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寝子島・大正・町歩き。
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当世流行りのモダンガァル・ファッションと言えば、この季節なら膝下まであるスカートに頭の形にぴったりとしたクローシェ帽、その下から覗く髪はショートカットやフィンガーウェーブ。色も柄もモダンな装いは、まるでパッと花が咲いたよう。
そんなモダンガァルの1人、否2人である
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
もまたショートカットの髪を風に揺らして、参道界隈をそぞろ歩いていた。普段は帝都で服飾モデルをしている2人だから、風を切って歩く様子も実に当世風でモダンである。
ゆえにすれ違った幾人かが、ほぅ、と感嘆の息を漏らして振り返ったりもしたのだが、そのような視線など帝都で浴びるほどに受ける理緒は、意に介した様子もない。代わりに傍らの紗月が恥じらうように微笑むので、今度は何やら別の視線も増えたりするのだが。
すん、と辺りに漂う匂いをかいで、理緒は楽しげな声を上げた。
「うわー……あちこちでおいしそうなにおいが漂ってる。でも、あれもこれも食べたら太っちゃうよね。仕事に響いちゃうと困るし、厳選して食べなきゃ」
「うん……ねぇ理緒ちゃん、あの話、どうするの?」
そんな理緒に頷きを返しながら、紗月が軽く首を傾げる。あの話――活動写真の女優にならないか、と誘われた件だ。
服飾モデルとして婦女子から人気を博している2人だが、この業界としては珍しい事に、活動写真などの女優業は行っていない。銀幕スタァが雑誌などのモデルを兼ねるのが一般的だ、服飾モデル専門の2人を女優に……という声が上がるのは、当然と言えば当然の話だった。
その話に、理緒は乗り気でいる事を彼女の仕事上のパァトナァ、そしてエスである紗月は知っている。けれども引っ込み思案の紗月には、銀幕スタァはどうにも恥ずかしく恐れ多くて、気乗りがしない。
何度も2人の間で出たその話に、そうだねぇ、と理緒は視線をさ迷わせた。もちろん理緒だって、彼女のエスが気乗りしていないことは、さすがに事ここに来れば解っている。
後でゆっくり話そうよ、とゆえに理緒はその結論を先延ばしした。
「せっかく久しぶりの休暇で寝子島に帰って来たんだもん、色々見て回ってさ、今夜また話そ」
「――うん」
それは文字通りの先延ばしではあったけれども、誠意のこもった提案だったから、紗月は微笑みを浮かべて頷く。それに理緒の言う通り、本当に――本当に、寝子島に帰って来るのは久しぶりなのだ。
売れっ子ゆえに、鉄道での行き来にも時間がかかるからと帝都に居を構えて、もう幾何になるか。すっかりあちらに水も馴染んだようにも思うけれど、やはり故郷の風は格別だ。
ゆえに、変わった所、変わらぬ所を2人であげつらいながら参道を歩いていたら、ふと、コォヒィの匂いに誘われて足を止めた。帝都ならば珍しくもないカフェーだ――とはいえ寝子島にもこんなカフェーがあったのかと、驚きながら見た看板には『カフェー・ネココ』の文字がある。
前に設えられた出店には、理緒たちとさほど変わらぬ女給がコォヒィと、油紙に包んだ焼き菓子を売っていた。へぇ、と何となく心惹かれて歩み寄った、2人は店の硝子窓から見えた店内に、アッ、と驚きの声を上げる。
「あの人……!」
「帝都でよく行ってたカフェーのご主人、だよね」
驚きに目を見張ったのは、店内で如何にも品の良さげな洋装に身を包んだ男性が、今は無き帝都のカフェーの店主だったからだ。理緒も、紗月もあのカフェーのコォヒィが大好きだった――香りも苦みも大人の味わいで、未だ見ぬ異国を思わせて――本当に美味しかったのだ。
けれどもそのカフェーは突然閉店してしまった。折しも帝都では美人女給の接待が主流の『男のカフェー』が増えて来て、気軽にコォヒィを楽しむにも店を選ばねばならなくなってきたのもあって、それが本当に残念で――それがまさか、故郷の寝子島で再会出来るなんて。
互いに顔を見合わせて、うん、と頷き合って入口へと足を向ける。いらっしゃいまし、と出店に立つ女給がパタパタ駆けて来て、彼女達の前の扉を開いた。
そうしてカランと鈴を鳴らして閉まった扉の向こうに広がる、出店祭の片隅では
八神 修
が、なぜだかこの光景を初めて見るかのような心持ちで、きらきらと目を輝かせている。
「凄い……記録でしか知れない世界だ」
「そうなの? でも確かに、参道界隈でこんなに出店なんて、チョット珍しいよね」
そんな修の感動に、少し後ろを歩いていた
七夜 あおい
が不思議そうに眼を瞬かせた。それから辺りを見回して、物珍しげに幾つかの出店を見つめる。
そうだよ、と頷きを返しながら見上げた空の、澄み渡る蒼が目に染みた。この景色を少しでも切り取れたらと、学生鞄と共に下げていた風呂敷包みから取り出したのは小型カメラだ。
まあ、と物珍しげに見たあおいの視線に、気付いて修は鏡玉(レンズ)の先を空からあおいへと向けながら、先般手に入れたんだ、と嬉しそうに語ってみせた。
「ライカの0型さ。独逸に伝手のある人からね。これは面白いよ、中に映画用フイルムが入っていてね……」
