのお前、ちょっと待て!」
「は?」
しかも、その熊のような男は遠くから声を張り、段々とこちらに近づいてくるではないか。
「何だそのでたらめな格好は! 学生の身分で夜遊びとはどういうことだ!?」
「はァ!? 学生じゃねーよ」
「嘘をつけ!」
「ついてねぇし!」
早足でこちらに歩み寄りながら、その男はそんなことを言う。こちらの言を一切聞こうとはせず、訝しげな眼でこちらの全身を眺めてくる。見るからに昔ながらの強面教師の雰囲気だ。予想するに寝子島高校の教員だろう。
「アヤシイな……身分証明書を見せてもらおう」
「冗談。なんで俺が……」
「こっちも生徒の身を守らねばならんのでな」
手を翻してジニーは唇を尖らせる。呆れたような態度をとっても男の追及は緩まなかった。毛深い腕を組み、早く早くとせかしてくる。
しかし、情報屋という無職との線引きの曖昧な職の都合上、生憎と身分の保証になるようなものをジニーは持ち合わせていなかった。素直に話せば男は納得するだろうか? いいや、余計に根堀り葉堀り聞いてくるに決まっている。
ポケットをまさぐるフリでもして待たせていると、男の顔が更に疑心で歪んでくる。
ジニーはそこらに唾でも吐き捨てたい気持ちに駆られた。かなりメンドクサイ状況だ。これ以上怪しまれて、警察でも呼ばれれば更に。
「どうした? 免許書でも保険証でも何でもいい」
「もういーや、バックれよっ」
「?」
ジニーが投げやりに呟き、服の袖に手をかける。聞いた男が目を丸めた、次の瞬間。
「ぐおっ!!」
バサリ。男の視界が暗転する。ジニーが羽織っていた上着を脱ぎ、それを男の頭に放り投げたのだ。大した時間は稼げないだろうが、その一瞬の隙でも、ジニーが逃げおおせるには十分すぎる。
唐突に喰らった目くらましに男が動揺している隙を見て、ジニーは地面を蹴り、街の奥へと疾走する。ウラ路地を回ればもうこちらのものだ、入り組んだ道筋での逃走劇を演じて、それを知り尽くしているこちらが追いつかれるとは到底思えない。
男が顔から上着をぬぐい取った時には、目の前にジニーの姿はなかった。
「なぁ!? どこに行った! このバカタコがぁぁ~!!」
男……熊吉先生は人目もはばからず、取り逃がした怪しげな人物に対し、悔しげな咆哮を上げていた。
「ふぅ、あっぶねー……」
熊吉先生が徘徊していることは噂で聞いていた。だが、間近でみると改めて危機感を感じてならない。その姿は、自分たち寝子島高生を探してしているのは明白だった、しかもつい先程に何かあったのか、よりその全身から憤りを感じさせる。
そのおかげで、気配を読み取りやすくもなったのだが。
「すんません、助かりました」
「いいっていいって」
服飾関係の店が並ぶ通りにて、電柱の陰から怒りに震える熊吉先生の背を眺めていたのは、用事のため旧市街の後にシーサイドタウンに立ち寄っていた清真だった。そして、清真から礼を述べられているのは、つい先程に熊吉先生から逃げおおせたばかりのジニーだ。裏路地を利用して無事に熊吉先生を煙に巻いた直後、丁度清真の姿を見かけた。それが寝子島高生だと見当をつけるや、憂さ晴らしに熊吉先生の居所を教えたのだ。
「寝子島高校の教師か……、たいした情報じゃねぇな~」
「情報?」
「いんや、こっちのはなし。んじゃ、はい」
ジニーの独り言に清真が首を傾げる。ジニーは質問させる隙も与えず、空っぽの手を広げて清真の目の前に差し出した。
「……え?」
「コーヒーでいいや、奢ってくれ」
「えっ!? タダじゃねぇのか!? いい大人が高校生にたかる気かよ!」
「すいませーん! ここに素行不良の寝子島高生が」「ぎゃああ分かった! 分かったからっ!!」
途端に手の平を返したかのように大声を張り上げようとしたジニーの口を、清真が慌てて塞ぐ。届きかけた声に、遠目に見える熊吉先生の背中がピクリと動いた気がしたが、清真の迅速な対応もあって、その背中が振り返ることはなかった。
