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\ オーバータイム!/
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夜の繁華街は、熊出没にご注意!?
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スケジュール手帳や台本の詰まった鞄を下げ、夜のシーサイドタウンを早足で駆ける人影があった。
「もうこんな時間、早く帰らないと……」
神無月 綾
が腕時計にちらと目をやり、そして真っ暗な空ときらびやかに瞬く街のネオンとを交互に見渡して呟く。本日は探偵ドラマの撮影が延びきって帰りがすっかり遅くなってしまった。明日もまた普通に授業があり、早く帰ってその準備をしなければならない。
すっかり日の暮れてしまった空を見て、タクシーを呼ぶ考えも一瞬だけ脳裏によぎったが、綾はすかさずにそれを断じて捨てた。走れば済むと言う話なのに、どうして安くもないタクシー代を支払う道理があるのだろうか。
(あぁ。帰ったらお米洗わないと……)
自販機からコンビニ、ファーストフードにレンタルビデオショップ。夜のシーサイドタウンの帰路には様々な誘惑が存在し、財布を持って通りがかった若者たちをあの手この手で翻弄する。しかし綾は、まるでそれらが見えていないかのように目もくれず、整った無表情のままで純粋に帰宅のみに没頭する。食事なら家で済ませばいいし、のどが渇いたなら帰ってからお茶でも飲めばいい。現在が空腹でないわけではないが、思い付きの買い食いなど綾に言わせれば合理的ではなく、安直に言えばもったいない。
とにもかくにも、目前の目的は、倹約しつつもいち早い帰宅。綾は徒歩に集中し、その他にうつつを抜かしている暇はなかった。
「…………。っ!」
が、綾はふと足を止めた。街にはびこる数々の誘惑より興味を引いたのは、少し先。路地から出てきた大柄の男の影。
それを見つけ、綾はハッとしたように息を呑む。咄嗟に身を翻し、近くの飲食店の壁の陰に隠れた。刹那の間にちらと垣間見たその横顔。それには確かに見覚えがあった。そして、その人物の癖の強さも、綾は重々に承知している。
寝子島高校の教師。熊吉先生だ。
(熊吉先生……。私たちを見回ってるの?)
この場所この時間には珍しいその存在の発見に、綾はそうとしか考えられなかった。おまけにそれを証拠付けるかのように顔をしかめ、腕を大きく振るっている。怒りを巻き散らかしているような雰囲気が遠目に眺めているだけでも伝わってきた。間違いなく、遊びに来ている訳では無いだろう。
ふと、今日の午前中に風の噂で聞いた話を思い出す。熊吉先生が夜のシーサイドタウンにいる寝子島高生を叱りに来ると言う。すれば現状この街にいる綾もまた、見つかればただでは済まないかもしれない。
いや、それより……綾は自身に迫っているだろうそんな危機感より、風紀委員である自身の勘が、胸の奥で何か訴えを起こしているのを感じた。
(あの人、生徒を見つけて、何をする気でしょう……。見過ごせない……)
本当の意味で悪い事をしている青年もいるかもしれない。だが同じかそれ以上に、正当な理由でもってこの街にいる寝子島高生もいるだろう。擁護すべき彼らに対し、興奮状態にある熊吉先生がぶつかりにいけばどうなるか……。不条理な暴力。例えそこまでいかなくても、悪質な罰則を与えたり、心を引きちぎるような暴言を吐き散らかすのかもしれない。綾にはそれがどうしても気にかかった。
「やっぱり、放っておけません」
教師と言えど、寝子島高校の生徒に危害を加える存在を自分が見過ごすわけにはいかない。更に帰りが遅くなるのは承知の上、綾はその背中を密かに尾けてみることにした
「ねぇねぇキミ、一人? この後ヒマ? よかったら俺の買い物にイッパツ付き合ってくれないかなぁ?」
「え? わ、私?」
とある洋服店の前にて、甘く陽気な声が口説き文句を連発している。声の主はあつらえたような爽やかな笑みを浮かべている
八十八旗 信彦
であり、甘い言葉を囁かれている相手は、洋服店から出てきたばかりの若い女性だった。
垂らしこむような視線の送り方と色気づいた口説き文句。まさに典型的なナンパである。
「いやぁ。素敵でセンスのよさそうな人だから、服の事とか俺に教えてほしくて。君にアドバイスしてもらえたら嬉しいな」
「す、素敵? 私が……。
じゃ、じゃあっ! ちょっとだけ、なら……」
