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I'll be there - 仲良くなりたい、その10
【桜色のにゃあ】真夜中の出会い
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秋十月、日曜日の昼下がり。
梅雨明けから蹂躙するようにシーサイドタウンを焼いてきた太陽も、さすがにその手を緩めはじめている。
朝鳥 さゆる
は歩む。単身(ひとり)ではない。
姫木 じゅん
が隣にいる。肘同士がふれ合う距離で。
「いい季節になってきたじゃない?」
「そう……?」
「ゴスロリにはね、夏の陽射しは厳しいのよ」
ふんとじゅんは鼻を鳴らしたが、怒っているわけではなかった。
「黒いから」
熱を集めるわけ、と笑う余裕もあった。
じゅんはゴシックロリータののワンピースで、さゆるは秋物のチュニックという服装だった。いつまでも中学生に見えるじゅんと大人びたさゆるのいう組み合わせだ。親子にはさすがに見えまいが、はた目には年の離れた姉妹、あるいは従姉妹くらいに見えるのではないか。実年齢は逆なのだが。
暑いならその格好はならやめれば、などと無粋を言うさゆるではない。むしろここまで明かしてくれるじゅんには好感しかなかった。
「なら、じゅんの季節がやってきたってことね」
じゅんは体をさゆるにすりつける。
「ありがと。一番言ってほしかった言葉かも」
さらに腕を組み、顔をさゆるの肩に押しつけた。
「不思議ね。あんたのこと、こんなに好きになるなんて」
責任とってよね、とじゅんは、他の誰にも聞かせない甘えた声を出した。
作りものの『まみ子』の声ではなく、過去に傷ついた少女の声でもなかった。
さゆるがじゅんと出会ったのは数ヶ月前のことだ。
その日もさゆるは眠れぬ夜、一夜限りの情事の相手を探し夜の街をさまよっていた。自分を傷つけてくれる相手であれば誰でもよかった。そんなとき、さゆるが相手に困ることはなかった。密林に血塗られた生肉を置いたかのように、ほどなくして捕食者が訪れたのだから。
しかしその夜は勝手がちがった。これまで足を向けなかった方面に入ったせいだろうか。
餌としての自分をアピールするも空振りがつづき、歩き疲れて膝を折り、酒と吐瀉物の匂いたちこめる通りに座りこんだ。野菜でも詰まっていたような木箱だ。彼方に見えるネオンの明滅が、化学薬品に浸かった蛍のように見えた。
三角座りの姿勢で頭を垂れ、それでも下りぬまぶたを押しつけていたとき、ようやく声がかかった。
「あんた、何してるの」
こんなところで、と呼びかける声は女性だった。
「何って」
待っているだけ、とさゆるは顔も上げず告げた。
「あたしを滅茶苦茶にしてくれる相手を待ってる。思いのままに慰み者にしてくれる人間を」
誰でもいい、と投げ捨てるように言い加える。
「バカ言ってんじゃないよ」
語尾がいささかぶれたのは、声の主が酒に酔っていたせいだろう。間延びして着地場所が見いだせず、それゆえに悲しい、たるんだ綱渡りの最中の道化師じみた声だ。
「ほら立ちな」
女がさゆるの肩に手をかけた。振りはらおうとしてさゆるは顔を上げた。
驚いたのは相手が、自分よりずっと年下に見えたことだった。高校生にしては大人びてみえるさゆるだが、相手は自分の同級生よりも幼く見えた。とっさにさゆるは言う。
「こんな時間に中学生が……?」
「非常識だって言いたいわけ? でもまちがいだから」
少女らしき姿は言った。
「まちがいその一、私はあんたが思ってるような年齢(とし)じゃない。ていうかたぶん歳上だし」
さゆるの腕を引っ張って立たせる。
「まちがいその二、あたしは非常識じゃない。あんたを安全なところに連れて行く」
こんなところに置いとけないし、と怒りながら少女はさゆるを引きずるようにして通りにむかったのだった。タクシーを呼ぶためである。
煙草とアルコールの臭いのする少女にタクシーに押し込められ、さゆるはなかば目を閉じた。どうせなら、もっと獣(けだもの)じみた相手がよかった。片目と小指のない暴力団員風、腹の突き出したリストラ中年やスカジャンのチーマー崩れ、なんなら息が臭く歯の数本ない浮浪者でもよかったくらいだ。なのに気がつけば、あくまで自分は歳上と言い張る少女とタクシーに乗っている。きっとこのあとホテルに行くのだろう。この女はそのまま帰るつもりかもしれないがそうはさせない。
独りで朝を迎えるなんて、耐えられそうもないから。
さゆるは目を閉じた。
酷い夢――この時期ずっと見ていた夢だ――から覚めて最初にさゆるが目にしたのは、昨夜の少女の白い背中だった。一糸まとわぬなだらかなカーブ、裸だった。結局彼女はな肉欲に負け、さゆるをさんざんにもてあそんだのだった。少女じみた見た目ながら、これまでさゆるが体験したことがないほど荒々しい情事を好む相手だったというのは意外だった。体のあちこちがまだヒリヒリするほどだ。
何か花火めいたものは感じたものの、その日は互いに名乗りもしなかった。ホテルのプールで再会するもそのまま別れた。
これが姫木じゅんとの出逢いだった。行きずりの関係で終わるはずだった。
しかしやがて再会したさゆるとじゅんは、紆余曲折を経てともに暮らすようになる。最初は互いを互いの欠損を埋めるためのパーツとして利用しあうような間柄だったはずだが、いつしか偽りを脱ぎ捨て、暗部すら包み隠さずあきらかにして、心から結ばれる関係になったのだった。
「じゅん……あたしは本当にあなたが好き……愛してるの」
「あたしもよ、さゆる。あたしも、心の底から愛してる!」
思い出すだけで肌が火照る。さゆるが昼食を作り、目覚めたじゅんと食卓を囲んだあの日、改めてじゅんとさゆるは互いへの想いを打ち明けあったのだ。
以来、さゆるが悪夢を見ることはほとんどなくなった。たとえ夢に飛び起きたとしても、じゅんが抱きとめてくれる。記憶から逃れるために街にまろび出る必要はもうない。
昨夜、二人は身体を交えた。
これまでのような快楽への逃避や自傷行為ではなく、互いの心を重ね合わせ、響き合わせる……かつてない幸せな夜だった。
これまでの人生で無縁だったから、いまだ戸惑い気味だけどとさゆるは思う。
それでも胸の内で静かに息づくもの──生まれて初めての、人への愛しさを、大切にしていきたい。
軽々しくつかう言葉ではないかもしれないが、この想いはさゆるにとっての救いだ。
一生訪れないとみなしていた『救い』という船のうえにさゆるはいる。自覚している。
――自分の中の変化がちょっと怖いくらい。
この想いをじゅんとともに育んでいきたい。
さゆるがじゅんに目を向けると、待ち構えていたかのようにじゅんもさゆるを見ていた。
「じゅん」
「なに、さゆる?」
「あなたが好き」
「知ってる。でもあたしのほうが、倍くらい好きよ」
他愛のない言葉のやりとりなのに、そのたびに泣きたいような気持ちになる。
なぜこんなにも心が温かく感じるのだろう。
こんな感情を……なんて表現するの?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月31日
参加申し込みの期限
2022年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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