今更あの教師に見つかる位なら、コーヒー代くらいくれてやる方がよっぽどマシだ。
「あいよ確かに、毎度あり~♪」
「…………」
結局、清真はポケットから財布を取り出すに至った。普通のルートでは決して得られないだろう情報の代金にしては格安だとジニーは言ったが、金を取られること自体予想していなかった清真の衝撃は大きかった。手の平で二枚の硬貨を転がして上機嫌で去ってゆくジニーを、清真は茫然と見送っていた。
「はぁいご注目っ! 種も仕掛けもありませーん」
夜の街の一角、若者向けのアパレルショップの手前には、何かを囲うように人だかりができていた。好奇の目を集め、驚愕の声が響くその輪の中にいるのは、頭にちょこんと帽子の髪飾りを乗せ、マジック衣装に身を包んだ若い女子。
パール・風色
が、いつものように修行とバイトを兼ねた大道芸をシーサイドタウンにて披露していた。
「ここからっ……よっとっ」
パールは呟きつつ、何も握っていないことをアピールした手を握り、そして開く。同時に観客から拍手と驚愕の声が轟いた。何もない手の平から、真っ赤な風船が現れ出たからだ。
パールはそれをいくつも続け、赤、青、黄色、緑……周囲にはカラフルな風船が転がって行く。子供の嬉々とした声を聴きながら、パールは手を天に向けた掲げた。
「それっ!」
パンッ! 笑みを深めたパールが軽快に指を鳴らす。それと同時に、周りの風船が針で突かれた訳でもないのに全て破裂してしまった。観客は唐突な破裂音に目を丸め、その後に巻き起こった現象に表情をほころばせた。割れた風船のその中から、宙を舞うひらひらとした色の数々。一体どういう仕組みなのか、細やかな紙吹雪が辺りに一面に飛び出してきた。
一連の手品を見事に完遂し、衣装の裾をめくってお辞儀をしているパールを称え、観客は宙から降り注ぐ紙吹雪を被りながら拍手を巻き起こす。あらかじめ置いておいた籠には、すぐに大なり小なりのおひねりが次々と舞い込んできた。
パールが最後に礼を述べると、観客たちは満足したようにその場を去っていった。パールは最後の一人まで笑顔で見送ると、そそくさと隠しておいた箒をつかって掃除を始める。またすぐに次の観客を迎える為であった。
「すげぇもんだな、お嬢ちゃん」
「あれ?」
慣れた手つきで紙吹雪を掃き集めていると、間の長い拍手と共に、低い声色で背後から話しかけられた。まだお客さんが残っていた? パールは掃除の手を止めてそっと振り向く。
すると、その姿はすぐに目に飛び込んできた。ここから少し離れ、シャッターの降りた店の前から寄ってきたのは、やや近寄りがたい雰囲気を放つ、派手なスーツを着込んだ男、雅也だった。
「いいもん見せてもらったぜ、まぁ取っといてくれや」
雅也は肩を竦めながら言うと、財布を取り出し、紙幣を何枚か纏めてパールの用意していた籠の中へと捻じり込む。
「あっ、おひねりありがとうございます~……って嘘っ、こんなにっ!?」
ちらとその姿を見て、パールはまた頭を下げる。だが、その籠の中を今一度見つけて括目してしまった。その様子を雅也は気にした様子も無く、心から感心した様子でまた口を開く。
「立派な腕じゃねぇか、どっかの舞台でやりゃあいいのに」
「劇場なんて高くて借りれないし、まだ見習いで仕事も無いので、ここで勉強してるんですよ~」
「お嬢ちゃん、今いくつだ?」
「あはは、15です。寝子島高校の一年生で……」
「最近の若いのは、ホントにしっかりしてるよなぁ」
怒鳴り声や脅し文句の似合いそうな顔つきとは裏腹に、雅也はうんうんと頷きつつ気の利いた言葉を投げかける。聞いたパールはまんざらでもない様子で髪をかいていた。
「……ん? そういえば、さっき寝子島高校のセンコウを見かけたな?」
