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寝子島・大正・町歩き。
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さてその日、出店祭を取り行うという参道界隈には、その名の通り数多の出店と、それらを目当てに島内はもちろん本土からも集まった、数多の遊山客が溢れていた。向こうではハイカラなワンピィス姿のモダンガァルが衆目を集め、かと思えばそちらでは、ちんどん屋がテンツク練り歩く後を子どもらが一緒にはしゃぎ歩く。
とあらば件の不届き者もこの中に潜んでいようと、
愛猫 萌々子
はお勤めの時と変わらぬキリリとした軍服姿で、キッと辺りを見回した。
「不届き者が出た場合は呼んでください。話術に体術、もしもの場合は実力行使……と一通りの対応は出来ますから皆さんは出店の方へ」
伊達に帝国軍人を名乗ってはおらぬと、安堵させるように笑んで見せれば、さすがは将校さまだとしづと里三郎が頭を下げる。そうして各々、店とその前に設えた出店へと向かうのを見て――ほぅ、と萌々子もまた安堵の息。
わざわざ彼女をして「助けて欲しい」と依頼されたのだ、この用心棒、引き受けない道理はない。決して――そう、決して甘味に釣られたりしたわけではなく。釣られたりしたわけではなく!
帝国軍人としてかくあるべき、という理屈の前に、困っている人を助けるのは当然のこと、という道理がある。亡き兄だってそうしたはずだと、確かめるように胸元にそっと手を当てれば、微笑みが返ったような心地があった。
それに勇気付けられたような心地を覚えつつ、ヒラリとマントを翻して歩き出した萌々子の姿に、幾人かがこそこそと、またはさり気なく脇道へと逸れていく。抑止力としてはまずまず成功と言えよう――逃げた先で何か悪さをしたならば、その時はお廻りが捕まえるべきだ。
ゆえにちらりと視線だけをくれて、颯爽と歩き出した萌々子と入れ替わるようにカフェー・ネココを訪れた、
鴻上 彰尋
は屋台祭だからというだけではなさそうな忙しさを、敏感に感じ取って目を瞬かせた。常ならばこのカフェーは、コォヒィや甘味を楽しんだり、店主との文壇論議、時にはしづやごく稀に顔を見せる細君との世間話に楽しむ人で、賑やかながらも落ち着く雰囲気を湛えているものだけれども。
そのしづはカフェーの前に設えた屋台――テーブルを並べただけのものだが――に立ち、油紙に包んだ焼き菓子を並べている。まずはそちらに話を聞くのが良かろうと、彰尋はしづへと声を掛けた。
「こんにちは、しづさん」
「アッ、鴻上さん。いらっしゃいまし」
「うん、お邪魔するよ。――しづさん大変そうだね、何かお困りのようだけど……」
『いつも通り』の挨拶をしてからそう切り出せば、しづは頬に軽く手を当てて、そうなんです……と細く息を吐く。そうして語った事情を聞けば、なるほど中々に大変な事態のようだ。
ふむ、と少し考えてから、彰尋はゆえにこう申し出た。
「なら、僕もお手伝いをするよ。クッキィは足りているようだから、そうだね、マスタァを手伝ってコォヒィを淹れるのが良いかな」
「アラ! 書生さんにお手伝い頂くなんて、あたしがマスタァに叱られます」
「将校さまにはお手伝いを頼んだのに?」
しづの言葉に思わずそう尋ね返せば、うふふ、と悪戯がばれた子どものような笑みを浮かべて、それじゃあお願い致します、と頭を下げる。それにくすりと笑みを零して頷くと、彰尋はカフェーの店内へと足を向ける――コォヒィを頂くのは、これが落ち着いてからになりそうだ。
そんな風に、誰も彼もが忙しく立ち働き、それ以上に遊山客で賑わう参道界隈に差し掛かって、
稲積 柚春
ははた、と目を瞬かせた。来る時にも通りすがったはずのこの界隈が、確かにいつもより人出が多い気はしていたけれど、これほどに賑やかだと往路では気付かなかった自分に驚く。
だが、その理由もすぐに思い当たった。
(ご無事の到着を願って緊張していたから……)
柚春が女中として働く屋敷の主、
ウォルター・B
は、海外を飛び回って日本を不在にしている事も多い。今日はそんな主が帰国するという事で、港の方まで出迎えに行っていた柚春である。
外国まで行くような船はそうそう難破するような事はないと言うが、それでも不慮の嵐で沈没することも十分にあり得る話。ましてそれが柚春にとっての特別なたった1人なら、心配も募ろうというもの。
