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選択肢が少な過ぎるのは困りものだが、多くても『あれもこれも』と目移りをしてしまって、やっぱり困りものである。とはいえ幸せな悩みですかねぇ、と思いながら飲食も忘れて本の海をさ迷い続けていた
倉前 七瀬
は、ふと背後に人の気配を感じて動きを止めた。
人の気配、といっても怪しげなそれではない。どちらかといえばこの気配は良く知っている――随分と久しぶりだけれども、この日本に在っては良きにつけ悪しきにつけ否応なしに目を惹いてしまうだろう、陽光に輝く金髪に空の如き青い瞳は、間違いなく――
「おや、ウォルターさん。奇遇ですねぇ」
口調ばかりは平静を取り繕いながらも、内心は飛び上がらんばかりに喜びながら、七瀬は振り返りつつそう言った。過たず、そこには半年ほどぶりに再会する
ウォルター・B
が、半年前と少しも変わらぬ姿でそこに居る。
もし見えたならブンブンと振られている尻尾が見えたかもしれないと、使い古された冗句さながらの様子の七瀬を見て、おやぁ、とウォルターが目を見開いた。
「お久しぶりだねぇ、倉前」
「ええ、とんとご無沙汰で。――今日は、ウォルターさんも出店祭に興味があって来たとでしょうか?」
「いやぁ、僕は欧州帰りだよぉ。久しぶりの日本だから、ゆっくりと雰囲気を味わいたくてねぇ」
ちょうど良いタイミングだったみたいだねぇ、と悪戯が成功した子供のような目をして笑うウォルターに、そうだったんですね、と七瀬は頷く。欧州に行っていたのなら、道理でしばらく姿を見ないはずだ。
それなのに祭の中で偶然出会えるなんて、これはかなりツイているのではないだろうか。寝子島神社のご利益ですかねぇ、と参道界隈の先に在る神社へ思いを馳せる――あとでお礼参りでもしておこうか。
そんな事を埒もなく考えている七瀬の、手の中に在る本にウォルターは興味を持ったらしい。ジッ、と視線が手の中に落とされたのに気が付いて、ああ、と彼の前に軽く掲げて見せた。
たははー、と本人的には困った笑いを、あまり困っていなさそうに零す。
「僕は見ての通りというか、いつも通りというか、本を探しに来たとですけど、どれにするか迷ってしまってるんですよねぇ」
「なるほどねぇ。倉前はいつも、本を探しているよねぇ」
「面目ない……いえいえ、本を読んでる時にもちょっとは会いましたよねぇ?」
ウォルターの納得の頷きに、相槌を打ちかけて慌てて訂正した。ちょっとは――たまには――確か一~二辺くらいは――どこぞの店で本を読んでいた時に遭遇したはずだ。
そう主張するとウォルターが、そうだったけねぇ? と首を傾げる。けれどもその顔が笑っているので、揶揄われているのだと知れた。
むぅ、と唇を曲げる七瀬と、それを面白げに見るウォルターの横を、
万条 幸次
は足早に通り過ぎる。刹那、その本屋の前に並ぶ書物をちらりと眺めたが、やはり高いとすぐ目を反らした。
態々寄らずとも、今日は良い戦利品があるのだから――そう自分に言い聞かせて歩く幸次の鼻腔に、何やら良い香りが漂ってくる。
(この香り……コォヒィかな……? 何やら甘い匂いもするような……)
それと気付いて思わず足を止めれば、まるで自己主張をするように腹がぐぅぅ……と鳴った。空を見上げれば、もう昼時を過ぎていたようだ。
う、とつい腹を押さえながらその香りの方へと歩き出したのは、空腹を自覚してしまったせいが大きい。下宿に戻れば何かしらはあるだろうが、学生の身分ではたかが知れている。
ゆえに誘われるように歩いた先に在ったのは、何度か前を通りがかった事はある、だが見るからに敷居が高そうで1度も入った事はないカフェーだった。此処もどうやら今日の出店祭に参加しているらしく、店の前に並んだ机の上にコォヒィと、それから油紙に包んだ何かが置いてある。