「えっ?」
「クマみてぇな男で、バカタコとか、成敗してやる、とか言ってたっけか……」
「きゃっ! やばっ」
ふと思い出した雅也の言葉。何気なしに言ったその言葉でパールは血相を変え、力なく箒を落としてしまった。クマみたいな男性、そしてその乱暴な台詞。頭の中で思い当たる教員はただ一人しかいない。
「ど、どこにいました!?」
咄嗟にパールが尋ね、雅也が答えようとして街の道なりを見渡した。
その時だった。
「あ」
「あっ」
雅也に合わせて街の道を眺めたパールが、図らずも見つけてしまったものに呆気ない声を漏らす。そして、「向こう側」も同じような顔をしていた。
どうやら、向こうの店の角から曲がってきたらしい。パールが絶対に避けたかった鉢合わせが、今この時に実現してしまった。
「あぁっ! お前はっ!! このバカタコォ~っ!」
「きゃああっ!」
そして、おなじみの文句と共に、寝子島高校の体育教師、熊吉先生がこちらへと迫ってくる。お世辞にも体育の成績が芳しいとはいえなかったパールにとって、あの先生との相性は最悪だった。この状況は非常にまずい。「だからお前は」と怒鳴られて、一度捕らわれれば言い訳を述べる事すら叶わないだろう。
このままでは、引き摺り回されるように長々と怒られることは必至である。パールは慌てて道に散らかした紙吹雪を全て片付けると、大道芸の道具の詰まった鞄を持って、雅也への挨拶もそこそこにそそくさと足早に歩き出した。熊吉先生が背後から追いかけてくる気配を察すると、その足は次第に速くなっていく。
「どこに行く! 逃がさんぞ!」
「うわっ、あわわ……」
やはり、追いかけてくる。パールは次第に歩くのではなく、自身を急かすような駆け足になる。それでも、熊吉先生の怒鳴り声が遠ざかることはなく。
いっそのこと全速力で駆け抜けてしまおうか。しかし無謀だ、体力に自信が持てないのは自分でも重々に承知しており、相手は中年とはいえ体育教師。息切れした後に捕まってしまう未来が目に浮かんでならない。
(こうなったら……)
「ぬっ!?」
パールは駆けながら、手品にも用いていた風船をいくつも膨らませて、背後に向かってばらまいた。手品のタネなど知る由もない熊吉先生にとっては、何もないところから風船が現れたように見えた事だろう。それは軽快に弾み、ふわふわと宙を漂いながら熊吉先生の元へとやってくる。
色とりどりの風船に四方八方を包まれて、熊吉先生が訳も分からずにどよめいている。まさしくその時が好機だった。
「とりゃっ!!」
「ぐわっ!」
ろっこんを発動させる時を見計らって、パールが指を鳴らす。それを合図に、熊吉先生の身を包んでいた風船が一斉に音を立てて炸裂した。パールのろっこんは、指を鳴らす合図で風船を勢いよく破裂させるというもの。おまけに中からは溢れんばかりの紙吹雪。熊吉先生は激しい音と紙吹雪の洗礼に、たまらず顔面を隠しておののいている。
「くぬぅぅ~、まてぇぇ!!」
「やっぱ、大したもんだ。ありゃ大化けするな」
風船の破裂に呑まれ、紙吹雪に包まれて。パールの必死さがそうさせるのか、ここまで鮮やかな動きの手品はそうそう見物できるものではない。パールを追えずにもがいているばかりの熊吉先生をちらと見て、雅也は何度も頷きつつその場を後にした。
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tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月09日
参加申し込みの期限
2013年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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