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しずくがこぼれおちるとき<黒>
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──21:31、積み家・アパート 天空を臨む回廊
「まただ」
漫 歩
はいぶかしげにつぶやき、紙片を拾い上げた。
破かれたスケッチブックのかけら。もういくつも見つけている。窓枠に挟まっていたり、風にあおられて飛んできたものをキャッチしたり、
ゼロ・シーアールシー
がゴミ箱に頭を突っ込み拾い上げたりいろいろだが、徐々に集まるそれらは形を成しつつあった。
「誰かが、俺たちに集めさせようとしてるのか?」
「また一枚、見つけたのですー」
「おー、サンキュー」
あいも変わらず無表情、けれどゼロは手がかりを集めるのに熱心だ。ゲームの類のつもりなのか、あるいは彼女なりに誰かの役に立ちたいと感ずるところがあるのか。あるいは、
黒白 滴
のためにだろうか。飄々とした面から読み取れるものはないが、歩はゼロの積極性を好ましく思う。
ともかく、スケッチブックの紙片を集める。ゼロや歩があえてこの場に呼び寄せられる理由があるならば、単なる傍観者ではなく、何らかの役割を振られていると考えるのが妥当だろう。二人はそれを、スケッチブックを完成させることと受け止めた。
「おっ、猫又くんじゃん。お帰りかい」
「猫さん、また会えたのですー」
再び現れた黒猫を、ゼロがひょいと抱き上げる。
「
謎団子
、食べるのですー?」
ゼロお得意の謎アイテムを鼻先に差し出され、黒猫はひとつニオイをかぎ、ぶみゃあと鳴いて激しく首を振った。
「それはいらないってさ、ゼロくん。で、猫又くん、また案内してくれるの?」
こくり、うなずく。
ふらりと現れたかと思うと姿を消し、再びこうして現れる黒猫はどうやら、積み家のあちらこちらを巡っているらしい。歩は同じようにこの家へ踏み込んだ仲間がおり、今は散らばっている彼らを導いて、何かをさせたいのだろうと推測した。
言葉は分からないが、通ずるところはあるものだ。
「わー。またでたのですー」
「んっ!?」
歩が振り返ると、ゼロが一見身なりのよい、しかし怪異であるらしい初老の男に追いかけられている。
しかし歩も、容易く助けに入ることはできなくなった。ぞろりと湧いて出た青い闇が行く手を阻み、四肢を持つ獣の姿となって襲いかかってきたからだ。
「こりゃやばい。おいゼロくん、あんま遠くへ逃げるなよ! 今こいつぶっとばして、そっちいくから!」
「どりょくはするのですーーー」
闇の獣が口を開くと、青く輝く牙が覗く。
す、と片足を引き、歩は身構える。
闇がすさまじい跳躍力で宙へ跳び、放物線を描いて迫り来るのを、歩は真っ向迎え撃つ。横っ面へ蹴りをぶちかますと獣は吹っ飛び、もんどりうって鉄柵へ激突した。そのままボロアパートの外へ失墜させてしまいたかったが、思いのほかみっしりとした質量を感じる。闇は己の一部を実体化させることもできるようだ。
「悪いけど、構ってるヒマ無いんだよ。仲間が向こうで待ってるかんね」
再びの跳躍をかかとで叩き落とし……たかと思えばすぐにも獣は跳ね起きて、歩の脛へかじりつく。びりびりと伝わる衝撃や牙が食い込む感覚に顔をしかめるも、意に介さずとばかり足を振り上げ、獣もろともに壁へ叩きつける。
前足の爪をくぐりながら前屈し、直下から蹴り上げる。
「っと!」
獣の背から唐突に伸びた闇の触手を回転とともにかわし、間合いを取る。
「そう簡単には行かせてくんないか。けど」
歩は怯まない。彼の恐れは怪異になく、強大な敵でもなく、無視されること。忘れ去られること。
「相手はバケモノ。そんなの知らねー! 蹴り倒してやるわ!」
彼もまた、あやかしなのだ。
のらりくらりとたゆたうようなゼロには、あいにくと敵をどかんとやっつけてしまえるような技量やフィジカル、必殺ワザの持ち合わせはない。
