this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
85
つぎへ >>
おいしくて幸せ、これが綾花のいつわりなき感想だ。
珪先生といろんなお店を回って「トリックオアトリート」と告げて回った。どの店も配布するお菓子は一口サイズだが、それだけにちょこちょこと回りたくなる。それぞれの個性も味わえる。
「書店もキャンペーンに参加しているんだね」
珪も綾花なじみの本屋で一口チョコを受け取って驚いていた。書店にチョコとは不思議なとりあわせだが、寝子島ならなんら不思議はない。こうやって気軽に足を運んでもらって、このごろネットが主体になりつつある実店舗を、少しでももり立てようという趣旨だろう。綾花もネット通販はまず利用せず、書籍購入はもっぱらこの店なので店がなくなったら困る。応援したい。
「たくさんもらっちゃいましたね」
もらってももらっても参加店舗はあり、去年よりもずっと増えているようだった。気がつけば袋はいっぱいの綾花である。ここでふと茶目っ気を起こして珪に告げてみた。
「先生お願いなんですけど」
「なんだい」
「『トリックオアトリート!』って言ってくれませんか? 私に」
小鳥に似た表情をわずかに見せた珪だったがすぐに応じてくれた。
「トリックオアトリート……?」
「お菓子はありません」
そこにあるじゃないかと珪は綾花のもつ袋を指した。遠慮がちに綾花は笑って返事する。
「いえ、そうじゃなくて。こう返事したら先生はどんなトリート、つまり悪戯(いたずら)ですね、をしてくれるのかなぁ、って」
珪が苦笑するのがわかった。
「ごめん、そういう機転はきかないんだ。僕がダンスフロアの中心にはいられず、いつも壁の花なのはこのあたりに理由があるのかもしれないね」
どうやら彼を困らせてしまったらしい。慌てて綾花は言った。
「い、いえ、私こそ、急に無茶振りしてしまったみたいで、ごめんなさい」
それにお菓子ならあるんです、と、カボチャ入りのジャックオランタン型クッキーを手渡した。
ありがとうと嬉しげに受け取り、そうだと珪は告げた。
「悪戯とはちがうかもしれないけど、驚かせることならできるよ。僕はね、うんと若い頃、結婚していたことがあるんだ」
えっと綾花は息をのみ、そのまま二の句が継げなくなった。
「驚いたかい?」
という珪の声が、ずっと遠い世界から響いてくるように思えてならない。
私を驚かせるための冗談?
それとも本当の話……?
先生は大学時代には恋人がいなかったみたい、だけど、それはすでに身を固めていたから?
彼の表情は落ち着き払ったもので、痛切な真実を明かしたようには見えないが、かといってふざけているようにも見えなかった。
立ち位置三十センチ四方を中心に、ぐるぐると地面が回転しているような気がした。
「ト、トリックオアトリートです先生」
それでも今度は自分が驚かせる番、綾花はかすれ声で告げたのである。
「耳、貸してください」
「うん?」
その瞬間、綾花は彼の耳に唇をつけたのである。ごくごく軽い、ふれたかふれないかわからないくらいの、けれどとても熱いキスだった。
珪は目を丸くしたが、キスされたというより息を吹きかけられたと思ったようだ。
ドキドキする。
先生もドキドキ、してくれただろうか。
でもこの動悸は純粋に、思い切ってキスしたためのものなのだろうか。
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
紗櫻都と歩きながら、想花はパレードを歩き続けている。
「あの仮装すごいね」
「あの人もすごいや」
「あの店行ってみない?」
といった調子でずっと彼女が話しかけてくるので、半分上の空ながら明確な返事をするように気をつけた。滴が姿を消した十月、気落ちしている想花を見かねて紗櫻都は声をかけてくれたのだ。その心配りに感謝するためにも、暗い表情でいるわけにはいかない。
でも、また。
降りつづける光が想花のなかで、ふたたび小説の言葉に変化している。
想花は思い出していた。
滴さんを追う過程で、ぼくのなかで封印していた記憶が目を覚ました。
忌まわしいという表現は手垢がついた言い回しだが、他に適切なものが思いつかない。
当時八歳だった想花の記憶、肉の記憶だ。芋虫のような指に肌をさぐられ、蛭のような舌で秘所を汚された。男の息は生ゴミのような匂いがした。どす黒い赤の記憶でもある。
光の雪、言葉の雪が想花の周囲に積もりはじめている。けれどいくらさぐろうと、『聖女』の言葉は見つからないだろう。想花の小説には一度もあらわれず、これからも決してあらわれないであろう言葉だからだ。
だよね。理解できたよ。
こんなかたちで、だけどね。
ぼくの心にあの日の穢れがシミのようにこびり付いている。
そんなぼくに、穢れのない聖女なんて書けるわけないじゃない!
「どうしたの? 気分でも悪い?」
紗櫻都の手に支えられてようやく、想花は自分が倒れかかっていることに気がついた。
「大丈夫、ちょっと立ちくらみしただけだから」
紗櫻都には悪いと思う。
けれどいま、ぼくのそばにいてほしいのは君じゃない。
滴さん……。
滴のことを思うと気が狂いそうだ。
どうしたらいいんだろう?
ぼくは、どうしたらいいんだろう?
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
85
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!