麗句に麗句を重ね、丁寧に服を剥いでいくかのように女性の警戒心をゆっくりと解き解いてゆく。次第に緩まっていった女性の表情を見て、信彦はとどめと言わんばかりに、胸の中で温めておいた褒め言葉を投げかける。
「き」「このっ! バカタコォォッ!!!」
だが、その寸前。
女性に贈る筈だった言葉はいとも容易く遮られた。信彦の甘い声色とは全く別種の、野獣のように野太いがなり声は背後から。
「……え?」
「お前っ! こんな時間に何をやってる! 素行不良は許さんぞ!!」
その独特の罵り文句には聞き覚えがあった。おずおずと信彦が振り返ると、やはりと言うか、目に映った顔には気が遠くなる思いがしてならなかった。
「え? え? ……熊吉先生、どうしてここに?」
「お前らを見回りに来たに決まってるだろうが! それより……まさか高校生の身分で、変な店でバイトしてんじゃないだろうなぁ……?」
「ひ……ひっ!」
「あ、ちょっとキミっ!!」
突然にして、信彦と若い女性の間にずかずかと入り込んできた熊吉先生。女性がどうしていいのか分からずにたじろいでいると、ふとした拍子にそのいかつい顔と目があってしまい、たまらなくなって短い悲鳴を漏らす。
熊吉先生に睨まれて、何も感じない者も少ないだろう。女性は信彦に手短に謝った後、早足でどこかへと去って行ってしまった。
(あぁ……折角のレディが……)
「なんだぁ今のは。人の顔をバケモンでも見るような目で見やがって」
「……。熊吉先生。奇遇だね♪」
折角捕えた女性を逃してしまった喪失感もなくはないが、それより今は我が身の保守だ。ナンパの失敗にうちひしがれている余裕はなかった。信彦は胸中に渦巻く動揺を押し殺し、機嫌を取るような笑みを顔に張り付ける。なんでもないような顔をして、この場をしのぐための言い訳を頭の中で必死に組み立て続ける。
熊吉先生の苛立った顔が、いよいよこちらに向けられた。
「そうだ、お前! こんな所で何をしていた!?」
「いやいや待ってよ先生~ 俺は何もやましい事なんてしてないよ?」
口から出任せのその言葉が、果たしてどこまで通用したのか。熊吉先生の顔が更に曇るのは気のせいにしておき、信彦は言葉を並べ続ける。
「1-2のイケメン学級委員として、遅くまで働いてる同級生達が心配で見回りをしているのさっ」
「なにぃ? じゃあさっきの女性は誰なんだ?」
「あれは……ほら、聞き込み調査ってヤツだよ。俺も彼らがどこで働いているかだなんて、 具体的な事は知らないからね」
「……本当か? 客引きのバイトでもやってるんじゃねぇのか?」
「やだなぁ先生、俺の目を見てよ」
言うと、信彦はにんまりとした笑みを口元に浮かべて、自身の顔を指で示す。
「信じられんな」
「ひどっ!」
「まぁいい、バイトの制服でもないようだし……。なるべく早く帰るんだぞ」
「ははは、分かってるよ先生」
熊吉先生は始終にして訝しげな表情を変えなかったが、最後に疑うような目つきでじとりと睨んだだけで、街の奥へと言ってしまった。おそらく他の寝子島高生を取り締まるパトロールを続ける気だろう。つまり、自分は見事に回避できたというわけだ。
(よし、次のレディはどこかな~♪)
熊吉先生の背が完全に見えなくなってから、信彦は再び、大手を振って辺りを見渡し始める。シーサイドタウンに若者は絶えない、つまり女性の姿も絶えない。信彦が反省もなくそう決め込むのに、大した時間はかからなかった。
「じゃ、白石さん、またね~」
「はーい」
スーパーの前でのたわいない談笑の後、顔なじみである主婦と別れた
白石 妙子
が買い物袋を提げて歩く。今日はいろいろ用事がかさんで、しかも井戸端会議にずいぶんと花を咲かせてしまった。帰宅がこんな時間になってしまい、小学生の息子が家でぐずっていなければよいのだが。
(あらやだ、もうすっかり夜なのね。早く帰らなくっちゃ)
携帯で時刻を見れば、足取りも自然と早足になる。せっかくスーパーで買いそろえた冷凍食品や生ものも傷んでしまうし、何よりも夜道は危険だ。酔っ払いや変な人に絡まれてはたまらない。
焦りつつも、服飾の店の多い通りを渡る。
そこで妙子は、ふと、自分に向けられる粘りつくような視線を背筋で察した。
「んん~?」
「えっ?」
そして、中年男性の厳めしいうなり声。気のせいでもなんでもなく、妙子はおずおずと振り返った。酔っ払い? それなら、知らぬ素振りで素通りすればいいだけの話だが。
「ひゃっ!」
「見かけん顔だなぁ、何年何組だっ!?」