ジッ、とその様子を見つめていた幸次に気が付いて、そこに居た女給が声を掛けてきた。
「いらっしゃいまし。コォヒィとクッキィは如何です? どちらも7銭ですよ」
「7銭……ならコォヒィを1杯頼みます」
祭ゆえなのかもしれないが、コォヒィが7銭とは中々破格のお値段である。幸い入り用の本がすべて古本市で揃ったおかげで財布にも余裕があるし、と注文すると女給が笑顔でコォヒィの入ったカップを渡してきた。
こく、と一口飲んだら口の中に、コォヒィの苦みと旨味、鼻に抜けるような香りがいっぱいに広がる。この味を7銭とはずいぶん破格な、と目を瞬かせた幸次の小脇に抱えた包みを見た女給が、あの、と小首を傾げるように傾けながら幸次の顔を覗き込んだ。
「書生さんですか? でしたらどうぞ、カフェーの中でゆっくりお過ごし下さいな。お席代なんて頂いてませんから」
「そうか? いや、でも……」
見るからに洒落たカフェーの店内に、お邪魔するのはさすがに少し気が引ける。そう断ろうとしたその時、 バターン! と扉を乱暴に開く音が耳に入った。
ハッ、と2人そろってそちらを見れば、大きく開かれたカフェーの入り口に、後姿だけでもならず者だと判る男が居る。その肩越しから見える店内の、カウンターの中に居る主人らしき男性の眼差しに、剣呑な光が宿った。
もちろん、店中の客の視線も入口へと向けられて、戸惑いと恐怖で見つめる者と、またかと諦観を貼り付け視線を戻した者に分かれた。
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
は前者だ――否、帝都ではたまに遭遇する光景ではあるけれども。
「なんだぁ? 美人女給はやってねぇってご高説垂といて、てめぇは美人を侍らせてんのか?」
そんな管を巻く男に、理緒の眼差しにも剣呑なものが宿る。元より血の気の多い性格である、おまけに帝都の荒波にもまれながら服飾モデルなんてやっているのだ、気の強さは折り紙付き。
ゆえにガタンと立ち上がった、理緒に男が「おや」と意外そうな顔をする。次いで理緒の鋭い眼光に気が付いて、う、と少したじろいだ。
理緒ちゃん、と紗月が袖を引きながら小声で呼ぶ。それに軽く手を挙げつつ、理緒はズンズンと男へ勇ましく向かって行った。
「な、なんだオメェ……!」
「なんだはこっちよ! いきなりやって来て因縁つけて、あんた何様のつもりなの!?」
元が小物なのか、それとも美人に怒られるという経験が無いのか、腰が引けている男に理緒が指を突き付け、容赦なく攻め立てる。その様子と、逆上した男に襲われでもしたら、と顔色無くしておろおろする紗月を見比べた主人が、お嬢さんがたも変わってませんね、となぜかしみじみ呟いた。
その間にも理緒と男の口論は(一方的に)ヒートアップし、さすがに甘味どころではないと店内の客の何人かがそそくさと脇を抜けて帰っていく。まだまだ江戸っ子気質の残る帝都ならば『喧嘩も華』と翌日には何事もなかったようにまた客がやって来るものだが、さて、寝子島ではどうだろう。
鴻上 彰尋
がカフェーへと戻って来たのは、ちょうどそんな頃合いだった。さすがにこれほどの騒ぎとなれば少し離れた所からでも気付く、何かあったのかと慌てて駆け戻るその最中で、カフェーを囲む野次馬の中に見知った顔を見つけて思わず足を止める。
「あおいさん?」
「アラ、彰尋くん」
それは彰尋の『特別な』友人である、
七夜 あおい
だった。どうしてこんな所に、と目を瞬かせると少し前までこのカフェーに居たのだという。
