this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島・大正・町歩き。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
「少し落ち着いてきたようだね」
店内から運んできたコォヒィのトレイを手渡しながら、
鴻上 彰尋
が告げた言葉にしづが「そうですね」と頷いた。お昼時になったからだろう、開始当初こそ物珍しげにやって来たり、彰尋のような常連の客が顔を見せたものだけれども、今は訪れる客もだんだんとまばらになって来た。
ふむ、とその向きに彰尋は思索を巡らせる。
「カフェーの方も今は人手が足りているようだし、俺は少し出て来るよ。客引き……とまではいかないけれど、カフェー・ネココの宣伝をして来よう」
カフェー・ネココにも軽食メニュウはあるものの、そもそもカフェー自体を敷居高く感じる向きもあるだろう。また、軽食メニュウがある事を知らなかったり、知っていたとしても昼時ならばしっかり食べたいと飯屋などに足が向いていることも予想される。
それに――じっ、としづを見た彰尋に、きょとん、と少女が小首を傾げた。それに何でもないと首を振り、チョット出て来るよと言いおいて出店祭の人混みの中を歩き出す。
カフェー・ネココでは提供していない『美人女給の接待』は、けれども残念ながら昨今、所によっては『カフェーに美人女給の接待が無いなんて有り得ない』と言うくらい、主流になって来ていた。どちらかと言えば、カフェー・ネココのようなカフェーは、少数派になりつつある。
それを、好ましく思っていないのは彰尋も同じだった。だからカフェー・ネココの宣伝をして、1人でも多くにそのコンセプトを知ってもらって――そうしてまた、美人女給ではなくコォヒィを、そして空間そのものを楽しむためのカフェーが流行ってくれたら。
そんな事を思いつつ、さてどう宣伝するかと考えながら歩き出した人混みのはるか先の古本市で、早々に本を選んで会計も済ませてしまった
綾辻 綾花
は、店番の猫を抱き締め撫でながら、
早川 珪
が本を選び終えるのを待っていた。その姿を見つめる瞳には、至福、と書いてある。
今までは独り歩きも許された場所にまでお目付け役が付いてくる、この状況には不満しかないのだけれど、許嫁だからではなく1人の人間として珪を好いている綾花にとって、彼と過ごせる時間が増えるのは嬉しい。物腰やわらかで、笑顔が眩しくて、紳士な珪は綾花にとっての憧れで、ああして古本を選んでいる姿すら格好良いものだから、ついつい目で追い見惚れてしまう。
そんな綾花の視線に気付いた珪が、時折確かめるように綾花の方を振り返った。胸に抱いた猫の前足を持ち振ってみたら、目元の辺りが笑みに緩んだように見える。
ふふ、とそれが嬉しくてふんわりした毛皮に顔を埋めると、うなー、と抗議とも同意ともつかない鳴き声がした。おとなしくて可愛い店番猫のたまは、綾花のお気に入りだ。
と、すぐ傍に開いている露天に並ぶ髪留めに、目を奪われた。胸に抱くたまに似た、可愛らしい雰囲気の、だがどこか硬質な髪留め――欲しい、けれども。
己の所持金を思い出し、今日は無理そうだと綾花は細い息を吐く。店によってはお代は屋敷に取りに行ってもらうことも出来るけれど、此処はそうではない。
次に来る時まで残ってたら良いのだけれど、そう思いながらも名残惜しく見つめていたら、綾花さん、と肩が叩かれた。
「終わったよ。そろそろ行こうか」
「アッ、珪さん。はい、行きましょう――たま、またね」
いつの間にか買い物を終えていたらしい許嫁に、頷きながら綾花は胸に抱いていた猫を開放し、ひらりと手を振って珪の腕を取る。そうして反対の脇に抱えた風呂敷包みをひょい、と見つめて「どんな本を選んだんですか?」と尋ねた――単純に知りたい気持ちと、あわよくば後から読ませてもらえたら、という気持ちで。
その頃カフェー・ネココでは、嬉しい再会をした
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
が、コォヒィとワッフルを前に目を輝かせていた。
「懐かしい……! あぁ~、この香り……やっぱりここのコォヒィが一番だよね」
「ワッフルも、リンゴジャミも全然変わってないね。ホッとする……」
運ばれてきた注文を前に、そんな大絶賛をする2人の言葉を聞いて、日頃は紳士然とした真面目な表情を崩さない主人も、誇らしげにも嬉しげにも見える表情を浮かべている。そんな所も変わらないと、顔を見合わせた理緒と紗月はこっそり笑みを零した。
店内の様子はさすがに帝都の頃のそれとは変わっていても、供されるメニュウの味は何も変わらない。いつもカウンターにいる主人の雰囲気もあの頃のままで、そのせいだろう、まるで帝都のあのカフェーに戻ったかのような心地がした。
理緒が嬉しげに店主に告げる。
「突然だったんで、びっくりしたんですよー。どこかに移転されたのかなって探したけど見つからないし、そもそも帝都のカフェーは最近、私達にはその……入りにくいお店も増えて……」
「もう帝都には戻って来られないんですか……?」
その言葉に頷きながら、紗月がそっと問えば主人は苦虫を噛み潰したような、苛立ちを隠しきれないような表情になって、戻りませんよ、としっかり首を振った。
「お嬢さん達のように、コォヒィをただ楽しみに来てくださっていた方も多かった。でもね、仰る通り帝都のカフェーは破廉恥なサァビスをする所も増えて、同じ事をしないのかと恥知らずにも聞いてきた客も居たんです」
「そう、だったんですね……」
「でも、おかげで寝子島に行く楽しみが1つ増えました」
それが酷い侮辱を受けたように耐え難く、ついに帝都を去って新天地で一からカフェーを始めようとこの寝子島へやって来たのだと、やり場のない憤りを噛み締めるように語る主人に、紗月は痛むような眼差しになり、理緒はリンゴジャミをたっぷり乗せたワッフルを頬張りながらにっこりする。自分達も帝都暮らしだからあの街の空気の変化はよく解る、服飾モデル以外の『サァビス』を言外に求められた事も無いではないし。
そんな事を話しながら過ごす店内は、けれども総じて見れば穏やかだ。ここなら落ち着いて過ごせそうだと、
八神 修
は向かいに座る
七夜 あおい
を見ながら思う。
最近は良からぬ輩がうろついているからだろう、常以上に周囲から向けられる眼差しに、あおいは敏感になっているようだった。それでなくとも『男女7歳にして席を同じうせず』という格言があるくらい、殊に高等学校や女学院に行くような家柄の子女には、厳しい目が向けられるのが当然。
そんな中で親愛なる友情を――修としてはそれ以上であって欲しいといつも願っているのだけれど――育む修達が、好意的ではない目で見られることがあるのもまた、仕方のない事だった。それを覚悟の上で、修もあおいを誘い続けているのだけれども。
(せめてこのカフェーの中でだけでも、彼女をそれから開放し心を安らがせられたら……)
フルーツパンチを美味しそうに食べているあおいを見ながら、修はそう願って止まない。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島・大正・町歩き。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月11日
参加申し込みの期限
2023年02月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!