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しずくがこぼれおちるとき<黒>
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──20:49、積み家・タワーマンション リビング、隠匿された部屋
なんてゴージャス。なんたるラグジュアリー。
タワーマンションは管理費や修繕積立金が高い、タワーマンションは乾式壁の騒音が気になる、などとトラブルも聞こえるが、実際に窓際へ立って見ればその眺望に圧倒されるもやむなしだ。
「ここ……霊界なんだよね?」
「どこの夜景だろうねえ、これ」
恵御納 夏朝
も
白 真白
も、そんなセレブリティ御用達マンションとは縁遠い一小市民である。霊界の一角とは思えない窓の外の景観はまだしも、室内のきらびやかなまでの内装、家具や調度品類の嫌味なまでの高級感にはいささか鼻白んでしまう。
「これも、黒白さんの家なの……?」
「でも滴ちゃん、今はこんなところに住んでないよね。豪華でスゴイお家なのに、引っ越しちゃったのかな?」
霊界の何かしらが見せているのかもしれないが、少なくとも夜景が寝子島のものでないのは確かだ。寝子島での滴は一人暮らしをしていたというし、以前に暮らした家かもしれない。
「とにかく……探してみよう。僕もみんなも、それに黒白さんも、生きて帰る……! ここを調査して、真実をつかめばきっと……!」
「ん」
夏朝は滴の死を断定しない。その生還を信じている。彼女がどうやら恵まれた環境のもと育ったわけではないことは、なんとはなしに感じていた。それが寝子島で報われないことを、夏朝は許すことができなかった。
一方の真白は楽観主義的なたちだが、夏朝ほどの希望を見い出せてはいない。否定はしないが肯定も容易にできないが故に、相槌は曖昧に留まった。
死体として発見された滴。ここが霊界であるというのっぴきならない事実。それらを跳ねのけるに足るものがここで見つかれば、と願うばかりだ。
「うへえ」
リビングらしき空間をひとつ見回し、真白はどうにも落ち込みそうな気分を吹き飛ばすためか、妙な声を発する。
「お金持ちって、すごいね。このカトラリー、純金だよ。こっちのオブジェも」
「よくわからないな……こういう趣味」
「私も~。この絵とか彫像とか、いくらぐらいするんだろうなぁ」
一つ一つ手に取り、この局面を打開する何かヒントは無いかとつぶさに見つめるうち、夏朝の口から自然と言葉が漏れた。
「黒白さんには……似合わないな」
「あー。そうかも。うん、そうだね」
どうにも、想像が及ばない。滴がこの家で幸せに暮らしている、そんなイメージが塵ほども湧かないのだ。家族の団らん。美味しい料理に弾む会話。絶えない笑い声。そんなものがここで生まれたとは到底思えなかった。
物は豊富だ、しかし決定的に何かが欠如している。乾ききって、冷めている。そんなふうに感じずにいられない。
「なんだかなぁ。どんな人が住んでたんだろうね」
「……あいつ。じゃないかな」
夏朝がふいに、廊下の向こうを指差す。真白は思わず、うわ、と声を発した。
「かわいいね。ね。いいことしよう。ね」
初老の男性だ。すらりと背が高く、身なりは上品で物腰も穏やか、優しげな笑みをたたえている。撫でつけた髪にも清潔感がある。
にも関わらず、ねちっこくしたたるような声に歪な目線は好色さを隠さず、いまに舌なめずりさえしそうだ。
「ね。いたくしないから。ボクといいことしよう」
「いいこと……って、そういうことだよね。この変態! どうしよう、逃げないと」
真白は後退るが、夏朝はそうではなかった。
何を思ったか彼女は、重厚な黄金の彫像を手に取り、
「痛くしない? 嘘つけ。痛くないって思ってるのは」
おもむろにそれを振りかぶると、ためらいもなく投げつけたのだ。
「貴様だけだッ、このクソ野郎!!」
「か、夏朝ちゃんー!?」
ごきりと鈍い音とともに、彫像は男の顔面へ寸分たがわずめり込んだ。
かなりの重量だ。実にいい当たりだったし、まっとうな人間ならば無事では済まないだろう……しかしここは霊界で、積み家で、それにおそらく相手は人ではない。存在に現実感が感じられない。
「いたくしないよ。ね。ほら。おいでよ」
「こいつは……倒す」
「ま、マジで?」
別の重たげなオブジェを手に取り、直接叩き伏せるつもりらしい夏朝。
真白も腹をくくる。確かに怪異に追われるまま、まともな探索など望めはしないだろう。
肝要なのは滴のため。彼女のため、この場所で何かを見つけねばならない。障害など、砕き散らしてしまえばいい。
それは夏朝の優しさだ。夏朝の抱く熱でもある。それが、真白にも伝播したのかもしれない。
「こ、このーっ!!」
真白は手近な置き時計を、男……の姿をした怪異へ投げつける。
夏朝はろっこんで身に纏うものを軽くし、一足飛びに跳躍しながら振りかぶる。
「黒白さんに……何をした!!」
宝石箱のような夜景をのんびり眺めている余裕はない。
「なんだったんだろうね。あのおじさん」