それでは恐ろしい思いでもしたのかと、案じる眼差しになった彰尋に気が付いて、あおいは慌ててパタパタと手を振った。
「アッ、でも騒ぎが起こる前だよ。昼時だから家に帰ろうとしたら、騒ぎに気が付いて」
「そうか。あおいさんに大事が無くて良かった」
「ふふっ、心配してくれてありがとう。彰尋くんは?」
「俺は、このカフェーの手伝いでチョット宣伝と客引きをしてきて……」
ほら、と連れ帰って来た客を振り返ったが、この騒ぎに恐れをなしてしまったのだろうか、そこには誰も居なかった。ふぅ、とため息を吐いて頭を掻く彰尋に、すごいね、とあおいが尊敬の眼差しを注ぐ。
そうでもないよと、そんなあおいに首を振った。現に今、客に逃げられてしまったし。
それからふと思いついて、そうだ、とあおいに声を掛けた。
「良かったら、あおいさんも少しだけ手伝いをしていかないかい? お手伝いをすると、甘味が食べ放題になるみたいだよ」
「えっ、そうなんだ? うわぁ、それは素敵だね!」
彰尋の勧誘に、あおいがパッと目と顔を輝かせる。女学生にたまに見られる気取った所の少しもない、好奇心旺盛な彼女の笑顔に、彰尋も知らず柔らかな笑顔になった。
じゃあ紹介するよとカフェー・ネココに入りかけて、入り口の辺りに所在なげに佇んでいる幸次に気付く。
「あ、お客さんかな? ようこそ、カフェー・ネココへ――チョット今は騒がしいけれど、普段は静かで落ち着く店だよ。僕もよく読書しに来ている」
「そう、なんだ……?」
「さっき頂いたフルーツパンチも美味しかったわ。彰尋くん、他にお勧めはある?」
「そうだね、何と言ってもコォヒィと、クリィムあんみつかシベリヤが僕は好きかな」
そんな彰尋の勧誘に、幸次が虚を突かれたように瞬いた。そこを畳みかけるようにあおいと2人で勧誘すれば、それなら……とまだ躊躇いがちながらも、カフェーに足を踏み入れてくれたので、どうにか宣伝の役目は果たせたと、彰尋はほっと胸を撫で下ろす。
その頃カフェーの外では理緒が――白熱するあまりいつの間にか店外に出ていた――ついに男を追い払い、観衆の拍手喝さいを浴びていた。その段になって、あれ? と我に返ったがまあ、結果良ければなんとやらというヤツだろう。
観衆の中、ひときわ目を輝かせて手がちぎれんばかりの拍手をしていたしづが、姉様、と駆け寄ってきた。
「姉様……?」
「はい、姉様! しづは感動しました。お綺麗なのに、お強くもいらっしゃるなんて……素敵です!」
そう告げるしづが袖口から取り出したのは、理緒と紗月が表紙の服飾モデルを務めた、少女向けの大衆雑誌である。どうも、密かにファンだったらしい。
理緒の代わりに支払いを済ませて出て来た紗月と、思わず顔を見合わせた。それから揶揄うようににっこりして、紗月の手を取り雑誌の表紙と同じポーズをして見せると、キャァァァァァ、と顔を真っ赤にして喜んでくれる。
こんな所にもファンが居たんだね、と苦笑にも似た笑みを交わして、またね、としづに手を振り2人は歩き出した。
「もう、理緒ちゃん無茶するんだから……」
「ごめんごめん。次はどこ行こうか? アッ、チンドン屋が居る、追っかけよう!」
「えっ、え……ッ!?」
そうして翌日帝都に帰るまで、2人は大道芸人を楽しく観たり、細工物を扱っている出店で装飾品を見繕ったり、楽しく過ごしたのだった。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月11日
参加申し込みの期限
2023年02月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月18日 11時00分
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