this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
…
85
つぎへ >>
奇麗な薔薇のたとえのごとく、華やかなパレードもときとして毒針を隠しもつものだ。
あいつ、コスプレじゃないね。
サキリ・デイジーカッターは気がついた。数メートル離れたの右手を歩く姿に目をとめて言う。
「本物だ」
「本物、ですか?」
サキリの声色に、ダマスカスブレードも顔色を変えた。カボチャパンの残りを大急ぎで口に詰めこむ。
悪霊(ゴースト)だ。白い布をかぶった少年のようで、体がなかば透けている。うまく紛れ込んだつもりだろうが、ギラギラした目つきと舌なめずりを隠せていない。よからぬことを考えているらしい。
「悪いけど」
とサキリが言ったときには以心伝心、すでにダマスカスブレードは踊り子少女ではなく本来の姿に復していた。
抜き身の剣だ。
巨大な刀身。
長い束。
うっすらと波模様が浮かんでおり、ひと撫でで象の首くらい落とせそうなほど鋭い。
サキリが一歩踏み出すと、その身を中心に円形の空間がひらいた。彼を包囲するようにゾンビに氷の巨人、人狼らがサークルを作ったのである。ざっと十体はあろうか。悪霊の数もひとつやふたつではない。例のゴーストも入っている。
なるほど。
一匹じゃなかったわけだ。
ならば話は早い。あえて目立つように頭上で、サキリはブレードを旋回させた。
「さてご覧(ろう)じろ、ハロウィンバトルの開幕を!」
地を蹴りゴースト一体の眼前に着地、同時にこれを両断する。悲鳴すら上げられずゴーストは消滅した。
ぎぃっ、とか、おのれっ、とか怪物たちが安っぽい台詞を叫んだのは都合が良かった。一般の人からすれば、突発的なバトルショーがはじまったようにしか見えないだろう。
オオカミが飛びかかるも銅を凪がれ、サキリの背を狙った巨人は振り返りもせず脇下から繰り出した刃に貫かれた。左右からゴースト。だが両者は無様な結末に斃(たお)る。サキリが垂直に跳躍し、一刀ずつ正確無比な致命傷を与えたからだ。ゾンビが振り回した腕がちぎれて飛んだ。すごい迫力だと声を上げた観客は幸福なことに真実を知らない。おなじ観客は直後、飛来した腕をはじき返しゾンビに袈裟懸けたサキリに賞賛の喝采を送った。突進してきた牛頭の大男は、サキリの足払いに転倒し頭部を砕かれるに終わった。
すべてが片付くのに十秒も必要なかった。
怪物たちは塵となり四散したが、あまりに鮮やかでしかも短時間だったため、観衆の目には特撮としか映らなかったことだろう。
惜しみない賞賛を背に受けるも、サキリは誇るよりも背を丸め、パレードの群衆に姿をくらますほうを選んだ。
「さて」
と伸ばしたサキリの手を、そっとつつむようにして少女がつかんだ。
ダマスカスブレードだ。ふたたび踊り子の姿になっている。
「お役目は終わりですか?」
「わからない。けれど、一段落ではあるね」
だから、とサキリは微笑する。
「しばらくはパレードを楽しもう」
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
★
★★
魔的存在からパレードを守るのがサキリの役目だとすれば、
水槻 清恋
の役目はもっと現実的な存在からパレードを守ることである。
人が集まれば必然的に、事件の火種も増えるもの、スリ・ひったくりなどの窃盗はもちろん、痴漢に突発的な暴力沙汰、事故や火災の可能性もある。何がおこるかわからないのだ。迷子の保護も必要だし、そもそも群衆整理を欠かすわけにはいかないだろう。毎年のことだがこの日、警察はとても忙しいのである。寝子島のハロウィンは横浜や川崎のイベントより派手なので寝子島署の人員では足りず、近隣の警察署からも応援をもらっている。
多数の制服を眺める。
ロープを持った警官、誘導棒を掲げる警官、「進路を守ってください! ご協力願います!」と声を枯らす警官、みな汗だくになって治安を守っているのだ。楽しいイベントの陰には、名も知られぬ警察官たちの労がある。
ハコヅメやってたころを思い出すわ。
制服に身を包み交番勤務をしていた時代、清恋も赤色灯を振りすぎて腱鞘炎になったものである。
そういえばあれって、刑事になる前の年だったね。
その年のハロウィン、清恋は川中島の中州に立つ思いを味わった。地元のヤンキーと他所から来た仮装集団がにらみあい、一触即発の状態になったところに同僚とともに割って入り両者を抑えたのである。ヤンキー組は角材を担ぎ竹刀をさげ、おかしなセンスの改造バイクをふかして威嚇、対する仮装集団は、魔法少女のステッキやゴテゴテした勇者の剣で武装し殺気を放っており、第三者からすればコントめいていたが、互いに目つきは本物だった。自分たちがいなかったとしたら、不条理劇と暴力団抗争のミクスチャーが展開されたことだろう。
お役目ご苦労様。
心の中で警官たちに敬礼し、清恋は清恋の仕事に集中する。
見当たり捜査だ。
伝統的な警察の捜査手法である。私服警官として見物客を装い、群衆のなかに指名手配犯や常習犯がいないか目を光らせるのだ。いちいち手配書を確認するわけにはいかないから、記憶力に頼るしかない。地味だが連綿と受け継がれているのは、これが一定以上の効果を上げているためだった。
こういう時にスリや当たり屋の常習犯が『書き入れ時』とばかりに暗躍してるからね。
言いかえれば刑事にとっても『書き入れ時』ということになる。
本日の清恋の服装モチーフは『会社帰りのOL』だ。パンツスーツで決め、さりげなく周囲に視線をめぐらせ不審人物がいないかチェックしている。といっても足はスニーカーだ。いざとなればダッシュが必要となるから。
といっても敵もさるもの、簡単に姿を見せたりはしない。目下のところ釣りでいうボウズの状態がつづいている。
胸ポケットの携帯がぶるっと震えた。NYAINにメッセージが入ったのである。かわいらしいタヌキアイコンが他愛もない言葉を発している。
といってもこれは暗号だ。『異常なし』という意味になる。同じく見当たり捜査中の
吐前 亀二郎
からの定時通信なのだった。
まもなく大天使のアイコンからも連絡が入った。こちらは
田中・ワージントン・広
である。書いてある内容はやはり『異常なし』。
このまま何事もなく終わればいいんだけど。
と思っていたら急転直下、パレードのなかに見知った顔を清恋は見いだした。手配中のスリだ。猫背気味の小男、六十代後半、まずまちがいない。脳内の記憶スクラップブックでは比較的下位ランキングの小物だが、『仕事』しにきたのだとすれば看過はできない。
男は浮かれているのか偽装か、漫画に出てくる大工みたいな仮装をしている。ねじり鉢巻きが妙に似合っているではないか。ただ、肝心の大工道具をかついでいないのが片手落ちだ。もちろん両手をあけるためだろう。
職人という意味じゃ共通してるかもね。大工もスリも。
まあ、大工は人間国宝になる人もいるだろうけど、逆はないか。
風下から獲物を狙う肉食獣のごとく気配を消し、清恋はそいつに近づいた。大工は気づきもしない。なぜって彼もまた、獲物を狙っていたからだ。
大工は大工らしからぬ動きで、目の前のスーパーロボット、ただしくはスーパーロボット風のコスプレをした男が背負ったリュックに手を伸ばした。リュックから財布を抜き取る。現行犯だ。
「待って」
清恋は大工に声をかけた。
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
…
85
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!