「黒白さんの父親? それとも、お金を渡す代わりにひどいことした屑か……」
「でも、滴ちゃんが自分からそんなことするなんて、思えないよねえ?」
「うん。僕もそう思う」
殴打乱打に耐えかね、男が退散しているうちに、何かを探す。
何か。何を見つければいいのか。何が見つかるというのだろうか。真白も夏朝も口には出さぬまま、胸の内から拭えない不穏な予感にあえいでいた。
あの男。表面上は小奇麗に取り繕っていながら、内面にどす黒い欲望を抱えた男。撃退のさなかに一度だけだが、男の手が夏朝の頬をかすめた。精神を直接掌握するような……見えない触手に足元から絡みつかれるような。ともかくおぞましい何かを感じ、夏朝は飛び退った。
ここは、そんな男の領域なのだろう。そして滴もまた、一時にしろここに暮らしたことがあったのだろう。
その痕跡を見つけたとして、果たして導き出すのは正しい行いだろうか。それとも眉をひそめずにいられない、忌むべき真実だろうか。
夏朝が棚に見つけた工具箱からハンマーを取り出し、武装を強固にしたところへ、
「ねえ、ちょっと来て!」
真白の声が届く。
彼女が手にしているのは、一台のノートパソコンだ。軽量薄型、傷一つなくぴかぴかの、きっと最新型モデルだろう。
「向こうの部屋の押し入れの奥に、隠すみたいに入ってたよ。こんな新しそうなパソコン、しまい込んでおくなんてちょっと怪しくない?」
「何か……見られたくないようなものが、入ってるとか?」
「ありうるね!」
リビングの卓上へ据えると二つ折りの本体を開き、ディスプレイを覗く。すばやくOSが起ち上がり、待つ暇もなくデスクトップが表示される。
見たところ変わったものはない。
「人のデータを見るなんて、あまり良くないけど。何か情報は……っと」
タッチパッドを滑る真白の指の軽快さに比べ、夏朝の胸には重く不快な、不安がわだかまってゆく。きっと、あの男のものだろう。あの男が見られたくない情報とはなんだろう、どうせロクなものではなかろうが。
「これは、仕事用のフォルダかな。こっちのこれも。へえ、事務所を持ってる建築士さんなんだね。このファイルは……写真が趣味なの? ずいぶんたくさんあるね、何が写って」
ぴたり、と真白のしなやかな指が動きを止めた。
画面にずらりと並ぶ写真の、ある共通点に気づいたからだ。
「……これ」
口に出すのははばかられたが、震える拳に紅潮する頬。夏朝の怒りや憎悪は明白だった。
ファイルのひとつひとつには、名前、年齢、日付や番号が付けられて、実に几帳面に整理整頓されている。
沢村 美紀、16歳。岡田 まつり、15歳。斎藤 日奈子、17歳。藤田 夏樹18歳、只野 登美子17歳。芹沢 樹里。乾 啓子。設楽 美姫、小島 冴、東海林 成実、多田 秋乃、宮本 春香、近藤 美空、花田 加代、高杉 翠……エトセトラエトセトラ、だ。
フォルダの表層にあるのは、主に制服を着た女子学生がはにかんだり、ノリ良くピースサインなど掲げている写真ばかりだが、フォルダにはさらに下層があった。
深くへともぐるたび、写真の少女たちは薄衣を剥がれるごとく肌を露わにしてゆく。表情は徐々に凍りつき、ポーズは歪になってゆく。
少女が局部をあらわにした時、真白は弾かれたように画像を閉じたが、
「動画も……ある」
夏朝が揺れる声色を隠そうともせず言った。
最下層のフォルダ『秘密のお宝☆』には、長尺の動画ファイルが収められていた。いくつあるのか、数える気にもならない。無数のうち一つを、脳裏に走る危険信号を振り払って再生する。確認せねばならなかった。あの男の所業を。
見知った間柄の彼女に、何が起こっていたのかを。
意を決したように、真白はぎこちなく動画を再生する。
「…………!! うッ」
真白はこみ上げた嘔吐に耐えながらうずくまり、夏朝は動画も画像も全てフォルダごと消し去ろうとするも、霊界の産物であり現実ではないからか、消すことができない。
少女へ覆いかぶさり、男は絡みつく。さながらタコかイカの捕食シーンを見ている気分だ。
「壊して……!」
「っ」
「夏朝ちゃん! ブッ壊して!!」
「うあああああああっ」
ハンマーを振り下ろす。何度も、何度も。振り下ろし、振り下ろし、振り下ろす。画面もキーボードも砕き、全て破壊してなおも踏みつける。
スピーカーが叫ぶ痛ましい声はようやくにして消えたが、二人はしばし言葉もなく、身動ぎさえも封じられたようにうなだれていた。
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3人まで
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ホラー
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月23日
参加申し込みの期限
2022年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月30日 11時00分
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