多芸な趣味を持つ修は、カメラについてもどうかしたら帝都のカメラ愛好家にも追随を許さないような、豊富な知識を持っている。それに留まらず、有志で刊行されている写真誌で先日は賞を頂いたくらいだ。
そんな彼がひょんなことから手に入れた、この珍しい小型カメラに思い入れがない訳はなく。写真を撮りながら楽しげに語って聞かせる、修の話にあおいがにこにこと相槌を打つ。
その、珍しいカメラを手に入れてきた『独逸(厳密には欧州)に伝手がある人』こと
ウォルター・B
の背中を見ながら
稲積 柚春
は、こうしてのんびりと散歩しているだけでも嬉しいな……と思い始めていた。
(ようやくウォルターさま……ワットの傍に居られるんだもんね)
何しろ、欧州は遠い。片道だけでも4~50日はかかるそうだし、そこで用事を済ませたり、場合によっては船旅に良い季節を待ったりするのだから、あちらのタウンハウスで1~2ヶ月過ごす事は珍しくない。
実際、ウォルターが帰国したのも台風や嵐を避けての旅程だったため、実に半年以上ぶりである。となれば女中としても、恋する女の子としてもウォルターについて行きたいと思ってしまうのだが、同時に、彼の戻れる居場所を整えて待つことも結構好きなのだった。
閑話休題。
真っ直ぐ屋敷に戻るかと思われたウォルターは、だが予想に反して出店祭の賑わいの中を歩き回っている。最初は気の向くままに歩いているのかと考えていた柚春は、だがどうやら何かを探しているらしい、と気付いて目を瞬かせた。
それからウォルターの視線を行方を、慎重に見定めて。
「――ウォルターさま。あの茶屋はカフェーにも負けず人気ですよ、おいしいお団子があって」
「へぇ……そうなんだ?」
柚春は詳しいんだねぇ、と本気で感心しているらしい声色と、向けられた碧眼に浮かんだ色に苦笑する。柚春は寝子島で暮らしているのだし、ウォルターは寝子島に居ないことが多いのだから、彼よりも詳しいのは当然だ。
とはいえ尊敬と関心を向けられるのは悪い気分ではない、どころか大変に嬉しい気分だったので、柚春はその誤解を解かないことにした。代わりに『出来る女中』として胸を張る。
「ウォルターさま、今回も長の船旅でしたから、屋敷に戻る前にひと息ついて行かれますか? 注文して参りますよ」
「そうだねぇ。なら頼もうか――ああ、柚春の分も頼んでおいでよねぇ。出迎え、大変だったでしょう」
「……! はい!」
そうして告げられた言葉にパッと頬を染め、柚春は茶屋へ向かってパタパタと走り出した。使用人など同じ人間とも思っていない主も珍しくない中で、ウォルターは折に触れて女中の事も気遣ってくれる、良い主だ――嗚呼、それが『柚春だから』だと己惚れる事は、許されるだろうか?
そんな事を考えながら、小走りに駆けて行った茶屋から少し離れた立ち食い寿司の屋台では、無事に商品を売り切った
ゼロ・シーアールシー
が稼いだお金を元手に、まずはここから、と並んだ寿司をじっと品定めしている所。――え、全部売れたんだ?
とまれ、ゼロは真剣に目利きをして、どの寿司から食べるか考える。そもそも、並んでいるネタは全部1つずつ食べるつもりなのだが――最近は屋台でも一口で食べられる小ぶりの寿司が増えて来て、食べ歩きにはありがたい――どのネタから食べるかは重要だ。
繊細な味の白身から行くか、しっかりとした味わいのヅケにいきなり手を出すか。ふむん、としばらく考えてゼロは、コハダから試すことにした。
はいよ、と出された寿司を一口で頬張る。途端、これは、と目を見開いた。
「酢のしめ具合が完璧なのです……握りも口の中でほろりとほぐれる見事なものなのです」
「おや、解るかい。お嬢ちゃんだと見縊っちゃいけないな……なら次はコイツを試してみな」
ゼロの言葉を聞いた店主が、軽く眉を上げて面白そうに、タン、と新たな寿司を出してくる。見た目は白身だ――例外はあるが、白身は寿司職人ですら修行不足だと見分けるのが難しい、ある意味で玄人向けのネタと言えるだろう。
それを何の説明もなく出してくるこの店主が、ゼロに何を求めているのか。考えながらもお茶で口を漱いでから、ひょいと一見無造作に手を伸ばし頬張ったゼロは、新たな衝撃にさらに目を見開く。
「これはカレイ……? どうやっているのか判らないのですが、採れたて新鮮そのもので臭みが一切無いのです。ご店主、只者ではないのですー」
「ふっ。それが判るお嬢ちゃんも、只者じゃねぇな」
屋台ごしにそう言い合い、にっと唇の端を上げて笑みをかわす。そうして和気藹々と寿司について語りながら、方や寿司を握り、方や握られた寿司を食べるその空間は、傍から見れば一つの世界が完成しているように見えたとか。
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蓮華・水無月
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月11日
参加申し込みの期限
2023年02月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月18日 11時00分
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