「さ。おじさんと、いいことしよう。ね。だいじょうぶ、いたくしないから」
いいこと、の意味する詳しいところはゼロには分からないが、なんとなくエッチなことであろうというのは察する。
歩と違って直接的に危機を打開する術のないゼロには、怪異を引き離し撒いてしまうのも難しいだろう。事実、今まさに階段の踊り場の一角に追い詰められてしまったところだ。
「さあ。さあ。おじさんと」
「わかったのですー」
そこでゼロの取ったのは、意外にすぎる行動だった。
ゼロは階段にちょいと腰かけると、白く幼い足を差し出したのだ。
「ひざまずくのですー。ゼロの美しさをたたえながら、この足をなめるといいのですー」
「いい子だ。いい子だね。ね」
怪異はゼロの言葉のとおり、飛びつくように跪くとやわらかくなめらかなふくらはぎに手を添え、宝石を扱う細工師さながらの仕草でかかとを持ち上げ、指先へ舌を這わせ始めた。
初老に差しかかった男が童女の足を舐めねぶる様は実に直視しがたいが、
「ううう。ううううー」
それはまぎれもなく精神攻撃であり、ゼロの心を侵食した。
水音が響く。奥の奥まで染み入るようだ。錯覚と分かっていても、足先を通じて脛、腿、鼠径部から腹へ、胸元へ首へ、頭頂部まで余さず舐められているという舌先の感覚は拭えない。
「ここはがまんの子、なのですー……うううう」
それでもゼロは耐えに耐えた。蹴り飛ばして跳ねのけることも、噛みつくこともできようが、そうとはしなかった。この場においてそれがゼロの戦いであるのだと、理解していたのだろう。
そのまま、どれほどの時間が経っただろう。
「ああ。いい子だね。いい子……」
みゃあ。と猫の声が、もうろうとする意識の中届く。
怪異が弾かれるように離れたところへ、
「待たせた!!」
横合いからロケットのごとく飛び込んだ歩の跳び蹴りが怪異の横っ面にめり込み、吹き飛ばした。
心を侵し尽くされ廃人となる前に、どうやら救援が間に合ったようだ。
「よっす。頑張ったじゃん?」
「はふ~。きもちわるかったのですー。ありがとうなのですー。黒猫さんも、ありがとうなのですー」
ひとつ深い息をはいてから、ゼロは歩と黒猫へぺこりと頭を下げた。
にゃあ、とほっとしたように鳴いた黒猫が、不意にはっとして振り向く。
「んん? なにかあるのですー?」
「……滴くん!」
上階に立ち、儚げにこちらを見つめる、それは滴の姿だった。青くぼんやりと輝いている。幻像なのだろうか。しかしそれにしては、いやにはっきりとした存在感を帯びていた。
何とはなしに、駆け寄るのはためらわれた。触れたとたん、さらと霧消してしまいそうな予感がする。
「滴くん……」
歩はその場から動かず、語りかけた。
「君は、どこへ行きたい?」
こくり、と滴は首を傾ける。少なくともあの怪異らと違い、言葉は届くようだ。
「何でもいい、どこでもいい。好きな場所を言ってくれ。俺は靴さ。誰かの踏み出す一歩を、少しでも長く。少しでも遠く。もっとずっと、遠い彼方まで……そのために、俺は生まれたんだからさ」
じっと。物言わぬまま静かに、しかしうっすらと微笑みを浮かべて、滴は聞き入る。
「遊園地? 水族館? 外国はどうだい? 霊界ツアーだって構わないぜ。あ、でもその場合は日帰りでな? 逝きっぱなしは困るだろ」
くく、と可笑しそうに肩を震わせて、滴は少しばかり名残惜しそうにしながら踵を返す。
「戻ってきてほしいのですー。いっしょに寝子島に帰るのですー」
ゼロの言葉に、ちょっと困った笑みを浮かべ……滴はふ、と失せた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月23日
参加申し込みの期限
2022年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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