振り向けば、すぐ目の前にいた謎の巨漢。突如にしていかつい顔でにらんでくる男を目の当たりに、妙子は図らずも小さく悲鳴を上げた。酒に酔っているようには見えない、だが、落ち着いているようにも見えなかった。
(だ、誰かしら……コワイ人……)
「ったく! 担任は誰なんだ! そもそもこんな時間に何してる!?」
「えぇと、あの……子供の落とし物を探してて遅くなってしまいました。す、すみません……」
「……ん?」
本当に見知らぬ顔であると言うのに、自分が何故怒られているのか分からず、しかしそれを問おうにも相手を逆上させてしまいそうで不安がある。妙子は口元を抑えてただただ謝るしかなかったが、目の前のいかつい男の顔に、ふとした疑問の色が浮かんだ。
「……もしかして、寝子島高生じゃない?」
「え? は、はい。えっと……何かすいません」
「こ、これは失礼しましたっ!!」
ふと、目の前の男が姿勢を正し、妙子に頭を下げてくる。なにか勘違いをしていた様子は伝わってきたが、妙子はますます恐縮になって、こちらこそと謝り続けた。
暫くそんなやり取りを続けて、妙子が恐る恐るその正体を尋ねると、男は
吉田 熊吉
と名乗ってきた。寝子島高校の生活指導員であり、教員であると言う。
「あぁ、生徒の見回りを? そういうことでしたか、お勤めご苦労様です」
「ずいぶんとお若く見えたもので、勘違いしてしまいました」
「いえ、そんな……。」
「よろしければ、お子さんの落し物、探すのを手伝いますよ」
「あぁいえっ、もう見つかりましたので……。お気遣いありがとうございます」
熊吉の言葉に、妙子は遠慮交じりに手を振って答える。
「どうもすいませんな……。あぁそうだ。ところで、ウチの生徒は見かけませんでしたか?」
「いいえ。ゲームセンターとかは分からないですけど。私はただの買い物帰りの主婦ですし……。
あの……寝子島高校で何かあったんですか?」
「いやいや、何でもないです。ありがとうございます」
妙子が尋ねると、熊吉は慌てた様子で首を振って答えた。熊吉は最後に勘違いしてしまった事について妙子に謝罪を述べると、そそくさと行ってしまった。
(いい人みたいだけど、あぁ、恐かった……。これから怒られる子たちが気の毒ね……)
ぶっきらぼうな足取りで歩くその背中を見つめ、妙子は自身の頬を撫でながら、ほっと息を吐いていた。
もういいだろう。街の壁の影にて、熊吉先生の暴れっぷりの一部始終を覗き見ていた綾が、服の中から携帯を取り出す。携帯はビデオカメラ機能がつけっぱなされていた。熊吉先生のシーサイドタウンでの所業の数々も、動画によってしかと録画されている。
「男子高校生を乱暴な言葉で詰問。それに、勘違いをして普通の主婦の人に指導をけしかける……」
演技指導にて本職の探偵に教わった技術が役に立ったようだ。綾はここまで全く気付かれることなく熊吉先生を尾行することが出来た。何か問題を起こすのではないか、興奮したその姿を危険視しながら……。
呟きながらメモを取る。だが、それでも……。綾は冷静な眼差しを絶えず熊吉先生の背に送りながら、そっと息を吐いた。
(杞憂だったのでしょうか。さすがに、生徒にいきなり殴りかかることはしないようで……)
いきなり背後から大声を張り上げるのも十分に糾弾されるべきハラスメントであるが、綾が想定していたような、学徒が迫害されているような状態とは言えなかった。随所随所で乱雑で横暴な所は見受けられたが、一応、大人の振る舞いは出来ているように見える。手を上げた場面は今の所観察していない、だからといって、問題が皆無な訳では無いが……。
「今日の所はこれくらいにしましょう。この問題は、一日では収まりそうにありませんし」
完璧な調査の為に尾行を続けたい気持ちはあったが、かといって夜はどんどんふけっていってしまう。あまり遅い時間に街中をうろついたとすれば、それこそ他の生徒への示しがつかないだろう。綾は最後にその背中を遠い目で見据えた後、複雑な面持ちで帰路についた。
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tsuyosi
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月09日
参加申し込みの期限
2013年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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