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I'll be there - 仲良くなりたい、その10
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暦十月衣替えの季節、気分一新と前向きなとらえかたもできようが、考えようによってはもう、夏服を着ることがないという寂しさもあった。ブラウスの半袖について話しているのではない。寝子高の制服の話だ。白いシャツにベスト、赤い襟も気に入っていた。三年間通したあのスタイルに戻ることはもうできない。
そもそも制服を着る時間とて、あと半年を割ってしまったのだ。
ありがとうと言うべきか、それともさよならか。
半袖のシャツとベスト、折りたたんで
御巫 時子
は目を閉じる。
着回してきた数着のうち、いくつかは捨てることになるだろうけど、一揃えだけは残すと決めている。二度と袖を通すことはなくとも、まぎれもなく自分が生きた証だから。強い陽射しに耐え何度も洗濯とアイロンを経た制服、学校の空気を、あの人とおなじ酸素を、吸って吐いてきたわが分身、どうして葬ることができよう。
奥にしまって引き出しを閉じた。次にこの制服を目にするのは、卒業し引っ越しするときになるだろうか。
さて――。
気持ちを入れ替えて時子はスマートフォンに手を伸ばした。半袖の季節はもう過ぎた。今年は今年の服を買おう。
予定表アプリをひらく。昨夜から何度も確認してきたのに、それでも心浮き立ってまたひらく。
記録してあるのは最低限の文字でしかない。『AM11:00、シーサイドタウン駅前』、そっけないくらいの情報本位だ。けれどこの短い情報の合間には、時子にとって大きくて大切な、あの人のイメージが隠れている。
そろそろ行こう。
シーサイドタウン駅前、時間は午前十一時の五分前だ。日曜日だけあって人出は多いが、彼はすぐに時子を見つけてくれた。
先生、と時子が手を上げると、ああどうも、と
五十嵐 尚輝
はかるく応じた。
「気持ちのいい秋晴れ……!」
時子は空を見上げる。
お出かけ日和ですねと呼びかけると、尚輝はうなずいて言った。
「そうですね。来週から天気がくずれる予報ですので、ちょうどよかったという気持ちです」
「ちょうど……?」
「だって、せっかくの外出じゃないですか」
御巫さんとの――とまでは言わない尚輝だが、その意思だけは香を焚いたようにうっすらと匂ってくるのだ。
時子にはわかる。なぜって、時子だって同じ気持ちだったから。
それに尚輝先生、嬉しそうです。
尚輝がこれくらい素直に話してくれるようになるまで、少々の時間が必要だった。引っ込み思案でいつもオドオドとしていて、話すときだって視線はおろか顔だってまともにあげられない……そんな彼が、時子にだけはこうして、幼子のように混じりけのない好意を示してくれる。このごろは時子が『デートに行きませんか?』と呼びかけても尚輝がためらうことはなくなった。特に用事のないかぎり「いいですね」と即答してくれる。もっとも彼のことだから、恋愛的ニュアンスの強い"dating"というよりは、文字通りのお出かけと解釈しているだけなのかもしれないが。
尚輝先生にとって自分は、特別な相手なのだと思いたい。
私が、先生をそう想っているのと同じように。
腕こそ組まねど肩をならべて、時子と尚輝はシーサイドタウンの繁華街を歩いた。
木天蓼大学の寝子島キャンパスを左手にかすめて、めざすのは南のシーサイドアウトレットだ。おなじみの大観覧車と、複数のファッションブランドロゴを組み合わせた特徴的な屋根が見えてくる。
「先生、今日はお願いがあるんです」
「は、はい、なんでしょう?」
いささかあらたまった時子の口調に、尚輝もかるく緊張をにじませている。
「今日は服を買いに行くんですけど」
秋服を買いに行きたい、とは時子が彼を誘ったときにすでに伝えてある。
「そうでしたね」
「先生にも一緒に選んでもらいたいんです」
私の服、と照れ気味に申しでた。
恋愛に長けた男性なら軽くオーケーするだろうし、なんならお安いご用とすら言うかもしれない。ところが尚輝はそんなタイプではない。むしろ正反対といっていい。
「僕が……ですか!?」
だから時子が想定していた以上の反応を見せたのである。
「そんな難しいこと……僕にできるでしょうか」
大袈裟ではなく本当に、腕組みをして考えこんでしまった。
「まともな提案ができるのかどうか……だってセンスという意味では僕、壊滅的ですよ。平日は一年中ワイシャツに白衣ですし、休みの服装といってもですね。着古したトレーナーに背広のズボンだったりしますし……」
などとうなっている。ごく軽い提案なのに真剣に悩んでしまうところが尚輝の真面目さのあらわれだし、ひそかに可愛いと思っている時子だった。
「そんな深刻にならなくても……。それに先生、今日のお召し物素敵ですよ」
ブラウンのコーデュロイジャケットにベージュのロングシャツ、黒のスリムジーンズもよく似合っている。細身なので脚の長さがきわだっているではないか。茶色のキャンパスシューズもいい。日ごろの野暮ったい彼しか知らない生徒なら、尚輝とはすぐに気づかないかもしれない。
「あ、い、いえこれは……先日下の姉が送ってきた服です。上から下まで全部セットで……その、『御巫さんとお出かけのときに着なさい』って……お恥ずかしいことで……」
えっ、と時子は声を漏らしていた。
「本当ですか!?」
「そうです。いい歳をしていまだに姉に服を買ってもらったりしてます……」
尚輝は申し訳なさそうに言うのである。娘のともか(尚輝からすれば姪にあたる)の面倒をみたりした礼とのことだ。
「いえ私が驚いたのはそこではなくて……」
「下の姉だけじゃなく、上の姉にもそういうところがあります」
尚輝がピントのずれた回答をするので思わず時子は笑ってしまった。
「三十もなかばなのに、いまだ姉たちにとって僕は、小さい弟みたいなんですよね。みっともないでしょう?」
「そんなことないですよ。それどころか嬉しいです」
そうだ。時子は嬉しいのだ。光栄に思っているのだ。満面の笑顔になっている。
「嬉しい?」
「はい。私にとって、ですけど」
だってそうだろう。尚輝の姉からじきじきに『御巫さんとお出かけのときに』と指名があったのだから。きっとあの賢いともかが、状況を報告してくれたにちがいない。それも正確に。
要領がつかめないらしく尚輝はきょとんとしている。やっぱり尚輝らしい反応なのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月31日
参加申し込みの期限
2022年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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