ゆえに辺りを見回す余裕もなく向かった往路であったから、祭の事を知ってはいても気付いてはいなかった。けれども気付いてしまったものだから、ちら、と先を行く主の背を見上げる。
(……きっとお疲れだろうし、一緒に見て回るのは難しいかな)
何か足りない物があれば「買って行きたいものがあるから」と伝える事も出来ようが――女中の言葉にもきちんと耳を傾けてくれる程度にウォルターは寛容な主だ――生憎と、屋敷は常日頃から完璧に維持してあるし、食料だってしっかりと買い足してしまった。何ならこの帰り道で、夕餉の主菜を決めるべくそれとなく今日の気分を聞こうとしていたくらいだ。
ゆえに口実が難しいと、細く息を吐きながら先を行く主の後ろを、荷物を抱えてついて行く。女中たるもの、主と並んで歩くなどとんでもない事だが、女の子としては彼の隣に並んでデート気分も味わいたいものだ。
そんな事を考えながら視線を投げた、出店祭の街角では
ゼロ・シーアールシー
が、見るからに怪しげな団子(?)とお茶(?)を並べた出店で、口上も高らかに客引きに精を出しているところ。
「よってらっしゃいみてらっしゃい、運が良ければ天上の美味を味わえる数少ない機会なのです」
そうと聞けば気になる者も多いようで、ゼロの出店の前には幾人もの人影がある。……が、その見た目が見た目だからだろう、なかなか購入の声は上がらない。
何しろ団子(?)は様々な色をしていて、発光したり動いたり小刻みに振動したり、怪音を発したりしているし、お茶(?)も同様に様々な色をしていて、たまに泡立っているものまである始末。これは本当に食べ物なのかと、二の足、三の足を踏むのもむべなるかな。
ジロジロと見ていた野次馬の1人が、そんな人々の内心を代弁した。
「そりゃぁ、本当に食いもんかい? 奇術や絡繰じゃねぇのか」
「謎団子も謎茶もちゃぁんと食べ物なのです。滋養豊富でこれを食べれば男は筋骨隆々、女はお肌プリプリツヤツヤ、子供は学業成績向上、お年寄りはどんな病魔も寄せ付けないのです」
「おっ、お肌……」
「う……っ、運が悪かったら……?」
野次馬へと返したゼロの言葉に、反応した幾人かが恐る恐る、といったていで尋ねれば、ゼロはすいと道端を指差す。釣られて見ればそこに居たのは、白目を剥き、泡を吹いて悶絶する男。
うわぁ……と誰からともなく声が漏れた。幾人かがその光景に恐れをなして去って行き、けれども逆に好奇心に目を爛々と輝かせた幾人かが、ずいと身を乗り出す。
そんな人々をにっこり見回して、ゼロは「さぁさぁ」と売り込んだ。
「あのように、運が悪ければ地獄のゲロマズ(でも死なない)ですが、このお団子は幸運を招く呪物でもあるのです。マズければ厄の先払いなのです。美味しければ吉兆なのです」
運試しにおひとつ如何、と告げれば受けて立つと、金子を握った手が幾つも突き出される。そうして上がる悲喜こもごもの悲鳴を聞きながら、
倉前 七瀬
はゼロの出店の前も、その他の美味しそうな匂いを漂わせている出店の前も通り過ぎて目当ての店へ。
参道界隈の出店ならば本を扱っている所もあろうと、心当たりの本屋の辺りを巡って見れば案の定、軒先に書棚を引っ張り出して営業している店がある。
(……これは出店って言うんですかね?)
あまりの力技に苦笑いが零れたものの、選ぶ余地が多そうなのは何よりだ。屋台だったら並んでいる本も少なかろうと、予想していたのを良い意味で裏切られた。
後は掘り出し物があれば重畳だと、まずはざっくり眺めて気になったものを手に取り、ぱらぱら捲る。途端、オホン! と咳払いが飛んで来たのに肩を竦めた。
「ちゃんと買いますけん……」
気に入ったのは、と小声で付け足しながらこちらを見ている老爺に告げて、七瀬はまた本をめくる。――どうやらこれは大衆娯楽小説のようだ。
これはこれで面白くはあるのだけれど、今日はなんとなく純文学を嗜みたい気分である。否、それともいっそ辞書の類を読んでみるか。
あれこれと楽しい思索にふけりながら、七瀬は本の杜をさ迷い始めたのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月11日
参加申し込みの期限
2023年02月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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